「あさが来た」第93回~加野屋の新たな船出・・・人を見る目と好かれる才能 | 日々のダダ漏れ

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「あさが来た」 第93回
第16週 「道を照らす人
加野屋の新たな船出・・・人を見る目と好かれる才能


あさ) もう九州にお帰りになるやて。
    ほんま、お名残り惜しおますなぁ。
宮部) へぇ。いろんな所見学させてもろて、
    ありがとうございました。けど、大阪
    はほんなこつせからしい町ですなぁ。
あさ) はれ? そうだすか?
宮部) そうどすよ~。
    道行く人みんな早足早口で忙しそうにしちょっ
    てからに。わしなんかぼ~っと歩いちょったら、
    何べんはじかれたか分からんとですよ。
あさ) そらめでたい事だすわ。大阪のお商売も経済
    も、ほんまに活気が戻ってきましたんやなぁ。
宮部) 何がめでたいもんですか! 
    寿司も豆腐もおいしかったけんど、
    わしゃ早九州帰って、遠賀川のカッパと、
    キュウリでも食べとなってきましたが。
あさ) やぁ。
    遠賀川にはカッパさんがおりますのんか!

**********

雁助) なぁ、うめ。
うめ) へぇ。
雁助) わてと一緒に、この家出ぇへんか?
うめ) え…?

**********

(うめと雁助に気付く宮部)
宮部) おっ!?
あさ) あかん…あかん!

(宮部を引っ張っていくあさ)

**********

うめ) あの…うち…。うちは…あっ!
(よろめいて、なべのお湯をこぼしてしまううめ)
雁助) あかんあかん! 
    あっ! あ…熱っ! うぅ…熱っ! あっ…。
うめ) あれま!


**********

あさ) どうもご苦労さんでございました。
宮部) さっき奥さん、名残惜しい言うて
    言うとったでしょう。ねえ!
あさ) 遠賀川のカッパさんが待って
    はりますよってに。ほな!
宮部) いや、でも、気になるが! 帰れんが~!
あさ) ああ、おおきに。
    あ~おおきにありがとうございました。
宮部) 気になるが~。
あさ) ん?
宮部) いや、うん…気になるが~。
あさ) うめ…。


**********

雁助) 熱っ、あかん! あかんこれ、大変や!
    熱、熱っ! 熱い、あ~っ、熱いがな!
    あっ…ああ…。
佑作) どないしはりました? 番頭さん。
雁助) 早軟膏持ってきてくれ。
佑作) へ?
雁助) (大声で) 早う!
佑作) へぇ!
うめ) はぁ、堪忍だす!
    やけどさしてしもた。堪忍だす!
雁助) いや、こらわてのせぇだすさかいに。
うめ) 番頭さんのせぇなんかあらしまへん。
    うちともあろう者がうっかり…。
雁助) いや…わてが悪い。
    うそや…。うそだす。
    あんた連れ出してしもたら、それこそ、
    おあさ様に「何で何で」言うて追いかけ
    られてしまいますさかいな。
うめ) ほな、どこにも行かはりまへんな?
    どこにも行かんと、ずっとこの家に…。
雁助) ああ…。
    きちんと銀行になるまで、いてますよって。
クマ) 番頭さん、軟膏だす! 大丈夫なんだすか!?
雁助) 大丈夫や、大丈夫。ええ、大丈夫、自分で…。
クマ) あっ…。
雁助) 大丈夫やて。痛っ~…。

**********

それからしばらくして…
榮三郎は、店の働き手たちを集めました。


榮三郎) みんなのおかげで、加野屋は、ついに
     銀行の…加野銀行の看板を上げる事に
     決めました。3年後の開業を目指します。
     いよいよ、長い事両替商としてやって来た、
     加野屋の新たな船出だす!
男衆) よっ、八代目!
さち) 旦那様、ええお顔したはりますなぁ。
よの) ほんまになぁ。
雁助) ええか? みんな。八代目はな、これから
    旦さんいうのやのうて、頭取いう呼び方に
    ならはります。頭取さんや。
    みんなよう覚えときや。
一同) へぇ!
榮三郎) おおきに、雁助。
     あ…お姉さんも、ひと言どうぞ。
あさ) え? うちだすか?
新次郎) 言いだしっぺはあさだすがな。
     ひと言、挨拶しなはれ。
あさ) へぇ…ほな。おおきに。
    えっと…みんな、新しい事が始まるいうて、
    ちょっと心配になってはるかも分かりまへ 
    んな。せやけどうちたちは、こののれんを
    守りたいからこそ、時代に合わせて、変わ
    っていかなあきまへんのや。もちろん、両
    替屋から銀行になったら、新しなることも
    ぎょうさんあります。正直言うて、銀行にな
    って成功してるのは、今のとこ、ほんの一
    握りしかあらしまへん。
弥七) やっぱり、そうなんや…。

