人はみんな嘘をつく・・・ | ほんとうのピコットさん

ほんとうのピコットさん

子どもの本屋「夢文庫ピコット」店主です。
タイトル「ほんとうのピコットさん」については、
http://ameblo.jp/pikot/archive1-200711.html をどうぞ!

さて、絵本と躾の関係について、

前回の続きを書きます。

 

歯磨きやトイレトレーニングのような具体的な事柄と違って、

心の内面を育てるのは難しいものですね。

 

前回の内容と相対するようですが、そこで、絵本。

絵本にはヒントがいっぱいあります。

絵本は無敵です。(^^)

 

絵本を一緒に読んでいて、

読み手の(あるいは作者の)大切に思っていることが聞き手に伝わる、

あ、今、同じ気持ちになった・・・ と感じる瞬間というのが、

ありますよね。

 

友情・思いやり・優しさ・勇気・悲しみ

そんなことを体験させてくれる、

絵本は本当に宝の箱です。


ところで、

わたしの<口を重くする>タイプのお尋ねのひとつに、

こんなものがあります。


「子どもが嘘をつくのですが、

何かよい本はありますか?」


寺院に残されている「地獄図絵」を絵本にしたものが、

マスコミで取り上げられたので、

そんなものを想像されるのでしょうね。

ご家庭にとって、それだけ深刻なことなのだと感じます。


あんな怖いところはいやだ~と悔い改めて、

正直になるような怖い絵本。

う~ん。

本当にそれで嘘をつかない人になれるのでしょうか。

 

嘘といってもいろいろあります。


クリップ 空想と現実がごっちゃになった、たわいないうそ。
クリップ 本当のことを言ったら叱られる時の、自分を守るためのうそ。
クリップ そして、人を困らせ苦しめるための嘘。

 

ご両親を悩ますのは、
ほとんどは2番目の嘘です。


その嘘をなんとかするために、

「絵本 地獄」 をおすすめする気持ちに、

わたしはなれません。。


だって、2番目のケースでは、

嘘はいけないと、本人は十分自覚していますから。

 

自分を守る嘘は、子どもも大人もつきます。
そして、その嘘が成功したとき、

ドクロへっへっへ、騙してやったぜ~
と嬉しい気持ちになることは、ありません。

 

嘘はいけないとわかっているから苦しいし、
だからといって、正直に答えてもても叱られるという時、
自分の力で何とかできるようになるのは、何歳くらいでしょうか?
あなたはどうでしたか?

 

なのでせっかく本を買いに来てくださったお客様に
わたしはつい、こんな説明をしてしまいます。

 

自分を守るための嘘は、
本人も苦しいし、
ウソをつかなくてもいいよう、大人が手を貸さないと
解決しないと思うんです。

たとえば、できない約束はしないとか、
失敗したことは、叱らないで、
本当のことを言ってくれてありがとうと、その気持ちを認めるとか。

 

みっくんのおばちゃん顔 そうですよね、そうします。


そう言って帰られるお客様を見送りながら、
心の中で自分に、
嘘でもいいから何か1冊買ってもらったらどうよ・・・
と言ったりするわたし。(-v-)

 

そんな事が最近もあって、
本棚を眺めていると、

おやおや、
絵本にも、嘘をつくお話はたくさんありますね。

いくつかご紹介していますので、
ホームページの特集をご覧下さい。

 ・・・→ “ウソをつく”の号 2019・10
 

 

 

 

山おとこのてぶくろ

松谷みよ子/田島征三

ほるぷ出版 本体¥1,450.

 

☆ ☆ ☆

娘をさらう悪い山男だけど、

おら うそ つかね よめこ ほしかった

という言葉には、同情します。

 

 

 

 

人は嘘をつきます。
自分のための嘘、相手のための嘘。
人を騙し苦しめるための嘘もあります。


自分を振り返って見るとき、
嘘をつく自分も怖いけど、嘘をつけない自分になるのも怖い。
そう思います。

 

ああ、こんなに恐ろしげに締めくくるつもりはなかったんですよ~。アセアセ

 

嘘をつかない人に育てるべきかどうかは別として、
人生のシュミレーションとして、
嘘についてのお話を一緒に読んでおくのは、
きっといつか、何かの助けになることと思います。

 

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