さて、絵本と躾の関係について、
前回の続きを書きます。
歯磨きやトイレトレーニングのような具体的な事柄と違って、
心の内面を育てるのは難しいものですね。
前回の内容と相対するようですが、そこで、絵本。
絵本にはヒントがいっぱいあります。
絵本は無敵です。(^^)
絵本を一緒に読んでいて、
読み手の(あるいは作者の)大切に思っていることが聞き手に伝わる、
あ、今、同じ気持ちになった・・・ と感じる瞬間というのが、
ありますよね。
友情・思いやり・優しさ・勇気・悲しみ
そんなことを体験させてくれる、
絵本は本当に宝の箱です。
ところで、
わたしの<口を重くする>タイプのお尋ねのひとつに、
こんなものがあります。
「子どもが嘘をつくのですが、
何かよい本はありますか?」
寺院に残されている「地獄図絵」を絵本にしたものが、
マスコミで取り上げられたので、
そんなものを想像されるのでしょうね。
ご家庭にとって、それだけ深刻なことなのだと感じます。
あんな怖いところはいやだ~と悔い改めて、
正直になるような怖い絵本。
う~ん。
本当にそれで嘘をつかない人になれるのでしょうか。
嘘といってもいろいろあります。
空想と現実がごっちゃになった、たわいないうそ。
本当のことを言ったら叱られる時の、自分を守るためのうそ。
そして、人を困らせ苦しめるための嘘。
ご両親を悩ますのは、
ほとんどは2番目の嘘です。
その嘘をなんとかするために、
「絵本 地獄」 をおすすめする気持ちに、
わたしはなれません。。
だって、2番目のケースでは、
嘘はいけないと、本人は十分自覚していますから。
自分を守る嘘は、子どもも大人もつきます。
そして、その嘘が成功したとき、
へっへっへ、騙してやったぜ~
と嬉しい気持ちになることは、ありません。
嘘はいけないとわかっているから苦しいし、
だからといって、正直に答えてもても叱られるという時、
自分の力で何とかできるようになるのは、何歳くらいでしょうか?
あなたはどうでしたか?
なのでせっかく本を買いに来てくださったお客様に
わたしはつい、こんな説明をしてしまいます。
自分を守るための嘘は、
本人も苦しいし、
ウソをつかなくてもいいよう、大人が手を貸さないと
解決しないと思うんです。
たとえば、できない約束はしないとか、
失敗したことは、叱らないで、
本当のことを言ってくれてありがとうと、その気持ちを認めるとか。
そうですよね、そうします。
そう言って帰られるお客様を見送りながら、
心の中で自分に、
嘘でもいいから何か1冊買ってもらったらどうよ・・・
と言ったりするわたし。(-v-)
そんな事が最近もあって、
本棚を眺めていると、
おやおや、
絵本にも、嘘をつくお話はたくさんありますね。
いくつかご紹介していますので、
ホームページの特集をご覧下さい。
・・・→ “ウソをつく”の号 2019・10
山おとこのてぶくろ
松谷みよ子/田島征三
ほるぷ出版 本体¥1,450.
☆ ☆ ☆
娘をさらう悪い山男だけど、
おら うそ つかね よめこ ほしかった
という言葉には、同情します。
人は嘘をつきます。
自分のための嘘、相手のための嘘。
人を騙し苦しめるための嘘もあります。
自分を振り返って見るとき、
嘘をつく自分も怖いけど、嘘をつけない自分になるのも怖い。
そう思います。
ああ、こんなに恐ろしげに締めくくるつもりはなかったんですよ~。
嘘をつかない人に育てるべきかどうかは別として、
人生のシュミレーションとして、
嘘についてのお話を一緒に読んでおくのは、
きっといつか、何かの助けになることと思います。
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