「とと姉ちゃん」もうひとつの物語~福助人形の秘密~ | 日々のダダ漏れ

日々のダダ漏れ

日々想ったこと、感じたこと。日々、見たもの、聞いたもの、食べたものetc 日々のいろんな気持ちや体験を、ありあまる好奇心の赴くままに、自由に、ゆる~く、感じたままに、好き勝手に書いていこうかと思っています♪

「とと姉ちゃん」
もうひとつの物語~福助人形の秘密~

●あらすじ
昭和27年。洋食も和食も何でもございのキッチン
森田屋が東京で開店。森田宗吉(ピエール瀧)と
照代(平岩紙)は、毎日忙しく働いていた。そんな
とき、高崎から富江(川栄李奈)と長谷川(浜野謙
太)が息子のまつ吉を連れて手伝いにやってくる。
久しぶりの再会にそれぞれの近況を語り合うが、
富江にはひとつ不審に思っていることがあった。
長谷川が浮気をしているのではないかという疑い
だ。久しぶりに会った鞠子(相楽樹)から、長谷川
に似た人物を銀座で見た、という話を聞いたのだ。
長谷川の謎を突き止めようとする富江。その真相
は大女将のまつ(秋野暢子)も巻き込みながら、
森田屋の守り神・福助人形の由来へとつながって
いく。いつまでも夫婦仲良く暮らしたいという気持
ちを取り戻して富江は長谷川と和解できるのか…。

脚本 :  おかざきさとこ
脚本監修 : 西田征史

**********

このお話は、私たち森田屋一家と、
森田屋をずっと見守り続けてきた、
福助人形にまつわる、
一週間のお話なのです。


**********

まつ吉) じいちゃん。
宗吉) あ?
まつ吉) どうしてこの人形に手を合わせるの?
宗吉) あ~この福助人形はな、うちの神さん
    みてえなもんだからな。
まつ吉) 神様?
宗吉) 昔な、店が潰れかけた事があってな。
    そん時にこの人形を飾ったら、
    持ち直したんだ。
まつ吉) ふ~ん。
宗吉) どこで手に入れたのかは知らねえが、
    それ以来、ひいばあさんも随分大事に
    てなぁ。だからな、まつ吉。お前もバカ
    にしねえで、大事にしろよ。粗末にする
    と…たたりがあるかもしれねえぞ~!
まつ吉) そんなのある訳ないよ。


**********

富江) どういう事?
宗吉) だから、長谷川は母ちゃんに頼まれて、
    めぐみさんに金を渡してたんだ。俺たち
    もさっき聞いて、驚いた。
鞠子) まつさんが…。でも、どうして?
宗吉) うん…。めぐみさんの母親は、とめさん
    といってな。森田屋がまだ浅草にあった
    時代に、働いてた人なんだ。父ちゃんが
    死んで、一年くれえたった頃だった。学
    もなくて、礼儀も全く知らなくてな。うちに
    来るまでも、随分奉公先をクビになって
    きたんだ。だから、母ちゃんもすぐに辞
    めさせるだろうと思ってたんだけどな…。
    毎日毎日、できるようになるまであきら
    めない、とめさんの根性を見込んで、と
    ことん仕事を教え込むようになったんだ。
    とめさんも、そんな母ちゃんの気持ちに
    応えようと、必死に働くようになってな。
    でも、商売が傾いて、店が一番大変な
    時に、急に辞めちまったんだ。
鞠子) どうしてですか?
宗吉) 妻子ある男とつきあってな。相手方の
    女房が、店に押しかけてきたんだ。
    それで、逃げるようにな…。
富江) 何だか、自分勝手な人ね。
宗吉) だがな、さっき話を聞いて、初めて知
    ったよ。とめさんは、逃げた訳じゃなか
    ったんだ。


**********

(回想)
まつ) 店を辞める事は承知したよ。だけどね、
   子供をおろすのは反対だ。生まれてきて
   幸せかどうか、決めるのはその子だよ。
   あんたが勝手に決めつけて、命絶つよう
   な事しちゃいけないよ! 金の事なら、私
   がなんとかする。どういう事情であれ、授
   かった命じゃないか。誰の子でもない。
   あんたの子供なんだよ。
とめ) 私…本当は…産みたいです。
まつ) だったら迷う事はない。
とめ) 安心して、元気な赤ん坊を産みな!


