Gift(15)

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結果は夕方になり、掲示されることになっていた。

 

ホールにみんなが集まってきていて、

 

「ちょ、ちょっと・・すみません。」

 

さくらが奏の手を引っ張って、何とか人をかきわけて前の方に出た。

 

スタッフがやってきて、中央の大きな掲示板に結果の書かれた紙を素早く貼った。

 

え・・

 

奏は少し背伸びをして人と人の頭の間から見た。

 

順位がつくのは4位まで。

 

そこには名前がなかった。

 

さくらが奏の背中のシャツをぎゅっと掴んだ。

 

「・・先生、」

 

奏はさくらに振り返る。

 

高校の合格発表の時と同じようにさくらはぎゅうっと目を瞑ってしまっていた。

 

「先生、」

 

奏はさくらの肩を揺さぶった。

 

「え? なに? なんか・・怖い!」

 

「怖いじゃなくて。 ほら、」

 

そう言われて奏が指差す方向を恐る恐る見やった。

 

 

あ・・・・

 

 

順位の名前が書かれた脇に

 

『聴衆賞』および『審査員特別奨励賞』として

 

高遠 奏

 

の名前があった。

 

さくらは今度は瞬きをするのを忘れてしまった。

 

「『聴衆賞』と・・『審査員特別奨励賞』?」

 

「びっくり! ふたつももらえるなんて!」

 

奏は満面の笑顔だった。

 

経験豊富な他のコンテスタントが上位にいくのではないか、とさくらも予想していた。

 

それでも、何とか順位がついてくれればと思い

 

まさかこの展開があるとは思わなかった。

 

「先生。 ありがとうございます、」

 

奏はさくらに一礼した。

 

「え? なに? ちょっといきなりお礼とか・・やめてよ、」

 

さくらはまだ胸がドキドキしていた。

 

そこに

 

「おめでとうございます、」

 

笑顔で昨日の男が立っていた。

 

「あっと…」

 

「東経新聞の根本です。 約束を守って下さいよ、」

 

とニッコリ笑った。

 

 

表彰式もあったが、その間を利用して彼の取材を受けることにした。

 

「すいません、もう時間なんですが、」

 

取材の申し込みがその後も続いてしまい

 

なかなか終われない。

 

「奏、先に行ってなさい。 時間ないから、」

 

さくらは先に奏を表彰式に向かわせた。

 

「すみません。 あー、もう・・なんかいきなりなんでこうなる・・」

 

さくらは目が回りそうだった。

 

 

それでも何とか表彰式には間にあって、奏の晴れ姿を見ることができた。

 

やはり注目度があるのか、カメラのフラッシュが一番多く焚かれていたかもしれない。

 

さくらもそっと自分のスマホでその姿をカメラに収めた。

 

ようやく

 

ホッとした。

 

 

『聴衆賞』と『審査員特別奨励賞』を受賞した奏に世間がざわつき始めます…

 

 

 

奏の登場はこのへんから→

 

奏が北都家に下宿するいきさつからさくらとの出会いはこのへんから→

 

 

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