「花子とアン」第126回~ごきげんようは祈りの言葉、心にしみこむ魔法の言葉 | 日々のダダ漏れ

日々のダダ漏れ

日々想ったこと、感じたこと。日々、見たもの、聞いたもの、食べたものetc 日々のいろんな気持ちや体験を、ありあまる好奇心の赴くままに、自由に、ゆる~く、感じたままに、好き勝手に書いていこうかと思っています♪

「花子とアン」 第126回
第21週 「ラジオのおばさん誕生
ごきげんようは祈りの言葉、心にしみこむ魔法の言葉


吉平) ほれじゃあ、もものこん、頼むじゃんな。
ふじ) 英治さん。はな。
    もものこん、よろしくお願えしやす。

**********

花子) もも。うちで一緒に暮らそう。
    お嫁に行く時、もも言ってくれたじゃない。

(回想)
もも) お姉やんの新しい物語、楽しみにしてる。
   書えたら、送ってくりょう。

花子) あの時、ももがああ言ってくれなかったら、お
    姉やん…お話を作る夢諦めてたかもしれない。
    私が今、翻訳したり、童話の仕事をしていられ
    るのは、もものおかげだよ。


もものかじかんだ心が解ける日は
来るのでしょうか。


**********

花子) 皆さん。ごきげんよう。
    今日もよろしくお願い致します。
漆原) これはこれは。
黒沢) 村岡先生の放送、大変な反響です。
花子) まあ、それはうれしいです。
    では後ほど。ごきげんよう。
漆原) 「ごきげんよう」か…。


**********

花子) すいません。
黒沢) では、逓信省の許可を取ってきます。
花子) お願いします。
黒沢) これ全部、村岡先生宛てのお手紙です。
    どうぞ、ご覧になって下さい。
花子) ありがとうございます。
黒沢) では、行ってきます。
花子) はい。


それは、病気の坊やを持つ、
お母さんからのお手紙でした。


**********

かよ) もも。少し休んだら?
もも) 私…一生懸命働くから、ここに置いて。
かよ) でも、お姉やんが寂しがるよ。ももと一緒に
    暮らしたいって、お姉やん心から思ってるよ。
もも) お姉やんはきっと、そんな事思わないよ。
   あんなに忙しそうだし。
かよ) お姉やんがあんなに仕事をするようになった
    のは、坊やが亡くなってからだよ。それからは、
    日本中の子どもたちに物語を届けるんだって、
    いつもたくさん仕事を抱えてる。ラジオのおば
    さんも、そんな気持ちで引き受けたんだと思う。

**********

「村岡花子先生。『コドモの新聞』、息子が大層楽しみ
にしております。息子は入院していて、ふさぎ込む日
もあるのですが、村岡先生の放送を、本当に、心待ち
にしております。息子にとって、先生の放送は、希望
なのだと思います。」

**********

もも) あの…。
英治) ももさん…来てくれたんですね。
    花子は、ラジオ局に行ってますけど、
    帰ってきたら大喜びします。
もも) 違うんです。荷物を取りに…。
英治) えっ…ああ。


**********

英治) はい、これですね。
もも) すみません…。
英治) 実を言うと…僕はももさんが羨ましいです。
    けんかができる兄妹がいて、羨ましいです。
    僕は弟を亡くしました。けんかも仲直りも、一
    人じゃできません。あっ、そうだ。ももさん、ち
    ょっと待ってて。花子が書いた、新しい本、持
    ってって下さい。

(花子が歩の写真を忘れたことに気づく英治)
英治) ももさん。お願いがあるんです。この写真を、
    ラジオ局まで、届けてもらえませんか?
もも) えっ?
英治) 僕が行ければいいんですが、
    急ぎの納品があって…。
もも) はあ…。
英治) 花子に、渡してほしいんです。
    どうか、お願いします。
もも) 分かりました。
英治) はあ…助かった。
    あっ、じゃあ今、地図を描きますから。


**********

男性) あの方に聞いて下さい。
もも) あの! 村岡花子はどこにいますか?
黒沢) どうなさったんですか?
もも) 忘れ物を届けたいんです。
黒沢) どうぞこちらです。

