“ぎりぎり”ですけど | ほんとうのピコットさん

ほんとうのピコットさん

子どもの本屋「夢文庫ピコット」店主です。
タイトル「ほんとうのピコットさん」については、
http://ameblo.jp/pikot/archive1-200711.html をどうぞ!


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新刊のチェックをしていて気になったタイトル。

ぎりぎりの本屋さん

 

入荷してきたので手に取ってみて、びっくり。

そのお話の本屋さんは、

 

ずっとずっと前からそこにある目立たない古ぼけたお店で、

中は狭く、積んである本は古く埃臭い

それなのに、なぜかつぶれない

ぎりぎりのところで踏ん張り続けている

 

ということで、

何だかわたし、心当たりがある気がするんですけど・・・。

めちゃくちゃ知ってる気がするんですけど・・・。

まさか、まさか、

ピコットが舞台になっているんじゃないでしょうね?

と、ドッキリする設定で物語は始まっています。

 

 

 

ぎりぎりの本屋さん

まはら三桃他作 講談社 本体¥1,400.

 

 

このお店(お話の方のですよ)、

確かにぎりぎりではありますが、

お客の方もぎりぎり待った無しの状況を抱えて、

引き寄せられて、

そこで手にした1冊の本に救われるのです。

 

つまりこのお話は、本屋が主人公ではなく、

ぎりぎりのお客たちが出会った1冊の本によって体験する、

不思議な出来事の物語です。

 

実はこの作品はリレー小説の形を取っていて、

  ☆ まはら三桃

  ☆ 菅野雪虫

  ☆ 濱野京子

  ☆ 工藤純子

  ☆ 廣嶋 玲子

 

という5人の人気作家による短編集です。

 

短編集はわたしにはボリュームの点で少々物足りなく、

読むならそりゃあ長編でしょう!と常々思っているのですが、

このような身につまされる設定では、読まない訳にはいきません。

ということで・・・、読んでみました。

 

結論から言えば、短編集ながら、

各作家の持ち味が謎の本屋という<舞台>に凝縮されて、

この後どうなるの?と、つい時間を忘れる読み応えでした。

 

そもそも、リレー小説という形式で作品を作る場合、

舞台設定は誰がするのだろうか?

筋立てに矛盾を生じないためには、

やはり編集者が腕を振るうのだろうか?

と、普通の短編集にはない疑問も浮かびます。

奥付けに編集者名がないのが残念です。

 

そして、読後、

5人の作家の作品をチェックしたのは言うまでもありません。

本屋ですもの。

(出版社の思う壺です。)

 

この「ぎりぎりの・・・」はシリーズ2作目で、

1作目は ぐるぐるの図書館 というタイトルで出ています。

リレー小説として成功したからこそ、2作目の「ぎりぎりの・・・」が出たのでしょうね。

棚に並べてみようと思います。

 

ところで、物語の中で起こるようなことは実際の本屋ではまず起こりませんが、

先日、うちではこんなことがありました。

 

女の子とママがやって来て、仲良く絵本を選んでいましたが、

そのうち何やら不協和音が聞こえ始めました。

 

わたし え~、それ? それだったら、ママ、欲しくない。

 

そこで、“意見が合いませんか~?”と声をお掛けしてみたところ、

なるほど、可愛らしいお嬢さんが選んだのは、

ちょびっと怖げで不気味なお話でした。笑

 

ママの気持ちもわからなくはないけど、

何度聞いても女の子が欲しい本はそれ。

揺らぎません。

 

そこで本屋は、もう一言口出ししてみることに。

 

どんなに仲良し母子でも、好みが違うことってあるんですよ。

ご本人の「自分で選んだ」気持ちも大事だと思いませんか?

ママが好きじゃなかったら、この絵本はパパに読んでもらいましょうよ。

 

そして、本屋が女の子を、

♪がんばれー、♪がんばれー

焚きつけて応援していると、

 

わたし え~~、そうなんですかぁ? う~ん、じゃあそうしよっか・・・。

 

と、ママ。

ニコニコ顔で、怖げな(?)絵本を抱える女の子!

ママさんもご自分の好きな絵本を1冊選び、

最後は笑顔を交わして、二人共満足の様子でした。

 

そして、帰り際、

出口で振り返ったママが、わたしにこんな一言を。

 

わたし ここのお店じゃなければ、この絵本買いませんでした♪

 

 

お褒めの言葉と承りました。笑顔

またどうぞお越し下さい。

 

という訳で、ぎりぎりの本屋さんほどのドラマはないけれど、

小さなエピソード満載の、“ぎりぎり”のピコットです。

 

 

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