Phrase(12) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

なんだかんだで終わったのが8時近くになってしまった。

 

「仕事がないわけやないんやけど・・。 もう面倒やから、このまま帰ろう・・」

 

志藤はスマホをチェックして特に連絡がなさそうなのでそう言った。

 

「どうもありがとうございました。」

 

奏はぺこんとお辞儀をした。

 

「あとはもう。 やれるだけのことやるしかない。 これ以上、今はスキルを上げることはできないし、たぶん下がることもない。今のおまえができることを、」

 

「はい、」

 

「あー、なんか腹減ったなー。 ・・なんか食ってく?」

 

「え、」

 

「今日、忙しくて昼飯もロクに食ってへん。」

 

 志藤はキョロキョロとあたりを見回した。

 

「あ、今お母さん帰って来てるんやもんな。 帰らないと悪いか、」

 

と言われて、あわてて

 

「いえ! 母には連絡しておきますから、」

 

なんだかこのまま志藤と別れたくなかった。

 

 

この近所で食べるのかと思いきや。

 

志藤はタクシーに乗って、会社の近くまでやってきた。

 

やって来たのは小さなラーメン屋。

 

「あ、もっと豪華なディナー、想像した?」

 

志藤は笑った。

 

「い、いえ。 そんなことは、」

 

奏はいつもいつも人の心を見透かして、先回りして言ってくる志藤のこういうところに戸惑う。

 

『点々』

 

と書かれた暖簾をくぐる。

 

 

「あ、いらっしゃい。 志藤さん、久しぶりだね、」

 

店内は空いていた。

 

人のよさそうなダンナが笑顔を見せる。

 

「こんちわ。 なんか久しぶりにここのラーメンとギョーザが食べたくなって。」

 

空いている席に座った。

 

「ぼんは。 元気?」

 

おかみさんが二人に水の入ったグラスを持ってきた。

 

「元気元気。 おかげさんで忙しく世界中飛び回ってるよ。」

 

「そう。 懐かしいね。 ほんとどんどん食べてくれるから気持ち良くて、」

 

奏は黙って会話を聞いていたが

 

「ここ。 真尋が昔から好きで通ってた店。 子供のころからここのラーメンが大好きで。 おれもよくつきあわされた。」

 

志藤が笑いかけた。

 

「・・真尋さんが?」

 

「コンサートが近づいて。 もうめっちゃ煮詰まって。 そうなるとね。 目を離すとすぐいなくなる。 だいたいここでメシ食ってるのもわかってんだけど。 」

 

「みそバタコーンチャーシュメンが好きだったよね。 もやし大盛りの、」

 

おかみさんは思い出して笑った。

 

「そうそう。 なんか役満かってくらい全部乗っけてな、」

 

奏はその思い出を優しい表情で笑う志藤に

 

少し切ないような、あったかいような。

 

そんな気持ちを感じていた。

 

志藤は真尋との思い出のラーメン屋に奏を連れてゆきます。。

 

 

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