「SMAP×SMAP」~原稿用紙1枚で書くショート小説 | 日々のダダ漏れ

日々のダダ漏れ

日々想ったこと、感じたこと。日々、見たもの、聞いたもの、食べたものetc 日々のいろんな気持ちや体験を、ありあまる好奇心の赴くままに、自由に、ゆる~く、感じたままに、好き勝手に書いていこうかと思っています♪

「SMAP×SMAP」
~原稿用紙1枚で書くショート小説


「スマ進ハイスクール」のコーナー。特別講師は作家
の百田尚樹。授業のテーマは、「原稿用紙1枚で書く
ショート小説」。百田尚樹が冒頭部分を書き、その後
を、SMAPの5人が、それぞれ自由な発想で展開させ
て、ショート小説を書くという企画。出来上がった作品
が結構面白かったので、それぞれの作品をご紹介♪

共通の書き出し、冒頭の文章はこちら↓

  ふと目覚めた俺は目の前の光景に驚いた。
 俺が世界で一番愛する女が男とキスを交わし
 ているではないか。

●ショート小説のポイント
 (1)情景が目に浮かぶ事
 (2)ミステリアスである事
 (3)登場人物のキャラをたてる事


**********

「裏切り」 作・百田尚樹

 ふと目覚めた俺は目の前の光景に驚いた。
俺が世界で1番愛する女が男とキスを交わし
ているではないか。
 女はさっきまで俺を抱きしめていたその手
で、見知らぬ男を抱いている。
 女が以前から俺をバカにしているのは気づ
いていた。しかし俺の目の前で男といちゃつ
かなくてもいいではないか。
 俺は女に「やめろ!」と叫んだ。しかし女
は俺など眼中にないかのように男に夢中だ。
 俺はついに我慢できなくなって男に飛び掛
かった。男は俺を乱暴な手ではねのけると、
女に言った。
 「さっきから、この犬、うるさいんだよ!」


**********

「膨張」 作・中居正広

 ふと目覚めた俺は目の前の光景に驚いた。
俺が世界で1番愛する女が男とキスを交わし
ているではないか。
 この今までに味わった事のない感情は何だ?
憎悪なのか、嫉妬なのか、あるいは、怒りな
のか。小刻みに震える俺の足は、平常心を装
う事のできない、ただならぬ事態を察知した。
 ただ、ここから見える景色は、紛れもなく
綺麗だった。お互いが、求め合い、お互いが
相手を想い、そして、何より穏やかな水面の
様に美しかった。
 二人だけの世界に酔いしれた二人は、俺の
存在すら気づいていない。足を踏み入れ、問
いただすのか。静かに立ち去るのか?
 息があがった呼吸を鎮めるだけの冷静さは
残っていた。
 何故だ!毎年の記念日。
お前へのプレゼント、お前の為だけの時間。
俺への幸福。
 うそだったのか…。
 入り乱れる感情があの女への揺るぎのない
想いを確信した。今から、今日から、この後
も、俺はこの女を×××。
 誓いましょう、愛する事を、伝えましょう
あなたへの愛を。今までもそしてこれからも
いつもと同じ様に!
 いいよね。お母さん。


**********

「離れる」 作・稲垣吾郎

 ふと目覚めた俺は目の前の光景に驚いた。
俺が世界で1番愛する女が男とキスを交わし
ているではないか。
 思えばすれ違いばかりであった。
 あのころの二人を取り戻す為にやって来た
思い出の海。久々のデートだというのに趣味
であるサーフィンに没頭していた俺は確かに
悪い。
 しかしまさか彼女がビーチで男とキスを交
わしているとは、怒りが頂点に達した俺は二
人に近づこうとしたが、今一度冷静に目の前
の光景を捉えてみる。
 仰向けに倒れた男と唇を重ねている彼女は
溺れた男を救助していたのだ。
誤解に気づいた俺は二人を助けようと砂浜を
走るが思うように進まない。
 やっとの思いで辿り着いた俺は目の前の男
の顔を見て愕然とした。
 青ざめた男の顔は自分自身であった。
 そうか俺は溺れかけていたんだ。命を取り
戻す事は出来るのだろうか。
 どれくらい時間が経過したのか分からない。
俺は再び目を覚ますと目の前の光景に驚いた。
 「チェ」
残念そうな顔をした彼女が舌打ちを
しているではないか。