(ため息)
あさ) 加野屋はこれから、
    その一握りにならなあかんのだす!
    大丈夫だす。畑違いの炭坑の商いと違て、
    銀行は、今まで奉公してくれた、みんなの
    腕前と年季が、大いに役に立つ商いだす。
    どうか、気張っとくなはれ!
一同) へぇ!
あさ) あ…すんまへん!
    ちょっともひと言やありまへなんだな。
新次郎) いつもの事だす。
榮三郎) ああ、それから、加野銀行の設立
     と同時に、石炭の商いを切り離して、 
     正式に、一つの会社にしよ思てます。
新次郎) へ?
     はぁ、相談いうのはそれだしたんやな?
あさ) へぇ。そのとおりだす。
榮三郎) え~とにもかくにも、
     新しい加野屋の始まりだす。みんな、
     これからもよろしゅう頼みましたで!
一同) へぇ!
あさ) よろしゅう。よろしゅうな!

**********

新次郎) 銀行が出来たら、
     出ていくつもりだすやろ?
雁助) は?
新次郎) ハッ。そら分かりますがな。
     そないすがすがしい顔して。
     いつももっとガ~ッとこない、
     眉間にしわ寄せてますがな。
雁助) ハッハ…。
    新次郎さん、ほんま変わらはりましたなぁ。
新次郎) は?
雁助) あないにお店の事には
    興味のあらへんお人だしたのに。
新次郎) そうだすか? そないなつもりあらへ
     んのやけど。年、取ってしもたさかいなぁ。
     「アホボン、アホボン」言われてたけど、
     もう、ボンいう年でもあれへんよってな。
雁助) 銀行になったら、
    両替屋の加野屋は、しまいだす。
    ほんまわては、もうお役御免だすのや。
新次郎) う~ん、そやろか…。
雁助) へぇ。ハハッ。石炭の商いもなぁ、向こうに
    いてた時はそれなりに、根詰めて励んでみ
    ましたんやけどな。どっかおもろありまへん
    のや。やっぱりわては、石やのうて、銭金い
    う目に見えるようで、得体の知れんもん扱う
    のが好きなんだすわ。
新次郎) 雁助は、「銭金」好きいうのとはちょっと
     違いますやろ。あんたが好きやったんは、
     お父ちゃんに教え込まれた、「信用」、いう
     もんやあらしまへんのか?
雁助) ご明察だす。
    お大名や堂島の商人らは信用でけた。
    そやけど、どこの誰かも分からん、
    成功するかどうかも分からんような者に、
    お金貸すやなんて。わてにはでけしまへん。
    そやけど、おあさ様にはでけますのやろなぁ。
新次郎) ん…せやなぁ。
雁助) 両替の加野屋がのうなってしもたら、
    わてには、奉公するもんはあらへんのだす。
    榮三郎さんが不足や言うてんのとは違います
    のやで。あのお方は、まだ若い。奥さんにたき
    つけられたら、どんどん伸びるお人だす。わて
    みたいな、頭の固い者が側におったら、かえ
    って、足引っ張る事になるかも分かりまへん。
新次郎) そないな事決してあれへん!
     けどなぁ、もう、自分以外の者の事は、
     考えんかてええのと違うか?
     自分がどないしたいんか、
     よう考えてもらいたいんや。
雁助) 自分が…?
新次郎) そうだす。自分の事だけ考えて、それで、
     いてくれる言うねやったら、そらありがたい
     こっちゃ。そやけどな、もし、出ていくて決め
     たんやったら、のれん分けはでけへんけど、
     どっかで、お店出せるぐらいのお金、
     用意さしてもらいますよって。
     それが、加野屋からあんたへの、
     せめてもの、恩返しだす。
雁助) なるほどなぁ…。新次郎さんは、大旦さんに
    まるで似てへんようでいて、どっかよう似ては
    んのかも分かりまへんなぁ。おあさ様も人を
    見る目があったという事か…。
新次郎) へ? 見る目? そら何の話だす?

