ごちそうさん(77)~つきたての餅と正蔵からの手紙 | 日々のダダ漏れ

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ごちそうさん 第77回
「ふくが来た!」
~つきたての餅と正蔵からの手紙


さて、大みそかでございます。

大五) 何で餅ついてねえんだよ。
    ズボラにも程があんだろう、お前。
め以子) 男手なかったんだもん。


女たちは、おせちの仕上げ。
男たちは、餅つきに大わらわ。

それは、
そんな慌ただしい日の事でございました。


**********

め以子) これ。
正蔵) あ…おせち。ハハハッ。おおきに。
    もう、そろそろかいな?
め以子) 来月って言われてます。
正蔵) あっ、ちょっと、早いかもしれんけれども、これ、
    ご祝儀や。
め以子) あ、そんな、いいです、いいです。
正蔵) 頼むわ。このぐらいの事は、させて。
め以子) でも…
正蔵) その子のお年玉にでも、してもうたらええ。
め以子) じゃあ、ありがたく、頂きます。
正蔵) はいはい。ほなまあ、ええお年を。
希子) お父さんも。
正蔵) おおきに。
め以子) あっ、おせち。
正蔵) えん?
め以子) 願いのお料理、ですよね?
正蔵) えっ?
め以子) 忘れてましたね。
正蔵) あ…。
め以子) じゃあ、よいお年を。
正蔵) よいお年を。

**********

め以子) (源太と染丸を見て) どうかしたのかな?
希子) 何で、一緒にいてはるんですかね?
め以子) 2人でお伊勢さん行くんじゃなかったっけな。
希子) えっ、えっ? あの2人、そういう仲やったんで
    すか? …ちい姉ちゃん?


**********

大五) う~ん。
    つきたてのこの時だけなんだよな、これはよお。
静) どんなごちそうより…でんなあ。
悠太郎) 一番食いつきそうな人がまだなんですけど。
イク) ああ。食べられる頃には戻ってくるって、言って
   たんだけどねえ。

静) (戸が開く音に) うわさをすれば。
希子) 産婆さん呼んで下さい!
    産まれてしまうみたいです!
イク) あら、大変。
悠太郎) 大丈夫…大丈夫ですか?
イク) 悠太郎さん。産婆さん呼んできてくれるかい?
悠太郎) はい!
桜子) おば様、お湯沸かした方がいいんでしたっけ?
イク) お湯お願いします。め以子、ゆっくりゆっくり。
大五) め以子。
イク) お布団、お願いします。
大五) 母ちゃん…。
イク) 大丈夫、大丈夫。
大五) め以子…。
イク) め以子、さあ、上、行くよ!
大五) あっ!
イク) あんた一体何やってんだい。こんな時に!



大五) あ、今しかねえもんな。つきたてはよ。
希子) え~?
イク) まったくもう~
大五) 今しかねえんで。


**********

め以子) お母ちゃん。
イク) うん?
め以子) ん…それ、それ取って。
イク) えっ? これかい? はい。
め以子) ありがとう。


**********

大五) こっちは蕎麦ってどうするんですか?
静) ああ~頼んであって。
大五) ああ、頼んである。
桜子) ちょ…ちょっと何考えてんのよ。
室井) えっ、だって見てみたい。
桜子) バカじゃないの!
室井) えっ?
桜子) 座ってなさい。

イクの声) 今じゃなくていいだろう?
め以子の声) 今! 今、渡したいの!
イクの声) わかったから、呼んでくるから、もう。

室井) 何何?
イク) あっ、悠太郎さん。ちょっと来てくれるかい?
悠太郎) はい。はい。
室井) イテッ。


**********

イク) め以子!



悠太郎) どないしたんですか?
め以子) ぐっ…はあ…。
悠太郎) 何ですか? これ。
め以子) 読んで。読んでよ。
悠太郎) …頑張ってな。


**********

室井) めいちゃん、何だって?
悠太郎) これ、読めって。
室井) えっ?
大五) 手紙?
室井) えっ、何の手紙?
桜子) ちょっと、そっとしときなさい。
大五) おい! ダメだろ、こいつ。


**********



(正蔵からの手紙)
悠太郎。め以子さん。
もうすぐ、子どもが生まれるんですね。
おめでとうございます。
これから親になる君たちに
話しておきたい事が、一つだけあります。
私は昔、鉱山で技師をしていました。
詳しく言えば、
掘削(くっさく)した鉱石の、製錬をしていました。
主に、銅です。銅の製錬は、
言わずと知れた国の基幹産業でした。
「日清、日露の軍備は、銅で整えた」
と言われるほどの。
自分の働きが、国を豊かにしとる。
私は素直にそう、思うてました。
銅の製錬には、鉱毒というものが付き物で、
当然、その、認識はありましたが、
日本が、列強に加われるのならば、
とやかく言う事もないと。
豊かになるんいうのは、
そういう事やと思てましたから。

**********

め以子) もう、無理~!
イク) もうすぐ年越しそばだから、頑張れ!
    そ~ば、そば。
産婆) そば、そば。

**********

(正蔵からの手紙)
せやけど、鉱毒の被害は、思たよりも、
深刻なものやいう事が、私の勤める鉱山でも、
あからさまになってきたのです。
近くの川には魚が浮かぶようになり、
作物は実らんようになって、山は丸はげで、
土砂崩れも、起きるようになりました。
もちろん、人間だけが、無事な訳はなく、
大人になる前に、
命を落とす子どもが増えていきました。
やがて、周辺の村から抗議の声が、
大きくなり始めた頃、半ば口封じのために、
立ち退き要請や、土地の買い上げなどを、
任される事になりました。


(回想)
男性) 何か手だてを!
    このままじゃ、村の人間は水も飲めねえ!
女性) (子どもが血を吐き) ああ、なんて事!


