Rainy blue(2) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

結城はオケの練習に顔を見せなくなった。


そこで彼と会えるのを唯一楽しみにしていた茜は寂しくてたまらなかった。


彼の携帯番号を知っているわけでもなく。

もちろんメアドも。


事業部に行く用事もなく


偶然を装って会ったりする以外、彼と会うことはないのだった。



そんなころ。



茜はヴァイオリンの個人レッスンを終えて駅に向かっていた。



空から雷鳴が聞こえる。




カミナリかあ・・


ヤダなァ


傘持って来てないし。




と、足早に駅に向かった。



しかし、もう少しで駅、というところでいきなり大粒の雨が降りだした。



「も~~!」



慌ててヴァイオリンケースを抱きかかえて雨宿りできそうなところを探した。


あっという間に水溜りだらけになり。


ようやく閉まっている店の軒先に飛び込んだ。




ヴァイオリン、大丈夫かしら・・



ハンカチでケースを拭いたが、そのハンカチがもうびしょぬれだった。



そのとき



「・・あれ?」



傘をさした結城がそこを通りかかった。



え・・・



茜は驚いて固まった。



あんなに

あんなに会いたかった人に


こんなところで会うなんて



「・・どしたの?」


結城は彼女に声を掛けて近づいた。



「ヴァイオリンの先生の家が・・近くで。」


ぼんやりとしながら言った。



「こんなに濡れて、」


結城は彼女に近づいて、ポケットからハンカチを取り出し彼女の髪を拭いてやった。



え・・



ドキンと心臓が音をたてた。




そして、自分の上着を脱いで彼女が抱えていたヴァイオリンケースを包んでやった。



茜の腕をぐっとつかんで、自分の傘の中に入れた。



「ゆ・・結城さん、」



もう心臓の鼓動はどんどん速くなる。



「・・濡れたら大変だ、」


結城はニッコリ笑った。



「え?」



「ヴァイオリン。  きみの商売道具だろ?」



その言葉に茜は自分のことかと思ってしまった早とちりに赤面した。



戸惑う彼女を傘に入れて黙って歩き始めた。



駅とは逆方向に。



「あの、」



茜は彼に問いかけたが、結城はまっすぐ前を向いて歩くだけだった。





偶然に出会う結城と茜。

いったいどーなる??


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