「ひよっこ」第122回～♪バカさゆえ悩み～バカさえゆえ苦しみ～

「ひよっこ」 第122回
第21週 「ミニスカートの風が吹く」
♪バカさゆえ悩み～

バカさえゆえ苦しみ～

みね子）　ん？

（漫画の原稿を見るみね子）

みね子）　何だこれ…。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

みね子）　知ってたんですか？

時子）　えっ？

早苗）　う～ん、まぁな…。

みね子）　は？ 何それ！？ 何で？

早苗）　何でって…なぁ？

みね子）　何で？ わがんない！

　　　何で教えでくんないの！？

早苗）　知らない方がいいん

　　じゃないかと思って。

みね子）　何で？

時子）　私が知ったのは、みね子の　

　　恋が、終わった時なんだけどさ…。

（回想）

早苗）　この２人漫画描いてんのよ。

　　みね子と島谷青年の恋をモデル

　　にした、少女漫画。

時子）　えっ？

啓輔）　これですちゃ。

みね子）　へぇ、そうだったんだ。

　　　富さんは知ってたんですか？

富）　知らない。

みね子）　愛子さんは

　　　知ってましたよね～。

愛子）　えっ？ えっ？

みね子）　しかもこれ、明らかに

　　　かわいく描かせでますよね。

　　　ですよね？ 愛子さん！

富）　あ～！

愛子）　はい、すみません。

みね子）　もう…。

富）　ずるい！ これよ…。

（妖怪のような自分の絵と見比べる富）

早苗）　でも、何でなんでしょうね？

　　結構楽しそうにやってたのに。

　　何でね、放り出していなくなっ

　　ちゃったんですかね？ ね～？

みね子）　私のせいですかね。

時子）　何で？

みね子）　何か…。

　　　私が、つまんないから、

　　　うまくいかないとかだったら、

　　　責任を感じてしまうな。

早苗）　それは考え過ぎだろ。

愛子）　何かあったのかな…。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

祐二・啓輔）　♪若さゆえ 苦しみ 

　　　　　若さゆえ～

啓輔）　あっ、どうも。

祐二）　こんばんは。

啓輔）　♪悩み～

ん？ あららら、

無事だったんですね、２人とも。

でも、知りませんよ。

そんな状態で帰ったら、怒られますよ。

祐二）　いっつももろうとるばっかり

　　やがんなぁ。たまにはなぁ！

啓輔）　驚くちゃ、

　　あかね荘のみんな絶対。

祐二）　やよなぁ。

啓輔）　うん。

祐二）　あっ、ヤスハルさん。

啓輔）　どうも。あっ、ワンちゃんだも。

ﾔｽﾊﾙ）　よっ！

（ギターを抱え犬と遊んでいるヤスハル）

祐二）　何か伴奏して下はれま。

　　歌いますけぇ。

ﾔｽﾊﾙ）　えっ？ 

　　あぁ、いいよ。何がいい？

啓輔）　僕らの最近のお気に入りは、

　　ジャガーズですちゃ！ なっ？

祐二）　はい。「君に会いたい」。

ﾔｽﾊﾙ）　ワンツースリーフォー！

（ギターのイントロ）

祐二・啓輔）　♪若さゆえ 苦しみ～

　　　　　若さゆえ 悩み～

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

みね子）　ん？

時子）　あの声…。

（外に出て行くみね子たち）

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

祐二・啓輔）　♪今宵も二人泣くぅ

　　　　　忘られぬ あの日

（ジャガーズになりきって歌う祐二と啓輔）

祐二・啓輔）　♪思い出の あの時

（ノリノリでギターを弾いているヤスハル）

祐二・啓輔）　♪はじめての！ 口づけに！

　　　　　知った恋の喜びよ

　　　　　帰れ僕の この胸に

　　　　　マイベイビー ウオンチュー

　　　　　ウォンチュー シーユーアゲイン！

（外階段の上から見ているみね子たち）

祐二・啓輔）　♪若さゆえ

早苗）　おい！

祐二）　あっ！

啓輔）　あっ！

（階段を降りるみね子たち）

祐二）　あ…あのぉ…？

愛子）　どこ行ってたの？ ３日間も。

　　みんなで心配してたんだよ。

祐二）　えっ？

啓輔）　僕らを、ですけ？

愛子）　そうだよ。

早苗）　それが何だ？ 今のは。

　　何が「ウォンチュー シーユー

　　アゲイン」だ、バカ者。

祐二）　あ…すんません。

啓輔）　すんません。

みね子）　大丈夫、だったんですか？

祐二）　はい。工事現場の、

　　アルバイトをしとりました。

啓輔）　泊まりで、３日で、一人、

　　6000円で！ はい。なっ！

啓輔）　だな。

富）　だったら、そう言って行きなさい！

　心配するでしょうが…。

祐二）　えっ？ あ…。

啓輔）　あ…。

祐二・啓輔）　（すすり泣き）

早苗）　泣くな。

祐二）　やって…。やって…。

　　おらっちゃのこと、心配してくれる

　　人が、おるなんちゃ。なっ？

啓輔）　思っとらんかったもんですけぇ…。

　　うれしいて…なっ？

祐二）　あぁ、うれしいちゃ。

啓輔）　うれしい。

（抱き締め合う祐二と啓輔）

祐二）　うれしいちゃ…。

（すすり泣き）

早苗）　もう分かったから。離れろよ。

　　気持ち悪い。気持ち悪いから。ねえ。

祐二）　すんません。すんません。

　　ありがとうございます。

　　あっ、あの…。これ…。

啓輔）　いつも、

　　頂くばっかりやったがで…。

　　みんなで食べようっちゃ思うて。

富）　あら、たこ焼きね。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

＜３号室＞

時子）　おいしい。

啓輔）　どうぞどうぞ！

祐二）　どんどん食べて下はれ！