(正蔵からの手紙)
自分たちの引き起こした被害を、
突きつけられる日々に、
神経が擦り切れそうになったその頃…。


(回想) 
男性) 人殺し!
一同) 人殺し!

(正蔵からの手紙)
君のお母さんが亡くなったのです。
もう、わかったでしょう?
私は、家族のためにと言いながら、
渡りに船と、山から逃げ出したんです。
そうして因果なもんで、ついには、
逃げ込んだ家族からさえも、逃げました。
けど、どれだけ逃げても、
逃げきる事はできませんでした。
そしてある日、つと、気づきました。
私は困難から逃れる事と引き換えに、
自分の生きている価値のようなものを、
永久に、失ったんやと。
悠太郎。
どれほど注意を払うたというても、
過ちに、前もって気づく事はできません。
悠太郎。
豊かさを追い求め、豊かさを失うのが、
悲しいかな、人間という生き物です。
けど、過ちを犯したあとに、
どう生きるかを選ぶ事は、できるんです。
もし、過ちと闘い続ける姿を
見せられていたならば、君にその事を、
伝えられたのではないかと、思います。
ただただ、逃げ続ける私の背中は、
君に過剰な責任感と、間違う事への恐怖心を、
与えてしまった気がします。
ホンマに、すいません。
父親となる君に、
私のこの間違いだらけの人生が、
何かの役に立てばと思い、筆を執りました。
悠太郎。め以子さん。
どうか、私のような、親にならないように。
どうか、あなたたちは、生まれてくる子どもに、
輝く未来と、豊かな誇りを与える人で、
あって下さい。

**********

悠太郎) おやじ…? おやじ?



**********

今日のお笑いポイントは、つきたての餅に食らいつく
め以子の図? こういうどうしようもなく食い意地のは
ったヒロイン像でも悪くはないんだけど、それならも
っと、こういう極端な様子を見せて、憎めない可愛ら
しさを演出する事もできるのに…。娘の姿に、つきた
て餅のうまさは今しかねえと同意する大五と、蕎麦
で娘の気持ちを奮い立たせようとするイク。娘の事
をよ~くわかっている親の愛情は、ありがたいねえ。

正蔵からの手紙を渡す為に部屋から這い出してきた
め以子の姿は貞子!(そういう演出じゃないよね?)
陣痛の痛みの中で、あんなに長くて暗い内容の手紙
(和枝のイケズなんかよりずっと不吉じゃない? 産
気づいた中で読みたいような手紙じゃないと思う…)
をおバカめ以子が全部読んだとは思えないけど、野
生のカンで、悠太郎に見せなければと思ったのか?

正蔵の手紙は、感動ポイントになるはずなんだけど、
今さらな感じがして、残念ながら、セリフで済ませち
ゃったのか~とちょっと醒めた感想しか書けず。どう
も、全ての辻褄を手紙一つで語っちゃったなあって。
無駄に気をもたせたり、過剰演出がお好きなようで、
相変わらず、話のタイミングにセンスがなさすぎる。

悠太郎とは和解させるのだろうけど、な~んか、いい
感じになりそうな気がしない(私の望む方向性にはと
いう意味で)。どうやら、大正編はまるまる、未熟な2
人のままで終わらせるようだけど、昭和編で、いきな
り成長させるのか、キャラを変えるのか? とっちらか
ったエピソードは収集されずに終わりそうな予感…。

【お願い】
ついつい、脚本への不満が爆発してしまってはいま
すが、基本的に、役者さんや世界観は嫌いではない
のです。期待もしてましたし。それゆえに、私的には、
杏ちゃんを、ヒロインをもっと魅力的に描いてほしい
と思う気持ちが捨てきれず、腹立たしく思っています。
食材はいいものが揃っているのに、出来上がった料
理の味が合わないというか。同じ料理も、作り手によ
って味が違うように、好みの味じゃないといいますか。
この味は好みじゃないけど、その料理自体は好きな
のよ~って感じで。味が合う方には美味しいんだろう
なあと思う、そんな感じというか。まあ、そういう訳で、
好きな料理については語りたいわけですよ。記事を
書いている間は、期待と愛があるという事なのです。
当然、本当に嫌いになったら書きません。無駄な議
論は不毛なので、感性が合わないと感じた方は、ど
うぞ、華麗にスルーして下さいますように! みんな
違って、みんないい。ご自分の感性に合う感想が書
かれているブログを、どうかお探しになってください。


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