ごちそうさん 第41回
「たいした始末」
～魚島、「腐っても鯛」が喋った！
それが、島みたいに見えるから、「魚島」いいます
ねん。
め以子） ・・・はい。
和枝） 綺麗な鯛が安うあがってきましてなあ。その時期
に鯛を、親戚やお世話になってる方に配って歩く
習慣がありましてな。「魚島時のご挨拶」いいます。
め以子） はあ・・・。
和枝） その手配を、お願いできまっか？
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
悠太郎） 鯛32匹を15円で？
め以子） お姉さんに、そう頼まれて・・・。
悠太郎） そら、いくらなんでも無理やないですか？
無理しないでほっといたらどうですか？ あなたが
やらんかったら、姉さんが自分でやるでしょうし。
め以子） そう・・・よねえ。
悠太郎） あなたは、姉さんが言う祝言のしきたりって、
どう思ってます？ 信じてますか？
め以子） 信じて・・・ない。
けど、嘘だからって無理やり祝言挙げたところで、
お姉さんの許しがないかぎりは、西門の親戚とか
来てくれないだろうし。そんなの見たら、お父ちゃ
んだって、カンカンだろうし。私に対する風当たり
だって、強くなるだけだろうし。結局は、お姉さん
に認めてもらわないかぎり、何も変わらないのよ。
やるしか・・・ないのよ。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
め以子） 忙しいんですか？
銀次） 魚島時、始まっとるさかい。
め以子） あ、じゃあ、じゃあ、私働きます。
銀次） ああ？
め以子） 新鮮な魚、いかがですか～？
銀次） 声がちっこい。
こうしてめ以子の、
大忙しの日々が始まったのです。
め以子） いかがですか？ 新鮮な魚～！
銀次） 小さい！
め以子） いかがですか～～！ カツオに太刀魚！
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
銀次） どっちが新鮮かわかるか？ エラを見んねん。
あとは目ぇや。
め以子） あっ、あの、頭要らないなら・・・。
銀次） 先仕事！ 出前、行って！
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
め以子） ありがとうございました！
和枝） ちょ、ちょ、ちょ、ちょ、ちょ・・・。
め以子） どうも。
和枝） あんさん、何してはんの？
め以子） あ・・・魚屋さんをお手伝いしてて。
和枝） 手伝うってあんさん、西門のもんがそんなん・・・。
め以子） え・・・？ 今、西門のもんって・・・。
和枝） ・・・いうても、おなごしかて、内々のもんやさかい。
倉田） 和枝ちゃん。
和枝） あ・・・。
倉田） ちょうど、皆と一緒や。知り合いか？
和枝） いえ、何でもあらしまへん。
め以子） 失礼します。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
悠太郎） お代わり・・・。
ごめんな。苦労ばっかりで。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
め以子） こっちの方が新鮮。
源太） はっ？
銀次） おお、ようわかったな。
め以子） だんだんわかるようになってきました。
銀次） 何や、褒めたってんのに。
め以子） わかると、ちょっと辛いとこないですか？
どの子も、好きで古くなってる訳じゃないんだし。
銀次） せやからな、
できるだけ早う、おいしう食べてやらなあかんねん。
め以子） そうですね。
銀次） うろこ取って！
め以子） はい。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
こうしてめ以子が、
少～し魚のことがわかるようになった頃。
め以子） 明日の８時には、鯛持ってきますんで。
和枝） １５円でできたん？
め以子） 一応・・・。
和枝） ふ～ん。
め以子） それまでに、
魚箱を蔵から出しておけばいいんですよね？
和枝） あんさんもきちんとしてな。
め以子） うん？
和枝） あんさんも、わてと一緒に回るんやで。
め以子） えっ？
和枝） ええ機会だす。
親戚に紹介回ったるさかい。一張羅で頼んますで。
わて昔、嫁ぎ先でおんなじような事姑に頼まれまし
てな、わては、渡された銭では、工面でけませんで
した。あんさんみたいに、働いてでも工面するのが、
正解やったのかもしれまへんなあ。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
悠太郎） 嫁ぎ先の話をしたんですか？
め以子） えっ、珍しいの？
悠太郎） はい。かなり。
め以子） 少しは、認めてくれたのかな？
