「な~~、」
志藤はてんぷらそばを食べながら、高宮に話しかけた。
「はい?」
「最近。 エッチしてんの?」
「は・・・・」
思わずソバが逆流しそうになった。
「なんか元気はつらつしてへんからさあ、」
まるでもう大真面目に言う彼に
「な・・なにをっ・・・」
もう赤面してしまった。
「え、最近シたの、いつ?」
この白昼のそば屋で。
意味・・・わかんないんですけど!!
高宮は無言でソバをかきこんだ。
「やっぱ。 若いねんからさあ。 アカンで。 ちゃんとしないと。 やっぱ、男って・・シてへんとアカンよな、」
「・・・なんでそんなことまで・・・あなたに言わないといけないんですか・・・」
高宮は絞り出すような声で言った。
「は?」
彼は本当に普通に聞いているだけみたいだった。
「普通、その年だったら・・・最低週3やろ~?」
食べ終わってハンカチで口を拭いながら、またも普通に言われた。
「そっ・・そんなにしませんっ!」
思わずまともに答えてしまった。
「はあ? そんなにせえへんの? やっば~~~。 もう飽きた?」
志藤はアハハと笑った。
「飽きてませんっ!」
もう耳まで真っ赤だった。
ムキになる高宮がおかしくてひとしきり笑ったあと、
「もうすぐやなあ・・・結婚式。」
お茶を飲んでポツリと言った。
「あ・・はい。」
「・・社長も。 出たかったろうなって、」
「もう、それを言わないでください・・・」
高宮は肩を落とした。
別に何も言わないけど
何かにつけて自分と夏希のことを見守ってくれていて。
その社長には、最重要来賓として披露宴に出て欲しかったのに。
しかも。
この状況じゃあ・・・
専務だって・・・来てもらえないかも、だし。
高宮がしゅんとなってしまったのを志藤はすぐに感じ取り、
「・・・あと10日。 せめて・・ジュニアには戻ってきて欲しいよな。」
と、優しく微笑んだ。
せっかくの二人の結婚式が、この状態になってしまったことを志藤も気を遣っていました。
人気ブログランキングへ
携帯の方はコチラからお願いします