「べっぴんさん」第44回~泥水は、自分次第で湧き水に変える事もできんのや | 日々のダダ漏れ

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日々想ったこと、感じたこと。日々、見たもの、聞いたもの、食べたものetc 日々のいろんな気持ちや体験を、ありあまる好奇心の赴くままに、自由に、ゆる~く、感じたままに、好き勝手に書いていこうかと思っています♪

「べっぴんさん」 第44回
第8週 「止まったままの時計」
泥水は、自分次第で湧き水に変える事もできんのや


麻田) はい。
(店の看板をすみれに渡す麻田)
すみれ) ありがとう。
麻田) ああ…寂しくなりますなぁ。
明美) 大丈夫やって。私はまだまだ
    住まわせてもらうんやから。
麻田) うん…。
すみれ) 麻田さん。
     ほんまにありがとうございました。
良子) お世話になりました。
君枝) ありがとうございました。
麻田) うう…(泣)
男性) おい、あさやさん。泣きないや。
男性) 今日からやな。
女性) 頑張ってね。

今日から、
新しいお店の準備が始まります。


すみれ) いよいよやね。
麻田) いよいよですな。
明美) おっちゃん…。
    さっきの涙は何やったんや?
麻田) 隣の、隣やからな。


(回想)
紀夫) この国は変わったなぁ…。


ついに、紀夫君が帰ってきました。
ですが…。


(回想)
紀夫) 簡単に、人を信用したらあかん。
すみれ) 仕事を探すって、どういう事?
紀夫) 坂東営業部は、潔さんに任せた方が
    ええと思うてるのや。
すみれ) ちょっと待って。どうして? 紀夫さん
     が坂東の家の後継者やないの。みん
     な、紀夫さんが帰って来るのを待って
     たのよ。
紀夫) 潔さんとゆりさんかて、
    立派な後継者や。
    僕の、出る幕はない。


君枝) すみれちゃん。どう?
    紀夫さん帰ってきて。
すみれ) うん…そやねぇ。


**********

(お手玉で遊ぶさくら)
紀夫) さくら。
(隣の部屋に行ってしまうさくら)

**********

初老の男) ようもおめおめと生きて帰ってきた
       もんやなぁ。この敗残兵野郎が!


職を探し歩いている、紀夫君です。

**********

ですが、そううまくはいかず…。


(風呂に入っている紀夫)

(回想)
紀夫) 僕が、坂東営業部を復活させます。
五十八) 今は、潔君と、ゆりが、
     復活に向けて、動いてくれてる。
(回想)
潔) お帰り!
栄輔) 高い高~い! 高い高~い!


(ノック)
すみれ) 紀夫さん。お湯加減はどう?
紀夫) うん。こないにゆっくり入ったのは、
    何年ぶりやろなぁ…。

**********

一方、近江の本家に住む事に
なったゆりは…。


男たち) 奥さん。もう終わりですか?
     まだあるんすか?
ゆり) まだです! こっちも運んで下さい。
男たち) へ~い!


五十八さんの兄、長太郎さんから
紹介してもらった業者から、
麻布などを仕入れ、
大阪の潔君に送る作業を、
懸命に行っておりました。


(そっと見守っている長太郎)

**********

節子) ええか。今日のお客は、うちが
    昔からお世話になっとる、生地
    の製造と卸の業者たちや。
静子) 大事な大事なお客様や。
    粗相のないようにな。
ゆり) (静子に) はい。
   (節子の方を向いて) はい!


**********

ゆり) 失礼します。
(石鍋におしりを触られ、よろけるゆり)
石鍋) 何や!
ゆり) 何ややないです。触りましたよね?
石鍋) 帰るわ!
    言いがかりつけられて、気分悪いわ!
長太郎) 石鍋さん…。
ゆり) 言いがかりって何ですか!?
長太郎) ゆり!
節子) あっ、石鍋さん、すんまへん!
石鍋) 気ぃ悪いわ、ほんま~!
男性) 石鍋さん!
女性) すいませんでした!