その、少～しだと、思うんだけど。
悠太郎） だといいですね。
め以子） うん。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
め以子） あっ、お姉さん、鯛来たんで、見て頂けますか？
え・・・その恰好で行かれるんですか？
和枝） ごめんなぁ。急な葬式が入ってもうてなぁ。
行かんとあかんようになりましたんや。
め以子） え・・・じゃあ、ご挨拶は？
和枝） 悪いけど、お願いできまっか？
め以子） 私一人でですか？
和枝） 戻ったら、わても一緒にやりますさかい。鯛、悪な
るさかい、あんさん、行ける所から行っといておくれ
やす。頼んましたで。
め以子） はい！
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
め以子） 私の顔、わからないからかなあ？
女性） あの・・・西門さんとこのお嫁さん？
め以子） あ・・・はい。
女性） あの・・・どこ行かはっても同じやと思いますわ。
め以子） え？
女性） 昨日、西門さんとこの和枝さんからいうて、魚屋さ
んから鯛が届いて。この文がついてたみたいです。
（和枝からの文）
悠太郎の連れ帰った東京のおなごが、私の言う事を
聞かず、一人前の嫁として、自ら魚島時のご挨拶を
やると言い出しました。気ぃの強い嫁で、私の手に負
えまへん。いくら一緒にやろう言うても聞きまへん。
ご挨拶も済んでおりませんのに、そちら様に突然伺
う事もあるかもしれません。とどめる力のない私を、
お許しくださいませ。
相変わらず、大層なイケズだねえ。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
静） お帰り～。ご苦労さん。まあまあ、見て、これ。
立派やな。きれいわ～。フフ。
め以子） （鯛が） 増えてる・・・。
静） みんなお返しの鯛やって持ってきはってなぁ。
あれ？ 鯛、受け取ってもらえんかったん？
またやられたんか！ そやから言うたやろ？
まともに取り合うても無駄やって。
どないすんの？ この鯛。40匹はありそう。
め以子） 知りませんっ！ 知りません！ お姉さんが
やったんだからお姉さんに聞いてください！
静） でもこの鯛・・・。
め以子） だったら、お静さんが考えてください！
もういつもいつも私ばっかり！ もう！
静） 大丈夫？
鯛の声） 腐るん？
め以子） えっ？
鯛の声） 「腐っても鯛」いいますねんけど。
わてら、腐ってまうん？
ホンマに？
何でぇなあ。
瀬戸内の海に卵産みん寄ったのにぃ？
せめて綺麗に食べてもらわんと。
め以子） ええっ！？
鯛の声） おいしう食べてくれはらしまへんのかいなあ。
どうせやったら骨までしゃぶってや。
ホンマや。
ホンマやな。
骨までしゃぶってもらわんと。
静） どないしたん？
め以子） もう！ もう！ もう～～～～っ！！
静） ・・・きてもうたんちゃうかあ？
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
ため息ばっかり！（ｂｙ クルム伊達公子） ・・・じゃなくて、
もうもうもう！ 私ばっかり！ 文句ばっかり～～っ！！！
な、め以子には、こちらもいい加減うんざりなんですが。
（「でもでもだって」を言わなければ同情できるのに・・・）
もうもうもう！な気持ちはわかるんだけど、どうして静さん
には、義母に対しては、あれだけ強い態度になれるのか。
私ばっかりと言われても、悠太郎も静さんも、やらなくて
いい、ほっとけばいいって、言ってくれてるんだけどなあ。
和枝のイケズが酷すぎるのは言うまでもないけれど、い
い加減食べ物をもて遊ぶネタはやめてほしい（ため息）。
それにしても、フリーダムな嫁だ。勝手に余所で働いて
きていいんだね。肥えくみもそうだけど、働いてもいいの
なら、働いちゃえば家計の問題は簡単な話だと思うけど。
大正時代って、こんなにフリーダムな時代だったっけ？
と、小言はここまで。今日は笑えたからいいかって・・・。
納豆妖怪といい、妙な笑いでしか楽しめないドラマにな
ってきてるような。ま、イケズより笑えた方がマシだし♪
鯛が、鯛がしゃべった～！！！ しかもボヤいてる（爆）
さすが、食欲魔人。食い意地妖怪め以子には、鯛の声
が聞こえるらしく。人の気持ちはわからなくても、食べ
物の気持ちはわかるめ以子、っていう設定なのか？ｗ
好きで腐っいくわけじゃない鯛の気持ちを思って、頑張
るのよね、きっと。食べ物をほっておけるはずないし～。
骨までしゃぶってあげたら、また鯛の声が聞こえるの
か？ どんな声が聞けるのか・・・一応、期待しましょう。
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～魚島、「腐っても鯛」が喋った！
