Only one love(10) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「あ、来てたの?」

結城は普通に茜に言った。


「あ・・あの・・。 この前はごちそうさまでした。 ありがとうございました!」

彼女は少し赤面し、一生懸命に頭を下げた。



え・・・



それを聞いた有吏は少し驚いたように二人を見た。



「たいしたことないし。 そんなに頭を下げなくったって、」

結城は余裕の笑顔を見せた。


「いえ・・」

恥ずかしくて彼の顔が見られない。


「もーすぐだね。 コンサート。 頑張ってね、」

優しく声をかけた。



「あの・・・結城さんは見に来てくださるんですか?」

ようやく彼の顔を見た。


「う~~~ん。 仕事、どーなるかわかんないけど。 できるだけ行くよ。」

と言うと茜の顔がぱああっと明るくなった。


「ほんとですか?」


「うん。」


「よかった・・・。 ぜひ、来てください。」




頬を赤らめて。

本当に嬉しそうな笑顔を見せる彼女に

有吏は

胸がシクシクと痛んだ。



『ねえ・・結城さんってどこから来たの・・?』



いきなり結城のことを自分に聞いてきた彼女のことを思い出す。



あの時は

別になんとも思わなかったけど。




結城を目の前にした彼女は

自分の知らない

彼女だった・・・



自分に見せてくれる笑顔とは

全く違う。

もうとろけそうな瞳で彼を見る。



千堂さん・・・



ナイーブな彼は

大好きな彼女の気持ちを一瞬で汲み取ってしまった。




「な~~~。 だからさァ・・・」

結城は落ち込む有吏を見て、気になってしまった。


「たまたま帰りが一緒になったから、メシ食っただけじゃん。 そんだけだし、」

それで彼が落ち込んでいると思って必死にいいわけをした。


有吏はチラっと結城を見た。



ほんと。

めっちゃかっこいいし。

大人だし・・・。


そっけない感じだけど、たまに優しくしてくれるし。

つかみどころのない人だけど・・・

男のおれから見ても

惹かれるのがわかるってゆーか・・・。



そしてまたどーんと落ち込んだ。



「千堂さんは・・・結城さんのことが好きなんですね・・」

デスクにつっぷしてそう言った。



「・・あ?」

結城は思わず聞き返してしまった。



すると有吏はガバっと起き上がって、泣きそうな顔で



「千堂さんは・・結城さんのことが好きなんですよっ!」

当たるのもみっともないと思いつつ、思いっきり言ってしまった。


「は? 彼女が? おれを???」


「わかんないんですかっ!? もう、はたからみたらモロわかりでしょーがっ!!」


「それはねーだろぉ~?」



まだのんきなことを言う結城に


「どう見たって! 恋する乙女の顔じゃないですかっ!!」



「そうかなあ・・・」

結城はうーんと腕組みをして考え込んだ。



この後

これが三角関係どころかややこしく絡み合い

事業部を揺るがす大事件にまで発展するとは

この二人は思いもしなかった・・・・


茜の気持ちに気づいてしまった有吏は激しく落ち込み・・


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