宗吉) 母ちゃんは、相手方に知られないよう
    に、俺にも、店の誰にも、とめさんの腹
    に子供がいる事は言わなかったんだ。
    とめさんが店を辞めたのは、それから
    すぐの事だ。
鞠子) それから…お金を?
宗吉) ああ。途切れる時もあったらしいが、
    とめさんが亡くなってからも、めぐみさ
    んが結婚するまではって。定期的にな。
富江) 何にも知らなかった。
藤吉) とにかく、長谷川は何もやましい事は
    しちゃいねえ。お前の勘違いなんだよ。


**********

めぐみ) 長谷川さん、いつも家族の話ばかり
     するんですよ。幸せそうな顔で。
富江) 失礼ですが、ご結婚は?
めぐみ) おつきあいしてた人がいたんです
     けど、駄目になっちゃったんです。
     それで、こないだ長谷川さんの前で
     つい泣いてしまって…。

(回想)
めぐみ) 彼のご両親が、気にされてるんです。
     私に父親がいない事を。もう…別れる
     しかないんです。
長谷川) そんな顔しねえで下せえ。
めぐみ) 好きなだけでは、どうしようもない事
     ってあるんですね。
長谷川) 泣かねえで下せえ。


富江) それであの時…。
めぐみ) えっ?
富江) ああ、いえ…。
    でも、それでいいんですか?

めぐみ) ええ。
     彼とは、もう会うつもりはありませんし。
     もう結婚も諦めてたんですけど、長谷川
     さんに言われたんです。


(回想)
長谷川) 結婚だけが、幸せとは言わねえけど。
     あっしはね…家族がいるから、今まで
     頑張ってこれたから。めぐみさんにも、
     そんな家族を作ってほしいって、思っ
     て…。


めぐみ) 私、いつかまたいいご縁に恵まれたら、
     富江さんと長谷川さんのような夫婦に
     なりたいと思ってます。富江さんとお話
     できてよかったです。本当に、いろいろ
     お世話になりました。


**********

宗吉) どうだい? うまいかい?
めぐみ) はい。何だかほっとします。
宗吉) そうだろう。この甘い卵焼きを食やぁ、
    界隈のけんかが減るって言われてたん
    だ。アハハハ。これから、夫婦げんかを
    したら、いつでもうちのこの、卵焼きを食
    いに来てくれよ!
杜夫) はい。
めぐみ) はい。


**********

富江) もうめぐみさんの事泣かせちゃ駄目ですよ。
杜夫) はい。これからは、不安にさせないように、
    努力します。
長谷川) 杜夫君。そんなに気張らなくたっていい
     んだよ。夫婦だってさ、すれちがう事なん
     ていっぱいあるんだから。
宗吉) 長谷川。
長谷川) えっ?
宗吉) それ昨日、俺が言った事だろ。
長谷川) へい! 大将の受け売りでげす!

(笑い声)
宗吉) いつもこうなんだよ。
長谷川) いつもこうなんですよ。
富江) やっぱり福助人形は福の神ね。
長谷川) こんなすげえもんがこの店に
     あったとはなぁ。
めぐみ) あの…。あれは、そんな大層な
     ものではないんです。
照代) えっ?
一同) えっ?
めぐみ) あの福助人形は、母が、まつさんの
     ために買ってきたものなんです。ご主
     人が亡くなって、まつさん一人では商
     売がうまくいかず、店が潰れる寸前ま
     で、追い詰められていた時の事です。
     気落ちしているまつさんを、何とか元
     気づけたいと思い…。


(回想)
とめ) これ、お店に飾って下さい。古道具屋で
   見つけたんです。あの大店の波野屋さん
   も、これと同じものを置いたら、商売繁盛
   したらしいですよ。
まつ) こんな人形一つで、繁盛すりゃあ、
    苦労しないよ。
とめ) そんなの分かんないじゃないですか!
    繁盛すると信じて、頑張りましょう。
    ねっ、女将さん! 女将さん!


めぐみ) その後、女中は母だけになってからも、
     母は森田屋のため、昼夜問わず懸命
     に働き続けました。まつさんも、そんな
     母の気持ちを分かってくれたのか…。
     まつさんは以前の明るさを取り戻し、よ
     く働くようになったそうです。それでよう
     やく、お店の危機をなんとか乗り越える
     事ができて。あの時はうれしかったって、
     言ってました。
照代) とめさんを見て、
    お義母さん自身が感じたんでしょうね。
    諦めずにやらなくちゃって。
富江) 森田屋が持ち直したのは、
    とめさんのおかげだったって事か。
めぐみ) とんでもない。私たち親子が生きてこ
     られたのは、全てまつさんのおかげで
     すから。いつも母が言ってました。私を
     身ごもり、店を出ていく時に言われた
     言葉を。


(回想) 
とめ) 短い間でしたが、お世話になりました。
まつ) ああ。金の事は心配いらない。滋養の
    あるもん食べて、元気な、赤ちゃん産み
    なさい。
とめ) その事なんですが。やはりお金は…。
    私を雇って頂けただけでもありがたかっ
    たのに。礼儀作法や口の利き方まで教
    えて頂いて…。
まつ) だったら…あの福助人形のお金って
    いう事で、いいんじゃないか?
    あんたには感謝している。
    あんたがいたから、一番苦しい時に、
    諦めずに、ふんばれたんだ。
とめ) 女将さん…。
まつ) 何かあったら、すぐに便りよこしなよ。
    どこへ行ったって、あんたは森田屋の
    人間だ。家族なんだから。
とめ) ありがとうございます。


めぐみ) それから、
     まつさんは生まれてきた私の事も…。


(回想)
とめ) めぐみっていうんです。
まつ) そうかい。幸せになるんだよ。
    あんたが幸せになるまで、遠くから、
    ずっと見守ってるからね。
    うんうん。かわいい、かわいい。
    かわいい。フフフフフ!


