おもしろい絵本の“おもしろい”は? | ほんとうのピコットさん

ほんとうのピコットさん

子どもの本屋「夢文庫ピコット」店主です。
タイトル「ほんとうのピコットさん」については、
http://ameblo.jp/pikot/archive1-200711.html をどうぞ!

子どもの本屋をはじめてから35年ほど。
当時からすると、
子どもの本は市民権を得たと思います。

 

小さい人のいるお宅には絵本があるのが当たり前になりました。
子育て支援や、園や学校で、読み聞かせも盛んです。

このように子どもの身近に絵本があるようになったことを嬉しく思う反面で、
実はこのところの出版状況に、本屋として、

何だかもやもやするというか、
すっきりしないというか、
そんな感じも抱えていたのです。

 

それは何かといえば、

昨今、おもしろおかしい作品が注目されがちだけど、

<受ける>絵本が、

本当に子どもにとっての良い絵本なの?

という問題です。

 

これといったテーマもなく、
馴染みのキャラクターで引きつけようとする(ように、わたしには見える)
とか、
下品な言い回しで聞き手を笑わせようとする(ように、わたしには見える)
とか、
そういう傾向の絵本が、
けっこう売れている(らしい)。

うんちと書けば売れるって、どういうこと?

 

若者が本を買わないくなった今の時代、
子どもの本ジャンルはターゲットなので、
く手早売れる>ようにと灰色の男たちが画策しているのだろうか?

あ、これは妄想。

 

そんなもやもやなわたしを、

原点に引き戻してくれたのが、母の友の9月号でした。

(今ごろ9月?だけど、消費税のせいだから)

 

 

 

母の友 2019年9月号

福音館 本体¥537.

 

 

この号の特集

“おもしろい絵本って どんな絵本?”で、

松岡享子さんへのインタビューがあるのですが、

冒頭、編集部が、

 

 鉛筆 おもしろい絵本とはどんな絵本ですか?

 

と直球で質問しています。

それに対する松岡さんの答えは簡潔です。

 

 

ビックリマーク おもしろいとは、必ずしも「笑える」ということではなくて

  聞き手の心が動く、ということ

  おもしろい絵本とは、

  聞き手の心の深いところにまで響く絵本ということです

  (要約しました)

 

 

これは、石井桃子さんや瀬田貞二さん、そして松岡さんといった、

日本の子どもの本の基礎を作った方々が、

くり返し言ってこられたことですよね。

 

作家にとっても出版社や書店にとっても、

売れる、売れないは死活問題には違いありませんが、

それでも絵本の土台は、

“聞き手の心深くに届く内容”であるべきです。

 

わたしも、

売れるからとか、

他店さんにもあるからという理由で、

ウケ狙いの作品をうちの絵本棚に並べたりはすまいと、

この特集を読んで改めて思ったことでした。

 

インタビュー記事の後半では、

次の世代におもしろい絵本を届けることへの、

松岡さんのお考えにも触れられています。

バックナンバーは1年間は入手可ですから、読んでみてくださいね。

 

母の友編集部さん、グッドジョブであった!

 

p.s.

タイトルにうんちと付いているのはみんな良くないっ

と思っている訳ではありませんよ~。

ちいさい読者たちの共感を呼ぶ素晴らしいうんち作品はたくさんあります。

たとえば、こちら!

ピコットの売れ筋です。

 

 

みんなうんち

五味太郎/福音館/本体¥900.

 

 

 

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