「トットちゃん!」第22話(10/31)~この時代に生まれたもんは、べごも人間も同じだんだ | 日々のダダ漏れ

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「トットちゃん!」

 

 

 

第5週 第22話(10/31)

この時代に生まれたもんは、

べごも人間も同じだんだ

 

徹子(豊嶋花)は北戸村の国民学校に

通いはじめ、朝(松下奈緒)は村の農

業会の事務所で働きはじめた。そんな

ある日、佐々木家で飼っている牛が3

頭いなくなるという事件が起きる。

実は、牛を逃した張本人は…!?

 

**********

 

徹子は北戸村の国民学校に通い始め、

朝は農業会で働き始めました。

ここは、トモエ学園とは違い、

軍事訓練も、当たり前にありました。

 

徹子) べごだ。

(牛の絵を描く徹子)

勝太) べこが好ぎだんだ、これ。

 毎日うちのべごさ話しかげでらんだ。

太郎) じょんずだな。

いね) じょんずだな。

勝太) じょんずだべ。

いね) じんじょっこ描いでけろ。

徹子) えっ? じんじょっこ?

いね) じんじょっこだ。

徹子) おめのじんじょっこ描いでみへれ。

(人形の絵を描くいね)

徹子) ああ~それがじんじょっこがあ。

(フランス人形の絵を描く徹子)

太郎) じょんずだな~。

いね) こだらじんじょっこ見だ事ね。

勝太) じょんずだな。

いね) したばて、これ、敵国の

 じんじょっこでねえが?

徹子) じんじょっこはじんじょっこだ。

 めんこいじんじょっこに国境はね。

一同) んだな~。

太郎) やっぱし東京のおなごは、

 言う事が違うもだなあ。

一同) んだな~。

 

**********

 

朝) 会長、お花を飾っても

 よろしいでしょうか?

鴨田) おお。めごいなあ。

朝) ありがとうございます。

鴨田) 足さ長なあ…。

三沢) 声もでけえべさな、きっと。

鴨田) 聞いてみてえもだな、

 その声っこば。

三沢) うう~ん。

(笑い声)

 

**********

 

徹子) こんにぢは。調子っこどだの?

(牛の鳴き声)

徹子) わいはー! 本当にが?

 おら、どせばいんだ?

正夫) おめ、誰どしゃべってらんだ?

 空襲で恐ろし目に遭って、

 おがしぐなってまったのが?

徹子) べごとお話してただけよ。

正夫) べごと仲良ぐせばまいね。

 ばっちゃが言ってたべ。

徹子) したって話かけてくるんだもん。

 仕方ねえべさ。

(牛の鳴き声)

徹子) なんとかすっから。約束するわ。

 

**********

 

朝) お預かりした着物で、

 モンペを仕立てました。

 これが、トメ様。これが、八重様。

八重) もう出来だのが?

トメ) 早なあ…。

 おめだばひと月かかるわ。

八重) 朝さんは仕立て屋ば

 やってらったはんで…。おお…!

トメ) うわ~。

八重) 東京の人は、みんなこんな、

 モンペはいてらんだが?

朝) あっ…お気に召さなかったら、

 作り直します。

トメ) おめにはちょうどよぐ似合うけど、

 私にはちいっと派手だがな。

八重) わい…村の人たち、どでんすべ。

(笑い声)

トメ) あの、お代はいくらでしょうかね?

朝) そんな、お代は結構です。

トメ) そんな訳にはいがねえ。

朝) 仕立物くらいさせて下さい。

 なんでも仕立てますので。

 

**********

 

八重) わいは~…。

 こんなもん着て歩がれねえの。

トメ) おめのこったらとこに、

 ボタンこ付いて…。(笑い声)

 おっぺえみてえ。(笑い声)

八重) 東京の人のやる事は

 わがらねっきゃの。

トメ) わがらねえな。

 

**********

 

朝) (ため息)

徹子) 起きてる?

朝) あなたこそ、まだ起きてるの?

徹子) もう寝る。

 

**********

 

男性の声) べごがいねど~! 

 佐々木んとこのべこが、いねど~!

八重) おとさん!

 

**********

 

男性) 佐々木さん、大変だど!

佐々木) ああ! 

 このほんつけなすが! ばげに

 縄確かめながったんだべ、おめ!

正夫) 確かめだじゃ!

佐々木) せば、なして、

 べごがいねぐなるんだして!

