ごちそうさん 第54回
「君をアイす」
～あなたは僕が手に入れたたった一つの宝物
悠太郎） ブランデーですか？
め以子） 火が消えたら、
メレンゲを潰してお召し上がりください。
悠太郎） コーヒーのシロップなんですね。
途中からは、梅シロップが加わって・・・。
め以子） 焼氷の話に来たの！？
悠太郎） 大きな声でする話やないんで。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
悠太郎） 僕が父を許せないのは・・・。僕も逃げ出し
たかったからです。仕事を辞めて戻ってきた
んも、お静さんを引かせてきたんも、みんな
僕たちのためやのに、よかれと思ってやった
事が、すべて、裏目裏目に出てしまう。そん
な父に、僕は同情してました。せやけど父は、
一言もなく姿を消しました。首でもくくるつも
りなのではないか。本気でそう思いました。
とにかく、みんなで手を尽くして捜して・・・。
せやけど、見つかった先は、別の女性の所
でした。愕然としましたよ。その事実に、姉さ
んとお静さんは怒り、罵り合い、希子は隅で
震えていました。
僕は言うしかありませんでした。
（回想）
悠太郎） 僕が！ この家を守る。
悠太郎） 僕がこの家を守る。これからは、あの人は
死んだと思ってやっていこうって。せやけど、
その気持ちだけで生活が変わるわけやあり
ません。傷ついた姉さんとお静さんは、その
矛先を相手に向けました。僕はうかつな事を
言わないように、何か言う前に、口に手をあ
てて考える癖がつきました。姉さんの料理を
褒めれば、お静さんの料理はまずいと言う
てる事になる。お静さんの料理を褒めれば、
姉さんたちの総攻撃が始まる。そんな中で、
僕にできる事は、何も表情に出さず、食べる
という事でした。そんな中で、僕がすがった
のは、安全な街を造るんだという志と、父へ
の憎しみでした。いつか立派になって、この
家を立て直して、見返してやるんやと・・・。
そうやって僕はずっと生きてきたんです。せ
やけど、あなたに会って、あなたの家族に出
会って、ゴールは少し違うんやないかって思
いだしたんです。こんな食卓が欲しい。こん
な家庭が欲しいと、思い始めました。それも
また、父を見返す一つの形やと考えたところ
もあります。相手の幸せを考えることが、愛
情やと言うならば、僕はあなたの手ぇを、離
すべきなんやと思います。それは何度も何
度も考えて・・・。せやけど、それをしないの
は、僕は、イヤだからです。あなたは僕が手
に入れたたった一つの宝物ですから。せや
から、他の人に取られやしないかと、いつも
ヒヤヒヤしています。私はこんな掃きだめに
いる人間ではないと、言い出しはしないかと
不安で・・・。くだらん・・・ホンマにくだらん人
間やと思います。
悠太郎） せやけど僕を・・・
僕を見捨てないでください。
め以子） 悠太郎さんって・・・バカだったのね。
私のこと、宝物だなんて思う人、他にいない
し。バカで子どもで、わかろうと思えば・・・
合図はいくらでも出てたのにね・・・。
私も、バカで・・・ごめんね。
一人にして・・・ごめんね。
室井） 元のさやだね～。
桜子） ホント、ごちそうさまって感じ。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
め以子） 源ちゃん。
源太） おう。
め以子） 一番いいお肉ちょうだい。
源太） あ？
め以子） 悠太郎さんが、
今日はビフテキにしようって。
源太） ホンマにいっちゃんええのにするからな。
め以子） うん！
悠太郎） せやけど、よう歌えたなあ、希子。
希子） ちい姉ちゃんのこと考えたら、歌えた。ちい姉
ちゃんの焼氷、食べてもらうんやあって思った
ら・・・。お兄ちゃんもいつか変わるよ。お父さん
のこと、許せる日ぃが来ると思う。
悠太郎） 生意気言うて。
希子） フフ。
そうだよね、希子ちゃん。
氷はいつか、溶けるもんね。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
希子） お姉ちゃん怒ってるよねえ、きっと。
め以子） 希子ちゃんは大丈夫でしょう。
悠太郎） あなたも意外に大丈夫かもしれませんよ。
め以子） 何で？
（戸が開く音）
静） おかえり～。よう帰ってきてくれたなあ。
め以子） あ、あのぅ・・・。
和枝） 蚊も出て来たさかい、はよ閉めて。
静） うんうん。せやせや。
はよ、はよ、入って。なっ！