めぐみ) 身寄りのない私たち親子にとって、
     まつさんの言葉が、どれだけ励みに
     なったか…。
富江) ばあちゃんにとっては、とめさんも、
    めぐみさんも、家族だったんだ。
宗吉) はぁ…家族か。
長谷川) きっと、天国で喜んでるでしょうね。
     めぐみさんのこんな幸せそうな姿見て。
照代) ええ。きっと安心してるわね。

**********

長谷川) 結局自分の努力次第って事か。
富江) お願い聞いてもらえなくて
    残念だったわね。
長谷川) 何だよ、ただの置物かよ。
富江) そんな事言ってると、ばあちゃんが 
    怒って、化けて出てくるわよ。
長谷川) ハハハハ!
     化けて出るって、お前…。
まつ) 長谷川!
長谷川) へっ!
富江) どうしたの?
長谷川) い…今、大女将の声が、した…。
富江) フフフ! 何言ってんのよ。
長谷川) いや、したよ!
富江) フフフ! しないわよ。


**********

宗吉) なあ…。
    やっぱり、新しいコック、雇うか?
照代) いいんですか?
宗吉) まあ、これまでも、いろんな人に助け
    てもらって、やってこられた店だからな。
    また新しい家族が増えるのも、
    いいんじゃねえか。
照代) そうですね。


**********

少し遠回りをしましたが、
福助人形に込められたお義母さんの思いは、
こうして私たちに、受け継がれていったんです。


**********

まつ吉) みんなですき焼き食べるのなんて
     久しぶり。
宗吉) ハハハハ。
長谷川) すき焼きっていやぁ、常子が初給料で
     買ってきたすき焼きの肉、思い出すな。
鞠子) あ~ありましたねえ。

(回想)
まつ) この肉は、常子が初めてもらった給金で
    買った肉だ。うちのもんが食べる道理は
    ないよ。

宗吉) まあでも、常子も美子もすき焼きが好き
    だったよなあ。今もすき焼きって聞いて、
    ひょっこり顔出すかもしれねえぞ。
長谷川) アハハハハ!

(戸が開く音)
富江) 常子さん、美子ちゃん。
常子) よかった…。富江ちゃんたちまだいた。
    取材が早く終わったんで来ちゃいました。
    うわさをすれば何とやらだ。ハハハハハ!


富江たちが来てから、
次から次へといろいろな事がありました。
それは偶然だったのか…
それとも、誰かが起こした事なのか。

ともあれ、
この一週間の出来事のおかげで、
私たち家族には、また、
明るい笑顔が戻ってきたのでした。


**********

脚本が本編とは違うだけで、とても人情味あふ
れるドラマに見えるから不思議だ。そして…本
編のヒロインが出てこないだけで、こんなにも
心穏やかに、ドラマを見ていられる不思議…w

スピンオフが森田屋さんで、ホントよかった~!
何より、栗原ちゃん(byあまちゃん)の中の人が
重要な役で出て来たのが1番嬉しかったりして。
(あまちゃんキャストの中では1番マシな扱いだ
った様な気が…)安部ちゃん、太巻さん…(T_T)

それにしても、「とと姉ちゃん」を見限る最大のき
かっけとなった、あの「すき焼き」が登場してくる
とは思わなんだ~w まさか、あの、高級牛肉を
常子たちが自分たちだけで食べたあのすき焼き
の日を、森田屋さんが懐かしく思い出すところを
見せられるとは! 人が良すぎだよ、森田屋さん。
世間の評判を知った上での脚本なのか? それ
とも本気であのすき焼き事件を肯定してるのか。
どうせなら、最後に高級牛肉を持って常子が現
れて「いつもお世話になってますから~」とでも
言ってくれたら、暗黒の半年間のトラウマも、少
しは癒やされたかもしれなかったのに…(合掌)。

今回のスピンオフを見て感じたこと。やっぱり…
常子がいなければ、結構心穏やかに見られる
んだなぁってことと、ヒロインには初々しさが大
事だってこと。鞠子と富江なら応援できるもんw
せっかくのスピンオフ、邪魔な人(常子)が出て
こなくてホントよかった~。脚本も違う人でよか
った、ホント…。でももう、無理してスピンオフを
作らなくてもいいんじゃないかな…と思ったりw


「とと姉ちゃん」関連ブログはこちらから↓
「とと姉ちゃん」関連ブログリスト


ランキングに参加しています。
ポチっとしていただけると、嬉しいです♪


にほんブログ村


とと姉ちゃん メモリアルブック (ステラMOOK)/NHKサービスセンター