正夫) 誰かが逃がしたんでねべか?

佐々木) 言い訳すんでねえ!

 この、ほじなすが!

(正夫を殴る佐々木)

八重) おとさん!

 

**********

 

(家に向かって駆け出す朝)

 

**********

 

(座敷の窓から外を見ている徹子)

徹子) みんな、

 うまく逃げられますように。

朝) やっぱりあなたね。

 牛を逃がしたのはあなたでしょ!

(逃げ出す徹子を捕まえる朝)

朝) どうしてそんな事したの?

 答えなさい!

徹子) 牛さんが助けてって言ったの。

 牛さんの声が聞こえたの!

朝) 恩義ある佐々木さんのご一家に、

 ご迷惑がかかるとは思わなかったの?

徹子) 思わなかった。だって、牛さん

 が死にたくないって言ったんだよ。

 私が助けてあげなかったら…。

朝) 黙りなさい! 

 今すぐ佐々木さんのおじさんと、

 正夫さんに謝りに行きましょう。

 そして牛を捜すの。行きましょう。

徹子) 嫌だ!

朝) 正夫さんは、牛の管理が悪いっ

 ていって、お父さんに殴られたの!

 あなたのやった事のために。

 

**********

 

(泣きべそ顔になる徹子を、

 皆の前に連れていく朝)

朝) 申し訳ございませんでした!

(土下座する朝)

朝) 牛を逃がしたのは、娘でございます。

 親子で置いて頂き、食べさせて頂き、

 言葉に尽くせぬほどお世話になりなが

 ら、このような不始末、お詫びのしよう

 もございません。申し訳ございません。

 お詫びしなさい!

徹子) ごめんなさい。

朝) 申し訳ありませんでした!

徹子) 申し訳ありませんでした。

朝) 正夫さんにも…。

徹子) 申し訳ありませんでした。

朝) 本当に…本当に…

 申し訳ございませんでした。

(しぶしぶ頭を下げる徹子)

佐々木) べこは、見つかったはんで、  

 もういい。飯にすべ。

(呆然とする徹子)

トメ) 徹子ちゃん、百姓というもんはな、

 毎日やらねばなんねえ大事な事が

 いっぺえあるんだ。つまんねえ事で

 バタバタしてる暇はねえ。

 わかったか? わかったか?

 

**********

 

正夫) さっき、べご3頭見送った。

 家(え)で育ででらべごは、兵隊さん

 の食料になるために生まれできた

 べごだ。なんぼおめが逃がしても、

 べごは、山越えて逃げることも、海

 ば泳いで逃げることもできねんだ。

 そった事もわからねえおめえだば、

 やっぱり大馬鹿者だじゃ。

徹子) 大馬鹿者の私…。

 かわいそうな牛さんたち…。

正夫) おめはべごの事ばしかわいそが

 るばって、おらだって、もうすぐ兵隊さ

 取られんだ。して、お国のために死ぬ

 んだ。おめのとっちゃもんだべ。この

 時代に生まれたもんは、べごも人間

 も同じだんだ。

(走り去る正夫とぶつかりそうになって

 転んでしまう自転車の畑)

畑) ああっ! わいは~! 

徹子) 郵便屋さん、大丈夫?

(助け起こそうとして、手がない

 左腕を掴んでしまう徹子)

徹子) 痛いとこない?

畑) おめ、どごのわらすだ?

徹子) どごのわらすかわがね。

 東京から来たから。

畑) 佐々木さんどごさいる、背の高い、

 べっぴんさんのわらすこか?

徹子) んだ。

畑) おめもおっかさんも、

 優しいんだべな。

徹子) 郵便屋さんは、なして、

 そっちの手首がないの?

畑) おめも、おらなんか戦死した

 ほうがえがったど思ってらのが?

徹子) 違う! 手があってもなくても、

 みんな一緒よ。トモエ学園の、

 小林先生がそう言ったもの。

畑) みんな一緒か…。

徹子) 小林一茶、

 一茶のおやじのハゲ頭!

 

**********

 

八重) 玉枝、卵取ってきて。

玉枝) はい。

朝) あの…。畑の西側にある小屋、あれ

 は佐々木さんのお宅のものでしょうか?

八重) んだ。あの辺りが、全部りんご畑

 だった頃に、道具置き場してらんだ。

 今は使ってねばってな。

朝) あの小屋を、私たち親子に、

 お貸し頂けないでしょうか?