**********

「空涙-そらなみだ-」 作・香取慎吾

 ふと目覚めた俺は目の前の光景に驚いた。
俺が世界で1番愛する女が男とキスを交わし
ているではないか。
 君は何故泣いている。
 泣きたいのは俺だ。
 目の前で世界で一番愛する女が男と…
           暗い…
 ビニールに包まれ赤いサイレンと共に俺が
運ばれてゆく。
 君は何故泣いている。 
 俺は何故泣いている。



**********

「美しき悪夢」 作・木村拓哉

 ふと目覚めた俺は目の前の光景に驚いた。
俺が世界で1番愛する女が男とキスを交わし
ているではないか。
 しかも、そのキスは挨拶程度のものではな
く、正に感情同士が求め合ってのキスだった。
 信じ難いが、この状況に自分が高揚してゆ
くのが分かり、情けなくなる。
 意識はハッキリしているにもかかわらず
未だに身体を起こせずに薄目を開けて二人の
時間と飛び散る感情を、まるで部屋の壁に飾
られた印刷物のモナリザの様に、只々眺めて
いる。
 映画やテレビドラマなら、どこかのタイミ
ングで俺が二人の行為と関係を大声をあげて
打ち崩すのだろうが、今の俺には到底出来そ
うにない。
 何故なら、世界で一番愛する女の髪が、
唇が、指先が、絡む脚が今まで見た事の無い
程美しいからだ。
 「あっ!」思わず声が出てしまった。
彼女と目が合ってしまったのだ。
 今しか無い。そう思った瞬間、
彼女の艶やかな微笑みが、俺の脳天を貫き、
もう一度深い眠りへと突き落とした。


**********

「黄金に輝くキリン」 作・草彅剛

 ふと目覚めた俺は目の前の光景に驚いた。
俺が世界で1番愛する女が男とキスを交わし
ているではないか。
 フゥフゥフゥなんて驚いて見せたのも彼女
の為でしかない。
 この女はいつもそうだ。休みになると決
まって違う男を部屋に連れ込んでは俺の前で
平気にキスを見せつけてくる。
 どうしようもないメスブタだ!
あっメスブタは品がないな。
ならメスザルか!ボケ!このオタンコナス!
お前なんて史上最悪、最低の女だ。
この世から消えていなくなってしまえ!
 俺はもう一度目を閉じて眠ったフリをした。
彼女はまた見知らぬ男と抱き合いキスを交わ
し始めた。俺は身を潜め二人の情熱が加速し
てゆくのを耐え忍んだ。
 目を閉じた暗闇の中に俺は黄金に輝く大き
なキリンを見つけた。たて髪を風になびかせ
た長い首が伸びて来た。
 フサフサした長いまつ毛まで黄金に輝き、
その下に真っ黒に光る大きな目がまるで黒い
鏡のように存在している。
 黒い鏡に写る俺がにじんだ瞬間に、一粒の
大きな熱い涙が流れ落ちた。


**********


百田先生がナンバー1に選んだ作品は…
稲垣吾郎作 「離れる」 でした~\(^o^)/

うんうん。一番良かった~! 能ある鷹は爪を隠す?
吾郎ちゃん、役者としても日々進化を見せてくれるけ
れど、物書きとしても、これは、意外とイケるかも~!

作品としての完成度は、吾郎ちゃんが一番だけれど、
5人の作品それぞれに、メンバー「らしさ」が感じられ
て面白かった。もし、自分が続きを書くとしたら、吾郎
ちゃんかキムタクタイプのお話を書くような気がする。
昔はお題を決めてショート小説を書くのが楽しかった。
また、こぴっと書いてみようかな~なんて思った今回
のスマスマ企画でした。こういうの、又やってほしい!


「SMAP」関連ブログ↓
ビストロSMAPコラボ
「SMAP×SMAP」~原稿用紙1枚で書くショート小説

●「SMAP×SMAP」HP


ランキングに参加しています。
ポチっとしていただけると、嬉しいです♪


にほんブログ村


おうちで簡単!ビストロスマップ(オリジナルBISTROランチバッグ付き)/扶桑社
¥1,533
Amazon.co.jp
ビストロスマップかならずできる!!レシピ/扶桑社
¥1,700
Amazon.co.jp
ビストロスマップ完全レシピ/扶桑社
¥1,468
Amazon.co.jp