息子は13番目の染色体が3本ある
13トリソミー症候群(パトウ症候群)です。
出産前の検査では何も指摘されず
生まれてやっと見つかりました。
色々あって完全寝たきりとなり
気管切開をして人工呼吸器を使っています。
2024年現在支援学校の小学一年生。
こちらでは息子と両親(主に母)のこれまで
心の揺れ動きなどを思い出しながら
書いていっています。
出産当日、私が見たのは息子の細い腕と夫が撮影した画像のみ。
息子は13トリソミーかもしれない。病院にいては何もすることもない、私はスマホで「13トリソミー」を検索した。
夫の言う通り、13トリソミーについて良いことは書いていませんでした。
とても多くの奇形が見られること、脳や心臓などの内臓の疾患、知的にも身体的にも障害があること。何より苦しかったのは、予後が大変悪いこと。多くは生まれる前に亡くなってしまうか、生まれたとしても寿命は短い。
私の友人たちは結婚して当たり前のように子どもを産んで、幸せそうにしている。
年賀状ではいつもその様子を見ていたし、私も3人きょうだいだから、賑やかな家庭に憧れがありました。
でも、私はすでに絶望のふちにいて、幸せな出産報告もできない。
血迷った私は友人たちに一方的に病みLINEを送ることにした
昨日、緊急帝王切開をして男の子が生まれました。
子どもはそのままヘリコプターで運ばれて〇〇病院にいます。
子どもはもしかすると死んでしまうかもしれなくて、私はみんなと同じような生活を送ることができないと思います。
ウンタラ、カンタラ…
めんどくさい!
そう、内容ははっきり覚えていないものも感情のまま、猛烈に面倒臭いメッセージを送ってしまった。
しかも、グループLINEに…。
今の私だったら、そんなことはしない!
で、あの時の私はもう普通じゃなかったです。
その薄暗い重いメッセージに対してみんな優しく返信してくれる。
その優しい言葉にすら、まともに頭に届きませんでした。
私の送った文言は事実上の「絶縁宣言」のようなものでした。
しばらくしてから、会社の上司(男性)がお祝いを持ってお見舞いに来てくれました。
その時、産休中で出産後にスピード復帰をするつもりでしたので、出産の報告と簡単な状況説明だけはしていました。
上司「おめでとう。大変だったね…。」
私「ありがとうございます。どうなるか分からなくて、(復帰の時期など)はっきり言えなくて、すみません。」
上司「いいよ。いいよ。気にしないで。」
「時間はあるから。きっと大丈夫だよ!」
上司があまりにもあっさりさっぱりサラリと「大丈夫」と言い切ったので、何も分かってないと思いながらも、私は。
「そうですね…。ありがとうございます。」と返事をしました。
丸一日が経って尿の管を抜いてもらって私は自由の身になりました。
顔も気持ち悪いし、頭も気持ち悪い。他の部屋からは赤ちゃんの泣き声が聞こえる。みんな生まれた我が子を抱っこして、授乳をしたり、オムツ替えをしているのだろう。
ただじっと寝ている自分が悔しくて、縫合部の痛みを堪えながら私は立ち上がり洗面所に向かい顔を洗った。
ベッドに戻ろうとしていると、ちょうど看護師が入ってきて歩く私を見て驚いていた。
看護師「もう歩いてるの⁉︎」
私「落ち着かないんで。」
何を話そうとしても泣きそうになる。
自然と顔から表情が消えていった気がする。
その日の夜。夫が命名用紙を買ってきました。
ベッド脇にある決して広くはないテーブルで、上手くはない毛筆でゆっくり丁寧に息子の名前と、私たち夫婦の名前を書いていました。
二人とも息子に関わる行事をこなすことで、生まれた実感を得たかった、そしてそうすることで生き延びてくれるかもしれないという思いがあったと思います。
ノート2ページ目 担当看護師さんより
心拍数が多く不整脈が頻発しています。しばらくは余談を許さない状況だと思いますが、必死にがんばってくれているので、お父さんとお母さん、赤ちゃんの力を信じて応援しましょう。
お薬を使っているので反応が薄いですが、お父さん、お母さんの声は届いていると思います。やさしく声をかけてしっかりとホールディングしてあげて下さい。パワーが伝わると思います。
必要であれば先生からの説明をおじいちゃんおばあちゃんにもできますので、御希望の時は教えて下さい。調整致します。
急変の可能性もありますので、いつでも面会できるように準備をお願い致します。
お父さんお母さんのお気持ちに添えるように努めますので分からない事やもう一度聞きたい事などがありましたらスタッフにお伝えください。
このノートはきすけくんの様子や成長を記録し、御両親やスタッフのコメント等、自由に記していくものです。時間がある時にペンをとっていただけると嬉しいです。
〇〇
もう、本当に友だちに対して最悪なLINE。
年賀状のやり取りなどはありますが、その後は昔のように付き合えてないのは言うまでもありません。
自分の蒔いた種ですので後悔はしていません。
「あんな事しなけりゃよかった」
今だから言えると思うので…。でも、もしも同じような気持ちの人がいるのであれば
- 無理に連絡しない
- 辛いなら辛いと正直に話す
長々となってしまいました。
今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました!
最初の一話
夫の愚行記録
職場に持っていくアイスコーヒー用のコーヒーが欲しいらしい。
麦茶飲んどけー!と言いたいけれど、馬車馬のごとく働いてもらうため…。
私も飲むしいいか⁉︎