子どもと動物のきずなの物語 | ほんとうのピコットさん

ほんとうのピコットさん

子どもの本屋「夢文庫ピコット」店主です。
タイトル「ほんとうのピコットさん」については、
http://ameblo.jp/pikot/archive1-200711.html をどうぞ!


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子どものための絵本や物語では、動物がよく登場します。

くま<の パディントン>や、猫<の とらねこたいしょうはじめ11ぴき>や、

ねずみ<の ぐりとぐら>が、

聞き手である子どもの分身となって、

実生活では実現し得ない冒険や、時にはとんでもないいたずらをして、

聞き手の共感を得ます。

 

登場する動物=聞き手 という構造です。

 

今回ご紹介する2冊はそのパターンではなく、

聞き手と動物が向かい合う物語です。

 

まずはこちらです。

 

 

 

クローとわたし

原 陽子 詩 / 永井泰子 絵

リーブル  本体¥1,300.

 

 

今日も日記に書く事が何もない・・・と思う女の子の暮らしに、

子犬のクローがやってきます。

幸せでいっぱいの日々。

 

しかしある事情で、子犬は女の子から離されます。

クローを守ってあげられなかったという自責の念。

子どもゆえ、

もう一度一緒に暮らしたいと口に出せないもどかしさ。

 

そんな幼い日々から、

母になったある日の思いがけない<再会>までを、

飾らないまっすぐな言葉で編んだ、詩による物語です。

実体験が元になっているのでしょうか。

 

子ども時代というのは、愛され守られて安全な一方で、

しかし、自己決定権は持てません。

 

小さな聞き手には、クローと心通う喜びとともに、

大切なものを自分で守れないことの切なさも、共感されると思います。

そして大人の読者は、

自分の中にいる、小さかった自分に気付かされるかもしれません。

 

実はわたしも、この詩集で遠い記憶がよみがえりました。

小学校の帰り道、一匹の犬と仲良くなって、

その犬はわたしと一緒に、家までついて来てしまったのです。

 

その頃は放し飼いの犬も多かったのだと思います。

 

父に、犬は帰しなさいと、言われて、

その犬もわたしも、とてもがっかりした覚えがあります。

 

それはそうでしょうよ!

ある日小学生の娘がよそ様の犬と一緒に帰って来たからといって、

わんちゃん、それじゃウチの子になりなさい。

とは言えますまい・・・。

今ならわかります。

叱られはしませんでしたが、恐らく両親は驚き呆れたことでしょう。

 

そんなことを思い出していたところへ、

徳間書店の編集の方から、新刊が出ますよというお知らせ。

手にしたのがこちらの絵本でした。

 

 

 

ゾウはおことわり

リサ・マンチェフ 作 / テウン・ユ 絵 / たなかあきこ  訳

徳間書店 本体¥1,500.

 

 

 

ぼくのペットは、親切で甘えんぼの、小さなゾウさんで、

ぼくたちはいつもお互いに助け合う仲良し。

ある時、ペット同伴パーティにぞうくんと出かけたぼくは、

入口に ゾウはおことわり と書いてあるのをみて憤慨します。

 

こちらは空想のお話ですからね。

男の子はゾウくんの気持ちを思って、即行動に移します。

やっぱりパーティに入れてもらえなかった、スカンクを連れた女の子を誘い、

どんな動物でも大歓迎!のペットクラブを立ち上げたのです。

 

すると、やって来る!来る!

 

ハリネズミを連れた子。

アルマジロを連れた子。

ペンギンやノコギリザメや、

それにキリンやコウモリを連れた子も!

 

物語の背景には、

いじめや人種差別から目を覚まして欲しい・・・

という願いがあるかもしれません。

でもそれを今説いて聞かせなくても、主人公の男の子の、

  

   仲良しの気持ちを守りたい。

   そのためには勇気を出して行動するんだ。

 

という強さが、聞き手の子どもたちに伝わり、

その思いが心の奥に種となって埋められて、

やがて、

自己決定の出来る年頃になって、

発芽するのではないかと期待します。

 

以上、久々絵本のご紹介でした。

 

あの時の犬とわたしにも、

この2冊を読んであげられるといいのに・・・と思いつつ。(^^)/

 

 

 

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