**********

ツタ) 新しい会社は、
   誰が社長になりはりますのやろか?
クマ) そらそれも榮三郎さんだすやろ。
弥七) いいや。
    ひょっとしたら、おあさ様と違うやろか?
うめ) へ? おあさ様て、そないな事…。
弥七) そうかて、炭坑の事いうたら、
    一番分かったはりまっせ。
うめ) そうだすけど…あっ、そないいうたら…。


(回想)
福沢) あなたはいつか、おなごの社長になりなさい。


うめ) まさか!
新次郎) あさはどこや? どこいてますのや!?
弥七) どないしはったんだす? 珍し血相変えて。
    あ~行ってしもうた。
新次郎) おれへんがな、どこや!


**********

あさ) へぇ。雁助さんの言わはるとおりだす。
    新しい社長は、旦那様だす。
新次郎) はぁ?
あさ) 旦那様に、加野屋の炭坑事業、
    それから、そのほかの商事の会社の
    社長になってもらおて思てます。
新次郎) はぁ? な…何でわてが!?
     あ…あさが、やったらよろしいがな!
あさ) 何言うてはりますのや。おなごの社長やなん
    て、政府が認める訳もございまへん。それに
    旦那様は、確かにふらふらしてはりますけど、
    うちは旦那様ほど、大阪の商人の皆さんに
    好かれてるお人を知りまへん。
新次郎) はぁ、好かれてる?
あさ) へぇ。顔も広いし、うちなんかどっか行ったら、
    「あっ、あの奥さん、また来たで」とか、苦虫か
    み潰したような顔される事もしょっちゅうありま
    すのに。旦那様やったら、「おっ、新次郎さん
    や! 待ってました!」とか、楽しそうに声かけ
    られて…。こら才能だす。
新次郎) 才能?
あさ) へぇ。めったにあれへん才能だす。榮三郎さん
    もお母様も、これでちょっとは、お商売に身ぃ
    入れてくれるかも分かれへん言うて、賛成して
    くれはりました。
新次郎) いいや。その手には乗らしまへんで。
     そないな事でお商売に身ぃ入れるやて、
     わては金輪際あらしまへん。
あさ) へぇ。それでもかましまへんのだす。
    商いの事は、今までどおりうちが一切やらして
    もらいますさかい。どうか、加野屋の社長に、
    なっとくれやす。

(頭を下げるあさ)
新次郎) いいや…承服でけしまへん。
あさ) 五代様にも、
    「ナイス アイデア」や言われましたんやで!
新次郎) へ? 五代様が? どないに言うた?
あさ) へぇ。それが…。

   
**********

新次郎) はぁ…ほんまにもう、ともちゃんめ!
男性) (大声で) えらい事や!
新次郎) 何や!
男性) どえらい事や!
新次郎) はぁ?
三坂) 大丈夫ですか?
    み…水、水! 水持ってきて。
    五代さん、ど…どこが痛い!?
    五代さん! しっかりして。
新次郎) 五代さん…。

**********

雁助とうめのラブストーリーは突然に! 突然の雁助
の言葉に動揺するうめ…からの~ヤケドで大騒ぎw
大人の恋は…そしてお笑い担当(?)の2人の恋は、
そう簡単にはいかないのでありました。2人の様子を
目撃したあさが、ちゃんと察してその場を離れたのは、
彼女もそれなりに大人になっていることを示している
ようで。今こそ、あさお得意のお節介を焼いてほしい
ところ。女は女同士、うめの応援をしてほしいなぁ…。

男は男同士ということで、雁助のフォローは新次郎が
担当。雁助の気持ちを汲んで、自分のことだけを考え
て、自分がどうしたいのか考えてほしいという新次郎。
店を出るのなら、新しい店を出せるお金も用意すると。
今までずっと店のために尽くしてくれた雁助へのせめ
てもの恩返しだと。はぁ…。新次郎の爪の垢を、誰か
さんに飲ませたい! いや、新次郎の爪で引っ掻いて
やりたい。(すみません。ついつい、重なってしまって)

炭坑の社長は、想定内の新次郎でした。あさの言うと
おり、人に好かれる才能っていうものは、稀有な才能。
アイドルと一緒だよね。人を惹きつける才能ってある。
イヤイヤする新次郎だけれど、ともちゃんのお勧めと、
恐らくは、千代のことを考えて引き受けるんだろうなぁ。
ともちゃんめ!と、文句の一つも言ってやるつもりだっ
たはずの新次郎は、ともちゃんが倒れたところに遭遇。
五代と新次郎のツーショットは、これが最後になりそう。
寂しいけれど…2人のツーショット、見逃せません!!


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