八重) 何すんだ?

朝) あそこで暮らしたいと思って…。

八重) あそごで暮らさいね。

 いつ倒れるかわがんねんだ。

 雪が降れば、今年こそ、

 潰れるんでねべが?

朝) でも、今はまだ立ってます。

 どんなところでもいいんです。

 屋根さえあれば…。

八重) べごの事だば気にする事

 はね。3頭見つかったんだし…。

朝) ありがとうございます。でも、戦争

 はいつ終わるかわからないし、この

 ままお世話になり続ける事は…。

八重) お世話になり続けるつもりで

 東京から来たんだべさ。

朝) そうなんですけど…。

八重) そったら困った顔すんでね。

 おらがとっちゃにしゃべっとぐから。

 したらとっちゃがばっちゃに聞いて、

 決めるべさ。

朝) お願い致します。

八重) ニンジン。

朝) はい!

(たらいからニンジンを取って渡す朝)

八重) うちの人は、ばっちゃさ聞かねば

 なんも決められねんだ。あんたと徹子

 ちゃんば引き受けた事だけだ。うちの

 人が、ばっちゃさ相談しねで決めたの

 は。おらも子供たちもまんずたまげた。

 したばて、こして出会さったのも、何か

 の、縁だべさ。

朝) ありがとうございます。

 

**********

 

トメ) おら見送らねえど。

八重) したばて、とっちゃも畑だし…。

トメ) おめが一人で見送れば、

 それで十分だ。

 

**********

 

八重) みんな手が離せねえもんで、

 すまないね。ばっちゃもとっちゃも、

 よろしぐって言ってたはんで。

朝) ありがとうございます。

八重) つらくなったら、戻ってきなさいよ。

朝) ありがとうございました。

(八重に頭を下げる朝)

(荷物からこぼれ落ちる手紙の束)

(守綱宛の葉書を拾いあげる八重)

八重) 「黒柳守綱」…旦那さんが?

朝) 品川駅で見送ったんですが、どこの

 戦地に向かったのかもわからなくて…。

徹子) それでお葉書書いてたんだ。

朝) その日あった事を、報告するつもり

 で、毎日書いてたんです。でも、どこに

 送ればいいのかわからないまま…。

 銃後を守る者が、このような未練がま

 しい事で、申し訳ありません。

八重) そったら事ねえよ。

 あんたの気持ちはよーぐわがる。

 旦那さん、元気で帰ってくるといいね。

(笑って頷く朝と徹子) 

 

**********

 

(畑の隅の小さな小屋に、東京から出て

 きた時と同じ大荷物でやってくる2人)

朝) あっ…。

(小屋を開けると、中はクモの巣だらけ)

徹子) ここで暮らすの?

(屋根は隙間だらけ)

朝) そうよ。ここが、お母様と、

 徹子さんの、アンクル・トムの小屋。

徹子) アンクル・トムの小屋?

朝) うん!

徹子) アンクル・トムの小屋! 

 アンクル・トムの小屋!

 

**********

 

トットちゃん…徹子さんは子供の頃から

動物の気持ちが分かる人だったのね。

死にたくないという牛の声が聞こえてし

まったトットちゃん。やると思ったよ~。

逃がすよね~だってトットちゃんだもん。

 

朝さんに怒られても、一応謝りながらも、

納得はできず、憮然とした表情がいい。

すぐには理解できないところがリアルだ。

 

おめはべごの事ばしかわいそがる

ばって、おらだって、もうすぐ兵隊さ
取られんだ。して、お国のために死

ぬんだ。おめのとっちゃもんだべ。

この時代に生まれたもんは、

べごも人間も同じだんだ。

 

♪ドナドナドナ ドナ~の曲が、頭の中に

流れてくる。牛が連れていかれるのも悲

しいけど、人が連れていかれるのはもっ

と悲しい。自分もべごと同じだと、兵隊に

取られ、お国のために死ぬのだと、覚悟

するしかなかった正夫くんが切なすぎる。

正夫くんの言葉の意味がまだ実感でき

ない、トットちゃんの幼さもまた…切ない。

 

やっぱり、子供が子供らしくいられる世界

がいいね。まだまだ、物分かりがいい子

になってほしくないち、トットちゃんには。

 

「アンクル・トムの小屋」から始める2人。

あの本が、ここにつながるんだねえ(涙)

 

 

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