この

 

かわいいしか取り柄がない

 

というとんでもない高飛車ワードは、ひなたという女の子を一言で言い表しているようで

 

これまで何度も彼女や彼女の父親の口から大真面目に出てきて

 

アイドルの女の子なみのその容姿を大自慢しているただの嫌味になりそうなところを

 

彼女も父親も

 

全くそんな風に思っておらず、むしろネガティブなワードとして使っているところがツボなのだが。

 

 

もうどこをつっこんでいいかわらないこの感じが本当に可笑しい。

 

 

「・・笑った・・」

 

ひなたは手で涙をゴシゴシこすりながら口をとがらせて恨めしそうに奏を見た。

 

「え? わ、笑ってないって。」

 

「もーーー。 本気で悩んでるのにっ!」

 

「笑ってないって! いや。 おれは。 ひなはかわいいしか取り柄がないなんて。 一回も思ったことないよ、」

 

「え?」

 

「ひなは。 顔がかわいいだけじゃなくて。 心の中も。 性格も。 全部、かわいい。」

 

それは

 

ホントだった。

 

彼女に初めて会った頃は

 

とにかく自分に自信満々で、ポジティブな子だと思っていた。

 

たぶんそのころは、自分の容姿が人並み以上であることで何もかもが解決する、くらいに思っていたのかもしれないけど。

 

前に彼女の母親が

 

 

ウチの人がひなたを小さいころから『かわいいかわいい』って育ててしまったからあんなになった

 

 

みたいなことを言っていたけど。

 

かわいい、でこの人生がうまくいくって本気で思っていたかもしれない。

 

だけど。

 

最近はそれがすごくネガティブなことである、と思っているフシがある。

 

 

「ほんと。 おれ。 ひなのいいところ。 10個は言える自信あるもん、」

 

奏はにっこり笑った。

 

「・・じゃ。 言ってみて。」

 

ひなたは鼻をすすりながら言った。

 

「え~? えっと。 まず。 顔・・」

 

「やっぱ。 顔がトップじゃん・・」

 

彼女のツッコミに笑いながらも

 

「・・性格が明るい、友達がいっぱいいる、リーダーシップがある、スタイルもいい、みんなに好かれる・・」

 

奏は指を折りながらスラスラと言った。

 

「・・怪我しても負けないで頑張ってる、料理も上手、家族のことが大好き・・」

 

最後の指が1本残った。

 

そのまま奏は宙を仰ぎながら固まってしまった。

 

「あと1個! 言えないじゃん!」

 

ひなたは逆ギレした。

 

「え~~~、と、」

 

奏はやや汗をかきはじめた。

 

奏がひなたの一番すきなところ・・・

 

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