**********

トク子) ゆり。
ゆり) あ…おばあ様。何やの? あの人…。
トク子) 何を言うてんのや。お客様に、
    人前で恥かかすような事…。
ゆり) ちょっと待って。
トク子) 毒みたいなやつはぎょうさんおるねん。
     泥水すすらんならん事もある。
     水に流さんならん事もあるのや。
     けど泥水は、自分次第で湧き水に
     変える事もできんのや。分からん
     かてええ。けど分からんかったら、
     あんた帰んなさい。

(パンパンと手をたたく長太郎)
長太郎) おい。酒が、のうなったぞ。
ゆり) はい。今すぐ参ります。


近江には、
少しずつ強くなろうとしている、
ゆりの姿がありました。

**********

(店でお酒を飲んでいる紀夫)
昭一) あれ? 紀夫さんやないですか。
    こんばんは。
勝二) こんばんは。ここ、よろしいですか?
紀夫) 僕はまるで、浦島太郎ですわ。
勝二) そうですね。わしも、戦地から戻って、
    日本は変わったと、つくづく思いました。
昭一) そやけど、現実に追いつかな。
紀夫) 何で女房たちのする事を、
    笑いながら、認める事ができるんです?
昭一) 変わらなあかんと思うからです。女房
    たちが、未来を見て動き出しとる姿を見
    て、変わらなあかんと思うたからです。


**********

紀夫) すみれが働いていると聞いた時は、
    ほんまに驚いた。
すみれ) そうね…。きっと、以前の私からは、
     考えられないわよね。
紀夫) つらい思いをさせたな。
すみれ) あ…でも、悪い事ばっかりやなかっ
     たのよ。助けてくれる人もいたもの。
紀夫) うん…。
すみれ) 麻田さん、明美さん、それから、
     商店街の皆さんも…。
紀夫) すみれ。
    もういっぺん言う。他人を信じるな。
すみれ) そんな、さみしい事言わないでよ。
紀夫) さみしい? 何を言うてるんや。
    人というのは、状況一つでなぁ、ころりと
    変わるもんや。昨日まで隣で笑ってた人
    が、今日は、冷たい顔を見せたりする。
    そういうもんやで。疑う事を知らんお前
    たちは、誰にとってもええカモや。
すみれ) そんな…どうして? 紀夫さん、
     前はそんな人やなかったやない。
紀夫) 収容所で、あんな思いをして、変わらん
    人間がいてたら、知りたいぐらいや。風
    呂に入るために、仲間が必要やった。寒
    い所にいると、洋服の 1枚が、命のよう
    に大事で、仲間がいなくて風呂に入ると、
    服が盗まれる。盗まれたもんは、凍え死
    ぬんや。仲間やと思うてたやつに裏切ら
    れて、服を盗まれ死んだもんもぎょうさん
    いた。死んでいく仲間から、服を剥ぎ、靴
    を奪い取るもんもいた。自分の命が助か
    るためには、他人なんかどうでもええ。
    そういうもんやで、人間て。これからは、
    僕が、すみれとさくらを守る。
    おやすみ。
すみれ) おやすみなさい。
紀夫) うん。


変わらずにいる事を望むのは、
酷な事なのでしょうか。


**********

何でも屋の麻田さんがとうとうコント要員に!?
すべりまくる笑いにはうんざりするものの、笑い
がまったくないのも味気ないというか…。欲張り
かもしれないけれど、ほどよい笑いも欲しくって。
麻田さんがコメディ担当してくれるのは助かるw

自分でも、自分が「浦島太郎」状態の自覚アリの
紀夫君。「何で女房たちのする事を、笑いながら、
認める事ができるんです?」と、問いかけるの図。

変わらなあかんと思うからです。
女房たちが、
未来を見て動き出しとる姿を見て、
変わらなあかんと思うたからです。

潔にも、昭一にも、「変わらなあかん」と言われ
る紀夫。頭では分かっていても、そう簡単には
変われない。出遅れた浦島太郎はつらいよね。

一方近江では、一番厳しかったのが実はおば
あちゃんだったというのが素敵だ。長太郎さん
が、どんどん可愛く見えてくる。あまあまなゆり
を一喝するおばあちゃんが、かっけえ。そして、
そのセリフもめっちゃかっこよかった。そうそう、
どこにでも毒みたいなやつはいるものだから。

毒みたいなやつはぎょうさんおるねん。
泥水すすらんならん事もある。
水に流さんならん事もあるのや。
けど泥水は、自分次第で湧き水に
変える事もできんのや。分からん
かてええ。けど分からんかったら、
あんた帰んなさい。


ゆりもすみれも、泥水を知らない。紀夫の壮絶
な体験を聞いても、今一、ピンとこないすみれ。
人を信じられるなら、信じられる方がいいけれ
ど、極限状態ではそれもかなわない事もある。
そういう事もあるのだと、分かってもらえるだけ
でも、傷ついた紀夫君は救われるだろうに…。

鈍感力が、人を傷つける時もあれば、救う事も
ある。すみれのそれは毒となるか、薬となるか。
もうちょっと、優しくしてあげて~とは思うけどw


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