悠太郎） ２人だけ残ったら、もう、殺し合わん勢い
でして。疲れ切ったんやと思います。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
静） うん。このお肉、ホンマ美味しいなあ。ウフフ。
め以子） 悠太郎さんが奮発してくれました。お代
わりあるのでどんどん食べて下さいね。
悠太郎） 希子の記念でもありますし。
静） ん？
め以子） あっ、希子ちゃん、お歌を歌ったんです。
もうそれがとっても上手で。
静） へえ～。
和枝） 芸人やあるまいし。はしたない。
希子） ごめんなさい。
め以子） あ・・・お姉さん、お口に合いませんか？
和枝） な～んも聞いてまへんさかいなあ。別れる
言うてはったんがいきなり戻ってきはって、
肉出されても、喉通りまへんわ。
め以子） あ・・・。
悠太郎 親父のことは、みんなの気持ちが揃うの
を待つって事に、話がつきました。僕も、姉
さんも、お静さんも。みんながその気にな
ったら、縁を復活させることも考える。そう
ならなくても、め以子も無理強いはしない。
自然に任せようってことで。
め以子） 時々、様子を見にいくってことで。
和枝） はぁ・・・。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
藤井） ない。ない・・・。ない！
大村） ぬか床か？ さっき、赤門の嫁はん来て持
って帰りよったで。
藤井） べにこ～！
トラですよ。
大村） べにこって、名前までつけとったんかいや。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
め以子） トマト～！ 悠太郎さん、結構やるなあ。
悠太郎さんじゃないからね。
藤井さんだからね。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
源太） め以子。
め以子） ん？
源太） うまいこといっとんのか？ 最近は。
め以子） あちらを立てればこちらが立たず。
でもまあ、気長にやるわよ。
そうそう、ぬか床だってね、
美味しくなるまで、時間がかかるんだから。
め以子） 氷はいつか、溶けるもの！ よいしょ。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
悠太郎の女々しいお話は、新しく驚愕するような事
があった訳でもなく、そうね、そうだね、そうだろね、
ってお話で。子供時代の悠太郎がなかなか凛々し
い顔をしていたとか、悠太郎の決めポーズの由来
が明かされたぐらいしか、感動ポイントはなくて・・・。
まあ、悠太郎の立場には深～く同情はするけれど。
（ちなみに悠太郎の子供時代を演じた織田龍之介
君は、梅ちゃん先生で、梅ちゃんが医者になるきっ
かけとなったあの男の子でした。さすがの目力！）
何にビックリしたって、悠太郎が「恋は盲目」状態だ
った事。まさか、そんなに惚れていたのか悠太郎！
いやはや、悠太郎ってば、バカだったのね～って。
宝物の定義は人それぞれだとして、め以子が取ら
れやしないかヒヤヒヤしてたって、そんなあなたに
ビックリだよ！ そんな人あなたしかいませんから！
とんだバカップルの痴話喧嘩でした～ってオチか。
（役者には萌えても、脚本にはやっぱり萎える・・・）
あなたは僕が手に入れた
たった一つの宝物ですから。
せやけど僕を・・・僕を見捨てないでください。
もうもうホントお腹いっぱい、ごちそうさんって感じ。
ホント、わかってた事だけど、始めにセリフありき
の脚本だよね。そこに行きつく過程は滅茶苦茶で
も、セリフよければ終わりよければヨシって感じ？
せめて、自分がやったイケズ（見合いをぶち壊し、
他人の店をわが物顔に乗っ取っている）も反省し
ようよ。他の男と仲良くしてほしくないって、男の
気持ちもわかってやって。ケツの穴がちっこいっ
て話じゃなくて、納豆同様、嫌だって気持ちに寄
り添おうよ。嫌だって気持ちを尊重しようよ、ね？
氷はいつか溶けるけど・・・溶けて消えたら、何も
かもなかった事にして、話は進むよどこまでも～
は何だかねえ。そういうキャラにしたがる神様の
せいなんだけど。（つまり、神様への文句ですｗ）
焼氷の歌もいいけれど、この際、め以子と悠太郎
のテーマソングも作ってほしくなってきた。お題は
もちろん「バカでごめんね」（爆）。互いのバカを告
白しあう、バカップルソングをデュエットで(*^。^*)
