Live for love(2) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

あたしたち4人のあの時間が


全部風に消えていきそうで



なかったことになってしまいそうで



それが怖かった。



ゆうこは今も大学生の頃と変わらぬ真太郎を涙越しに見た。



「ありがとう。 こうして・・・志藤さんや白川さんに支えられて今もぼくはやっていける。 ぼくは南と別れるつもりはありません。 南以外とこの人生を歩いて行く気持ちは・・ひとつもない、」



真太郎はしっかりとした瞳でゆうこに言い切った。



「真太郎さん・・・」



ゆうこはホッとしてまた涙がこぼれおちてしまった。




「南の気持ちは・・・もう自分に向いてくれないかもしれないけれど。 いつまででも彼女を説得し続けたい。 ぼくは『もう一度』南と結婚します。」



一途で

真面目で


そして不器用で。



自分が大好きだったころの彼とそれは寸分違わず。




「・・・はい、」



ゆうこは何度も何度も頷いた。






「・・なんか。 台風が近づいてるみたい、」


夏希は病室の窓から真っ暗な外界を見て言った。



「・・風が強いみたいだね、」


高宮はポツリと言った。



夏希から南が真太郎との離婚を決意し、そして会社も辞めると言い出したことを聞いて


最後に彼女がここに来てくれたときのことをぼんやりと思い出していた。




『あんただけが加瀬のことを守ってやれるんやから。』




思えば


彼女も平凡、いや貧しい家に生まれたと聞いた。



この北都グループの御曹司と結婚して


悩むことは


死ぬほどあったかもしれない。





自分は普通のサラリーマンと同じ気持ちでいるけれど、嫌でもウチの家柄はついてくる。


地元でもかなりの資産と名声を持ち


親戚はみな一流大学を出て、一流企業や国家公務員として仕事をしている。



普通の家庭で、しかも母子家庭で育ってきた夏希は


嫌でもその違いを思い知ることがあるかもしれない。



専務は彼女を全力で守ってきただろう。


いや、社長だってその家族だって。



だけど


彼女にしかわからない重い重い『何か』は


誰も解決することができなかったのだろう。




「でも、もう来週には退院だもんね。 よかったね~~~。 でも、もう少し会社は休ませてもらったほうがいいよ。 ほんと寝てばっかだとフラフラするし、」


明るくそう言ってベッドの横に座る夏希の笑顔に



「・・・うん、」



高宮は少し笑みを浮かべて彼女の手をぎゅっと握った。



みんなが南の気持ちを思いやります・・・そして嵐とともに・・・


人気ブログランキングへ 左矢印 お気に召しましたらポチっ!わんわん お願いします!

人気ブログランキングへ 左矢印 携帯の方はコチラからお願いしますドキドキ
My sweet home ~恋のカタチ。