Half bloom(5) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「浴衣で行ってよかったでしょう。ね?」

 

実家にこの前着替えた服を置きっぱなしだったので、柚は仕事帰りに取りに行った。

 

「・・うん、」

 

色々思い出し柚は小さく頷いた。

 

「また着てあげてね、」

 

「うん、」

 

俯いて何かを考え込んでいる娘に

 

「ねえ、」

 

夕飯を運んできてくれた母が改まって目の前に座った。

 

「ゆーちゃん。 好きな人がいるの?」

 

「え、」

 

驚いた表情が隠せなかった。

 

笑顔の母は

 

「もし。 そうだったら。 いいなあって思って、」

 

優しくそう言った。

 

柚は黙り込んでしまった。

 

ごはんに少し手を付けて

 

「・・うん、」

 

それを認めた。

 

「もう少し嬉しそうに話してよ、」

 

母は明るかった。

 

「・・自分でも。 どうしていいかわからなくて、」

 

迷う娘に

 

「ねえ。 ゆーちゃん。 やっぱり・・乳房再建の手術。 受けてちょうだい。」

 

神妙に言った。

 

柚はゆっくりと顔を上げて母を見た。

 

「病気のことは。 これからどうなるのかわからない。 一生・・病院で定期検査を受けてフォローしていかなくちゃいけない。 見た目で・・判断する人なんかゆーちゃんが好きになるとは思わないけど。 でも。 女としてはね、」

 

さっきまで笑顔だった母の顔がゆがんだ。

 

 

「その人、病気のこと、知ってるの?」

 

黙ってうなずいた。

 

「だったら。 余計に。 お父さんやお母さんは一生ゆーちゃんを見守ってあげることできないのよ。 そばにいてあげられないの。 だから・・ゆーちゃんと一緒に生きてくれる人を見つけて。 家族を作ってほしい。 ・・お父さんは前のことがあるから、心配するかもしれないけど。 でも、」

 

時折声をつまらせながらも必死に訴える母に

 

「私が、その人の重荷になるんじゃないかって、思うと。」

 

柚は心に引っかかっていたことを打ち明けた。

 

「もし。 その人が今のゆーちゃんを受け入れてくれる人ならば。 幸せになってほしい。 親としては、そう思う。」

 

母の思いに胸がシクっと痛んだ。

 

「だから。 そんな気持ちを少しでも軽くするためにも。 手術を受けてほしいの。 ゆーちゃんが再建手術をしなかったのは。一生誰かを好きにならない、結婚もしないっていう意思の表れだと思う。 でも。 好きな人が現れたのなら。 気持ちを変えてもいいと思う、」

 

私の

 

シールド

 

柚は茶碗をカタンと置いた。

 

片方の胸がない限り、それを外すことなんかできないと思ってた。

 

外すことができる人なんか現れないって思ってた。

 

娘に好きな人がいると知って乳房再建手術を懇願する母。柚はそんな母の思いに胸が苦しく・・

 

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