和枝） あんさん、魚島って知ってまっか？
め以子） 魚島？
和枝） 鯛がな、卵を産みに一斉に寄ってきますのや。それが、島みたいに見えるから、「魚島」いいます
ねん。
め以子） ・・・はい。
和枝） 綺麗な鯛が安うあがってきましてなあ。その時期
に鯛を、親戚やお世話になってる方に配って歩く
習慣がありましてな。「魚島時のご挨拶」いいます。
め以子） はあ・・・。
和枝） その手配を、お願いできまっか？
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
悠太郎） 鯛32匹を15円で？
め以子） お姉さんに、そう頼まれて・・・。
悠太郎） そら、いくらなんでも無理やないですか？
無理しないでほっといたらどうですか？ あなたが
やらんかったら、姉さんが自分でやるでしょうし。
め以子） そう・・・よねえ。
悠太郎） あなたは、姉さんが言う祝言のしきたりって、
どう思ってます？ 信じてますか？
め以子） 信じて・・・ない。
けど、嘘だからって無理やり祝言挙げたところで、
お姉さんの許しがないかぎりは、西門の親戚とか
来てくれないだろうし。そんなの見たら、お父ちゃ
んだって、カンカンだろうし。私に対する風当たり
だって、強くなるだけだろうし。結局は、お姉さん
に認めてもらわないかぎり、何も変わらないのよ。
やるしか・・・ないのよ。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
め以子） 忙しいんですか？
銀次） 魚島時、始まっとるさかい。
め以子） あ、じゃあ、じゃあ、私働きます。
銀次） ああ？
め以子） 新鮮な魚、いかがですか～？
銀次） 声がちっこい。
こうしてめ以子の、
大忙しの日々が始まったのです。
め以子） いかがですか？ 新鮮な魚～！
銀次） 小さい！
め以子） いかがですか～～！ カツオに太刀魚！
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
銀次） どっちが新鮮かわかるか？ エラを見んねん。
あとは目ぇや。
め以子） あっ、あの、頭要らないなら・・・。
銀次） 先仕事！ 出前、行って！
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
め以子） ありがとうございました！
和枝） ちょ、ちょ、ちょ、ちょ、ちょ・・・。
め以子） どうも。
和枝） あんさん、何してはんの？
め以子） あ・・・魚屋さんをお手伝いしてて。
和枝） 手伝うってあんさん、西門のもんがそんなん・・・。
め以子） え・・・？ 今、西門のもんって・・・。
和枝） ・・・いうても、おなごしかて、内々のもんやさかい。
倉田） 和枝ちゃん。
和枝） あ・・・。
倉田） ちょうど、皆と一緒や。知り合いか？
和枝） いえ、何でもあらしまへん。
め以子） 失礼します。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
悠太郎） お代わり・・・。
ごめんな。苦労ばっかりで。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
め以子） こっちの方が新鮮。
源太） はっ？
銀次） おお、ようわかったな。
め以子） だんだんわかるようになってきました。
銀次） 何や、褒めたってんのに。
め以子） わかると、ちょっと辛いとこないですか？
どの子も、好きで古くなってる訳じゃないんだし。
銀次） せやからな、
できるだけ早う、おいしう食べてやらなあかんねん。
め以子） そうですね。
銀次） うろこ取って！
め以子） はい。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
こうしてめ以子が、
少～し魚のことがわかるようになった頃。
め以子） 明日の８時には、鯛持ってきますんで。
和枝） １５円でできたん？
め以子） 一応・・・。
和枝） ふ～ん。
め以子） それまでに、
魚箱を蔵から出しておけばいいんですよね？
和枝） あんさんもきちんとしてな。
め以子） うん？
和枝） あんさんも、わてと一緒に回るんやで。
め以子） えっ？
和枝） ええ機会だす。
親戚に紹介回ったるさかい。一張羅で頼んますで。
わて昔、嫁ぎ先でおんなじような事姑に頼まれまし
てな、わては、渡された銭では、工面でけませんで
した。あんさんみたいに、働いてでも工面するのが、
正解やったのかもしれまへんなあ。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
悠太郎） 嫁ぎ先の話をしたんですか？
め以子） えっ、珍しいの？
悠太郎） はい。かなり。