**********

花子) あの…ご相談があるんですが。
漆原) 今度は何ですか?
花子) 原稿を変更したいんです。
漆原) またですか…。
有馬) 放送はもう間もなくです。逓信省の承認を取る
    時間はもうありませんから。そのままお読みに
    なるしかありません。
漆原) そういうことですので。
花子) 変更といっても、ひと言だけです。最後の挨拶
    を、「さようなら」ではなく、「ごきげんよう、さよう
    なら」にしたいんです。
有馬) 冒頭にも「ごきげんよう」と述べて、最後にまた、
    「ごきげんよう」と述べるのですか?
漆原) よほど、
    「ごきげんよう」という挨拶をしたいのでしょう。
    あなたは、修和女学校のご出身だそうですね。
花子) はい。
漆原) うちの家内も、修和の出身で、「ごきげんよう」
    は、朝から晩まで、耳にタコが出来るくらい、聞
    かされます。
花子) そうでしたか…。
漆原) あそこは、
    家柄のいい、お嬢様たちが通う名門です。
    しかし…あなたは、給費生だったそうですね。
花子) ええ、そうです。
漆原) 貧しい家の出であるあなたが、殊更に「ごきげ
    んよう」という言葉を使いたい気持ちは分かりま
    す。しかし、「ごきげんよう」が似合う人間と似合
    わない人間がいるんですよ。
花子) そうでしょうか。「ごきげんよう」は、さまざまな
    祈りが込められた言葉だと思います。
漆原) 祈り?
花子) 「どうかお健やかに、お幸せにお暮し下さい」と
    いう、祈りです。人生は、うまくいく時ばかりでは
    ありません。病気になる事もあるし、何をやって
    もうまくいかない時もあります。健康な子も、病
    気の子も、大人たちも、どうか全ての人たちが、
    明日も元気に、無事に、放送を聞けますように
    という祈りを込めて、番組を終わらせたいんで
    す。どうか、お願いします。
黒沢) 挨拶の部分ですから、
    変えても問題にはならないと思います。
有馬) いいえ。一行一句変えてはなりません。
漆原) まあ、いいでしょう。
    問題になったら、降りてもらえばいい。
    時間だ。始めよう。
黒沢) あ…村岡先生。
花子) もも。
もも) お姉やん、これ、お義兄さんから。
花子) あ…ありがとう!
もも) じゃあ、私は。
花子) もも。本当にありがとう。

**********

有馬) 「コドモの新聞」の時間です。
    村岡花子先生です。
花子) 全国のお小さい方々、ごきげんよう。
    これから皆様方の新聞のお時間です。
    最初のお話です。
    「大阪で、ヒヒが逃げたお話です。今朝の6時こ
    ろの事です。大阪市のある幼稚園で、飼ってい
    た大きなヒヒ…これはお猿の一種ですが、普通
    のお猿よりも犬のように口がとがっています。そ
    のヒヒが、どうしたのか、急に鉄の首輪をちぎっ
    て、おりの中から飛び出し、さあ大変」。
    今日の新聞のお時間はここまでです。
    それでは皆さん。ごきげんよう。さようなら。


もも) ごきげんよう…。


花子の声が、魔法の言葉のように、
ももの心にしみ込んでいきました。

ごきげんよう。さようなら。

**********

「ごきげんよう」の挨拶に、苦々しい表情だった漆原の
原因は修和女学校出身の奥様だったのね。きっと奥
様はいいところのお嬢様で、何かと頭が上らないのか、
朝から晩まで、「ごきげんよう」を聞かされて、苦々しく
思っていたのでしょうw 何やら、漆原家の家庭の事情
がうっすらと見え隠れした、花子への嫌味攻撃でした。
「ごきげんよう」が似合う人間と、似合わない人間か…。
まあ、キャラ的に似合う似合わないってのは確かにあ
るとは思いますが…。明らかに自分は似合わない派w

「ごきげんよう」に込められた、さまざまな祈りは…。

どうかお健やかに、お幸せにお暮し下さいという、
祈りです。人生は、うまくいく時ばかりでは
ありま
せん。病気になる事もあるし、何をやって
もうまく
いかない時もあります。健康な子も、病
気の子も、
大人たちも、どうか全ての人たちが、
明日も元気
に、無事に、放送を聞けますように
という祈り。

祈りの言葉か…。どうかごきげんでありますようにっ
て感じ? そっかぁ。そう思うと、気取った挨拶というよ
り、相手の息災を祈る、自然な挨拶に思えてくるかも。
似合わないタイプだとは自覚しつつも、祈りをこめて、
「ごきげんよう」と言ってみたくなるから不思議だ~♪

ただ、ももをラジオ局に誘導するために歩の写真を忘
れさせたのはいいとして、写真がないことに気づいて
慌てるシーンをちょっとぐらい入れてほしかったなあ。
花子にとってとても大切なもののはずなんだから~。

とはいえ、ようやく、「村岡花子」の仕事ぶり、人となり
が描かれるようになってきたことは、嬉しい。やっぱり、
ヒロインの物語が視聴者としては、見たいものだから。
花子が、アンに出会うまで…これからが楽しみです♪

それでは、大きい方々も、ごきげんよう~(*^。^*)


「花子とアン」関連ブログはこちらから↓
「花子とアン」関連ブログリスト

●「花子とアン」HP


ランキングに参加しています。
ポチっとしていただけると、嬉しいです♪


にほんブログ村


連続テレビ小説 花子とアン Part1 (NHKドラマ・ガイド)/NHK出版
¥1,155
Amazon.co.jp
アンのゆりかご―村岡花子の生涯 (新潮文庫)/新潮社
¥788
Amazon.co.jp
『赤毛のアン』と花子: 翻訳者・村岡花子の物語 (ヒューマンノンフィクション)/学研教育出版
¥1,365
Amazon.co.jp
村岡花子と赤毛のアンの世界/河出書房新社
¥1,680
Amazon.co.jp
アンを抱きしめて―村岡花子物語/NHK出版
¥2,100
Amazon.co.jp
花子とアンへの道: 本が好き、仕事が好き、ひとが好き/新潮社
¥1,470
Amazon.co.jp
村岡花子: 「赤毛のアン」の翻訳家、女性にエールを送りつづけた評論家 (KAWADE夢ムック .../河出書房新社
¥1,260
Amazon.co.jp