啓輔）　遠慮しられんと、みね子さんも！

（食べずに２人を見ているみね子）

みね子）　もういいですか？ いい話の

　　　雰囲気は、もう終わりましたか？

愛子）　いいんじゃないかな。

（漫画の原稿を二人の前に置くみね子）　

みね子）　これについで話しましょうか。

祐二・啓輔）　あ～！

みね子）　（せきばらい）

祐二・啓輔）　すんませんでした！

（座り直し、頭を下げる２人）

みね子）　いいんですけど。

祐二）　あ…いかったっちゃ。

啓輔）　いいんならよかった。

みね子）　はぁ？

祐二）　あ…すんません…。

みね子）　いいんですか？ 私で…。

　　　私の話なんかでいいんですか？

早苗）　どういう意味だ？

祐二）　編集者の人も、なかなか

　　面白いっちゃ言うてくれとります。

みね子）　本当ですか？

啓輔）　はい。笑うてました。

みね子）　笑うてました？

啓輔）　あっ、いや…。

みね子）　ならいいんですけど。

祐二）　あっ、ただ…。

みね子）　ただ？

祐二）　どうも、ここんとこ、

　　ちょっこす中だるみっちゅうか。

みね子）　中だるみ？ 

　　　何ですか？ それ。

祐二）　ちょっこ、地味っちゅうか。

みね子）　は？

啓輔）　盛り上がりに欠けっとも…。

みね子）　ん？

啓輔）　そろそろ、新しい恋をした方

　　がいいがんないかとか。

みね子）　は？ 余計なお世話です！

祐二）　あ～いやいや、あの…。

　　そう、編集者の方が、

　　言っとりました。はい。

早苗）　人の人生に中だるみとは

　　随分と失礼な話だな。

時子）　ですよね～！

早苗）　なぁ。

祐二）　すんません。

　　そう、言っとりました。はい。

みね子）　地味ですみません！

　　　フフ…。ヘヘヘ…。

時子）　フフフ…。

（笑い声）

早苗）　あっ、さっきの歌な、歌詞の、

　　「わ」を、「バ」に変えて歌ってみな。

　　君たちの歌になる。

啓輔）　ん？ 「わ」を…。

祐二）　「バ」に？

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

ﾔｽﾊﾙ）　♪若さゆえ～

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

啓輔）　♪若さゆえ～

祐二）　♪バカさゆえ～

祐二・啓輔）　♪苦しみ～

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

ﾔｽﾊﾙ）　♪若さゆえ～

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

祐二・啓輔）　♪バカさゆえ～悩み

祐二）　ハハハハ！ ほんまやちゃ。

早苗）　認めた。

祐二・啓輔）　♪バカさゆえ～苦しみ

（漫画の原稿を手に取り、

 ページをめくるみね子）

祐二・啓輔）　♪バカさゆえ～悩み

（実との再会を果たしたみね子が描か

 れている場面から白紙が続く原稿）

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

（裏庭で玉ねぎの皮を剥く秀俊とみね子）

みね子）　私って、盛り上がりに

　　　欠けるんですかね。

　　　地味なんですかねえ…。

秀俊）　ん？

みね子）　あっ、いえ…。

秀俊）　どうしたの？

みね子）　いや…。何か…。

　　　「何にもないんだな」って。

　　　「どうすんのがな、私は」って。

　　　思っちゃって…。

　　　フフフ…すみません。

秀俊）　そうなんだ。お父さん

　　見つかっただろ？ みね子。

みね子）　はい。

秀俊）　よく分かんないけど、

　　そうしたらいつか茨城帰るの？

みね子）　いや…。

秀俊）　帰りたいの？

みね子）　いや…。

　　　よぐわがんないです。

秀俊）　やめるなよ、すずふり亭。

みね子）　えっ？

秀俊）　やめるな。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

自分がモデルの漫画を見て、みね子はもっと

怒るかと思いきや、みね子が気にしたのは…

みね子）　何か…。
　　　私が、つまんないから、
　　　うまくいかないとかだったら、
　　　責任を感じてしまうな。

みね子）　いいんですか？ 私で…。
　　　私の話なんかでいいんですか？

自分がつまらないとか地味でいいのかとか。

そこ～っ！？ 気になるのはそこなのか！？

でもまぁ、愛子さんがちゃっかり自分をかわ

いく描かせていたことに気づいたように、自

分がかわいく描かれていれば許せるかもね。

話の内容より、ブスに描かれたら怒るかも。

とはいえ、勝手にモデルにしておいて、地味

とか中だるみの人生とかは言われたくない。

そこはもっと怒っていいと思うよ～みね子。

♪バカさゆえ～悩み～

♪バカさゆえ～苦しみ～

…ってホント彼らにぴったりすぎて笑った。

ホントバカなんだから。でもダメな子ほど、

バカな子ほどかわいいっていうのもホント。

富さんの本気に触れて、素直に泣いてしま

った彼らが愛しくて。もらい泣きしてしまっ

たよ。まさか漫画家コンビで泣くなんて…。

涙もろくなったもんだと…自分にビックリ。

でもね、人の優しさを素直に受け取れる感

性って、大事。心やさしきバカが好きだ～！

漫画のネタ切れから、みね子に新しい恋を

勧めるという、まわりくどい前フリからの～

ヒデ君のみね子への熱視線に萌える予感。

そろそろみね子が主役にならないとね～♪

♪バカさゆえ～の本物はこちら↓

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