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～あなたは僕が手に入れたたった一つの宝物
悠太郎） ブランデーですか？
め以子） 火が消えたら、
メレンゲを潰してお召し上がりください。
悠太郎） コーヒーのシロップなんですね。
途中からは、梅シロップが加わって・・・。
め以子） 焼氷の話に来たの！？
悠太郎） 大きな声でする話やないんで。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
悠太郎） 僕が父を許せないのは・・・。僕も逃げ出し
たかったからです。仕事を辞めて戻ってきた
んも、お静さんを引かせてきたんも、みんな
僕たちのためやのに、よかれと思ってやった
事が、すべて、裏目裏目に出てしまう。そん
な父に、僕は同情してました。せやけど父は、
一言もなく姿を消しました。首でもくくるつも
りなのではないか。本気でそう思いました。
とにかく、みんなで手を尽くして捜して・・・。
せやけど、見つかった先は、別の女性の所
でした。愕然としましたよ。その事実に、姉さ
んとお静さんは怒り、罵り合い、希子は隅で
震えていました。
僕は言うしかありませんでした。
（回想）
悠太郎） 僕が！ この家を守る。
悠太郎） 僕がこの家を守る。これからは、あの人は
死んだと思ってやっていこうって。せやけど、
その気持ちだけで生活が変わるわけやあり
ません。傷ついた姉さんとお静さんは、その
矛先を相手に向けました。僕はうかつな事を
言わないように、何か言う前に、口に手をあ
てて考える癖がつきました。姉さんの料理を
褒めれば、お静さんの料理はまずいと言う
てる事になる。お静さんの料理を褒めれば、
姉さんたちの総攻撃が始まる。そんな中で、
僕にできる事は、何も表情に出さず、食べる
という事でした。そんな中で、僕がすがった
のは、安全な街を造るんだという志と、父へ
の憎しみでした。いつか立派になって、この
家を立て直して、見返してやるんやと・・・。
そうやって僕はずっと生きてきたんです。せ
やけど、あなたに会って、あなたの家族に出
会って、ゴールは少し違うんやないかって思
いだしたんです。こんな食卓が欲しい。こん
な家庭が欲しいと、思い始めました。それも
また、父を見返す一つの形やと考えたところ
もあります。相手の幸せを考えることが、愛
情やと言うならば、僕はあなたの手ぇを、離
すべきなんやと思います。それは何度も何
度も考えて・・・。せやけど、それをしないの
は、僕は、イヤだからです。あなたは僕が手
に入れたたった一つの宝物ですから。せや
から、他の人に取られやしないかと、いつも
ヒヤヒヤしています。私はこんな掃きだめに
いる人間ではないと、言い出しはしないかと
不安で・・・。くだらん・・・ホンマにくだらん人
間やと思います。
悠太郎） せやけど僕を・・・
僕を見捨てないでください。
め以子） 悠太郎さんって・・・バカだったのね。
私のこと、宝物だなんて思う人、他にいない
し。バカで子どもで、わかろうと思えば・・・
合図はいくらでも出てたのにね・・・。
私も、バカで・・・ごめんね。
一人にして・・・ごめんね。
室井） 元のさやだね～。
桜子） ホント、ごちそうさまって感じ。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
め以子） 源ちゃん。
源太） おう。
め以子） 一番いいお肉ちょうだい。
源太） あ？
め以子） 悠太郎さんが、
今日はビフテキにしようって。
源太） ホンマにいっちゃんええのにするからな。
め以子） うん！
悠太郎） せやけど、よう歌えたなあ、希子。
希子） ちい姉ちゃんのこと考えたら、歌えた。ちい姉
ちゃんの焼氷、食べてもらうんやあって思った
ら・・・。お兄ちゃんもいつか変わるよ。お父さん
のこと、許せる日ぃが来ると思う。
悠太郎） 生意気言うて。
希子） フフ。
そうだよね、希子ちゃん。
氷はいつか、溶けるもんね。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
希子） お姉ちゃん怒ってるよねえ、きっと。
め以子） 希子ちゃんは大丈夫でしょう。
悠太郎） あなたも意外に大丈夫かもしれませんよ。
め以子） 何で？
（戸が開く音）
静） おかえり～。よう帰ってきてくれたなあ。
め以子） あ、あのぅ・・・。
和枝） 蚊も出て来たさかい、はよ閉めて。
静） うんうん。せやせや。
はよ、はよ、入って。なっ！