め以子） 少しは、認めてくれたのかな？
その、少～しだと、思うんだけど。
悠太郎） だといいですね。
め以子） うん。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
め以子） あっ、お姉さん、鯛来たんで、見て頂けますか？
え・・・その恰好で行かれるんですか？
和枝） ごめんなぁ。急な葬式が入ってもうてなぁ。
行かんとあかんようになりましたんや。
め以子） え・・・じゃあ、ご挨拶は？
和枝） 悪いけど、お願いできまっか？
め以子） 私一人でですか？
和枝） 戻ったら、わても一緒にやりますさかい。鯛、悪な
るさかい、あんさん、行ける所から行っといておくれ
やす。頼んましたで。
め以子） はい！
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
め以子） 私の顔、わからないからかなあ？
女性） あの・・・西門さんとこのお嫁さん？
め以子） あ・・・はい。
女性） あの・・・どこ行かはっても同じやと思いますわ。
め以子） え？
女性） 昨日、西門さんとこの和枝さんからいうて、魚屋さ
んから鯛が届いて。この文がついてたみたいです。
（和枝からの文）
悠太郎の連れ帰った東京のおなごが、私の言う事を
聞かず、一人前の嫁として、自ら魚島時のご挨拶を
やると言い出しました。気ぃの強い嫁で、私の手に負
えまへん。いくら一緒にやろう言うても聞きまへん。
ご挨拶も済んでおりませんのに、そちら様に突然伺
う事もあるかもしれません。とどめる力のない私を、
お許しくださいませ。
相変わらず、大層なイケズだねえ。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
静） お帰り～。ご苦労さん。まあまあ、見て、これ。
立派やな。きれいわ～。フフ。
め以子） （鯛が） 増えてる・・・。
静） みんなお返しの鯛やって持ってきはってなぁ。
あれ？ 鯛、受け取ってもらえんかったん？
またやられたんか！ そやから言うたやろ？
まともに取り合うても無駄やって。
どないすんの？ この鯛。40匹はありそう。
め以子） 知りませんっ！ 知りません！ お姉さんが
やったんだからお姉さんに聞いてください！
静） でもこの鯛・・・。
め以子） だったら、お静さんが考えてください！
もういつもいつも私ばっかり！ もう！
静） 大丈夫？
鯛の声） 腐るん？
め以子） えっ？
鯛の声） 「腐っても鯛」いいますねんけど。
わてら、腐ってまうん？
ホンマに？
何でぇなあ。
瀬戸内の海に卵産みん寄ったのにぃ？
せめて綺麗に食べてもらわんと。
め以子） ええっ！？
鯛の声） おいしう食べてくれはらしまへんのかいなあ。
どうせやったら骨までしゃぶってや。
ホンマや。
ホンマやな。
骨までしゃぶってもらわんと。
静） どないしたん？
め以子） もう！ もう！ もう～～～～っ！！
静） ・・・きてもうたんちゃうかあ？
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
ため息ばっかり！（ｂｙ クルム伊達公子） ・・・じゃなくて、
もうもうもう！ 私ばっかり！ 文句ばっかり～～っ！！！
な、め以子には、こちらもいい加減うんざりなんですが。
（「でもでもだって」を言わなければ同情できるのに・・・）
もうもうもう！な気持ちはわかるんだけど、どうして静さん
には、義母に対しては、あれだけ強い態度になれるのか。
私ばっかりと言われても、悠太郎も静さんも、やらなくて
いい、ほっとけばいいって、言ってくれてるんだけどなあ。
和枝のイケズが酷すぎるのは言うまでもないけれど、い
い加減食べ物をもて遊ぶネタはやめてほしい（ため息）。
それにしても、フリーダムな嫁だ。勝手に余所で働いて
きていいんだね。肥えくみもそうだけど、働いてもいいの
なら、働いちゃえば家計の問題は簡単な話だと思うけど。
大正時代って、こんなにフリーダムな時代だったっけ？
と、小言はここまで。今日は笑えたからいいかって・・・。
納豆妖怪といい、妙な笑いでしか楽しめないドラマにな
ってきてるような。ま、イケズより笑えた方がマシだし♪
鯛が、鯛がしゃべった～！！！ しかもボヤいてる（爆）
さすが、食欲魔人。食い意地妖怪め以子には、鯛の声
が聞こえるらしく。人の気持ちはわからなくても、食べ
物の気持ちはわかるめ以子、っていう設定なのか？ｗ
好きで腐っいくわけじゃない鯛の気持ちを思って、頑張
るのよね、きっと。食べ物をほっておけるはずないし～。
骨までしゃぶってあげたら、また鯛の声が聞こえるの
か？ どんな声が聞けるのか・・・一応、期待しましょう。
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