「・・あたしは大丈夫です。 真太郎もきっと・・・わかってくれると思います。 ただ・・今はどうしていいのかわからないんだと思います。 いろんなことがありすぎて、」
南はゆかりを励ますように言った。
「真太郎が・・・生まれた時もね。 真也さん・・本当に喜んで。 あの仕事ばっかりの人が・・・帰ってくるといつまでも真太郎の寝顔を見て・・・。」
ゆかりは堪えきれずに涙をこぼした。
南はふっと笑って、
「お義母さん。 お義父さんだって・・・きっとよくなります。 前と同じように・・・・みんなで仲良く・・楽しく暮らせる日がきます、」
彼女の背中をぽんと叩いた。
自分にも言い聞かせるように。
「志藤さんが・・・いらっしゃいませんでしたか?」
リエが仕事を終えて戻ってくるのはいつも午前2時過ぎだった。
真太郎はいつもその時間まで起きている。
水を飲みながら彼女は言った。
「・・来ましたよ、」
真太郎は小さなモバイルでインターネットをしながら言った。
「いちおう連絡をしました。 真太郎さんがウチにいらっしゃることを。 心配して警察に届けを出してしまうといけないので。 余計なことでしたでしょうが、」
「いえ・・・。 来てくれましたけど・・ドア越しに話をしただけで会いませんでしたから。 あの人も無理にぼくを連れ戻そうとしなかった、」
「そう、ですか。」
「ぼくはあまり料理はしませんが。 簡単なスープを作っておきました。 よかったら。」
小さな声でぼそぼそとそう言った。
「ありがとうございます。」
リエはにっこり笑った。
夏希は夜中に目が覚めてトイレに立った。
いつの間にかに隣のベッドには高宮が寝ていた。
もう12時前に帰ることがなくなった。
キッチンを通ると、彼のために用意しておいたホットドッグとスープが手つかずになって置いてあった。
・・ちゃんと食べてるのかな・・・
最近、彼が食事をしているところをまともに見たことがなかった。
朝もコーヒーだけででかけてしまうことがほとんどだった。
心なしか頬がこけて、痩せてしまったような気もして。
心配でも夏希はどうすることもできずに、そんな自分に苛立った。
結婚式まであと10日ほどになってしまった。
夏希はあまりに多忙な高宮を心配します。 結婚式はもうすぐなのに・・・(>_<)
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