悠太郎） ２人だけ残ったら、もう、殺し合わん勢い
でして。疲れ切ったんやと思います。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
静） うん。このお肉、ホンマ美味しいなあ。ウフフ。
め以子） 悠太郎さんが奮発してくれました。お代
わりあるのでどんどん食べて下さいね。
悠太郎） 希子の記念でもありますし。
静） ん？
め以子） あっ、希子ちゃん、お歌を歌ったんです。
もうそれがとっても上手で。
静） へえ～。
和枝） 芸人やあるまいし。はしたない。
希子） ごめんなさい。
め以子） あ・・・お姉さん、お口に合いませんか？
和枝） な～んも聞いてまへんさかいなあ。別れる
言うてはったんがいきなり戻ってきはって、
肉出されても、喉通りまへんわ。
め以子） あ・・・。
悠太郎 親父のことは、みんなの気持ちが揃うの
を待つって事に、話がつきました。僕も、姉
さんも、お静さんも。みんながその気にな
ったら、縁を復活させることも考える。そう
ならなくても、め以子も無理強いはしない。
自然に任せようってことで。
め以子） 時々、様子を見にいくってことで。
和枝） はぁ・・・。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
藤井） ない。ない・・・。ない！
大村） ぬか床か？ さっき、赤門の嫁はん来て持
って帰りよったで。
藤井） べにこ～！
トラですよ。
大村） べにこって、名前までつけとったんかいや。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
め以子） トマト～！ 悠太郎さん、結構やるなあ。
悠太郎さんじゃないからね。
藤井さんだからね。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
源太） め以子。
め以子） ん？
源太） うまいこといっとんのか？ 最近は。
め以子） あちらを立てればこちらが立たず。
でもまあ、気長にやるわよ。
そうそう、ぬか床だってね、
美味しくなるまで、時間がかかるんだから。
め以子） 氷はいつか、溶けるもの！ よいしょ。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
悠太郎の女々しいお話は、新しく驚愕するような事
があった訳でもなく、そうね、そうだね、そうだろね、
ってお話で。子供時代の悠太郎がなかなか凛々し
い顔をしていたとか、悠太郎の決めポーズの由来
が明かされたぐらいしか、感動ポイントはなくて・・・。
まあ、悠太郎の立場には深～く同情はするけれど。
（ちなみに悠太郎の子供時代を演じた織田龍之介
君は、梅ちゃん先生で、梅ちゃんが医者になるきっ
かけとなったあの男の子でした。さすがの目力！）
何にビックリしたって、悠太郎が「恋は盲目」状態だ
った事。まさか、そんなに惚れていたのか悠太郎！
いやはや、悠太郎ってば、バカだったのね～って。
宝物の定義は人それぞれだとして、め以子が取ら
れやしないかヒヤヒヤしてたって、そんなあなたに
ビックリだよ！ そんな人あなたしかいませんから！
とんだバカップルの痴話喧嘩でした～ってオチか。
（役者には萌えても、脚本にはやっぱり萎える・・・）
あなたは僕が手に入れた
たった一つの宝物ですから。
せやけど僕を・・・僕を見捨てないでください。
もうもうホントお腹いっぱい、ごちそうさんって感じ。
ホント、わかってた事だけど、始めにセリフありき
の脚本だよね。そこに行きつく過程は滅茶苦茶で
も、セリフよければ終わりよければヨシって感じ？
せめて、自分がやったイケズ（見合いをぶち壊し、
他人の店をわが物顔に乗っ取っている）も反省し
ようよ。他の男と仲良くしてほしくないって、男の
気持ちもわかってやって。ケツの穴がちっこいっ
て話じゃなくて、納豆同様、嫌だって気持ちに寄
り添おうよ。嫌だって気持ちを尊重しようよ、ね？
氷はいつか溶けるけど・・・溶けて消えたら、何も
かもなかった事にして、話は進むよどこまでも～
は何だかねえ。そういうキャラにしたがる神様の
せいなんだけど。（つまり、神様への文句ですｗ）
焼氷の歌もいいけれど、この際、め以子と悠太郎
のテーマソングも作ってほしくなってきた。お題は
もちろん「バカでごめんね」（爆）。互いのバカを告
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