以前、「篠笛の基礎知識」をリクエストくださった方が、その後、「篠笛の数字譜について知りたい」と再びリクエストくださったので、第二弾「篠笛数字譜の基礎知識」をやってみたいと思います![]()
数字譜に関しては、正直私もあまり詳しいわけではなく、今年になってようやく教室レッスンで使うようになったところなので、手元にある資料やネットを調べまくりながら、何とか形にしていきました。
あくまでも、そうした「俄か者」が書いたものとして、読み流していただければと存じます。
前回と同じく、篠笛をやっていない方向けに書いていますので、具体的・実践的な事柄はなるべく割愛でいかせていただきます。
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まずは、篠笛の音域について。
八本調子(C)の音域で、五線譜に表してみた。
音符の下の数字は、篠笛の音名表記。篠笛の楽譜は、ドレミではなく、音の高さと運指を数字で表している。
このあたりは、「篠笛の基礎知識」をご参照ください。
篠笛で出せる音域は、この範囲。
七本調子、六本調子と調子が下がるごとに、半音ずつ音域が下がり、
九本調子、十本調子と調子が上がるごとに、半音ずつ音域が上がる。
半音は、指孔を半分閉じる、メリ・カリで音を出す。
「二カ」よりは「三メ」と「メ」を付けて表記する事のほうが多いかと思う。
三(ミ)の運指で二(レ)の指孔を半分閉じると、三の音が半音低くなり「三メ」(♭ミ)になる。
メリは、顎を下げて息の角度を下げ、音程を下げること。
カリは、顎を上げて息の角度を上げ、音程を上げること。
指孔の半分閉じ、顎の上下の両方を活用しながら、上手く微調整してピッチの合う音を探していく。
「七メ」と「0」の違いは、同じ音を吹くが指使いが違う。
「七メ」は、篠笛らしい儚げな音を表現するとき。
「0」は、はっきりと大きな音で表現するとき。
または、曲の流れにより押さえやすい方の運指を使う。
(今回も運指の説明は割愛)
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それでは、本題に。
◆篠笛数字譜とは
現在使用されている篠笛の数字譜は、大正末期に長唄囃子の五代目福原百之助氏により考案され、六代目福原百之助氏が改良を加えたもの。
数字譜と五線譜の音符・記号の対比図を作ってみた。
ちょっと見づらくなってしまったが![]()
左が数字譜、右が五線譜の表記。
・音名を漢数字・アラビア数字で表記。
・数字ひとつが4分音符ひとつ。 音を何拍伸ばすかを、図のような線で表す。 4拍以上の長さに伸ばすときは、1拍ごとに「Z」のギザギザを1本ずつ増やしていく。(雷マークのようになる)
・▼ひとつが4分休符ひとつ。 ▼の数で、何拍休むかを表記する。
・『』は、その間を繰り返す。
・数字の横に書く縦線・斜め線で、4分音符を8分音符、16分音符などと区切っていく。
・縦線の右の小さな数字は、3連符、5連符等の表記。
※休符や音を伸ばす記号は、教本などにより表記のしかたが違う場合もある。
では、私の自作曲『疾風!!』の楽譜(一部抜粋)で、数字譜と五線譜を見比べていただきましょう。
馴染みやすいように、五線譜を先に、数字譜を後に書きました。
上の対比図を参考に、見比べてみてください。
●数字譜を使って篠笛を吹く
・だいたい、一行を一呼吸で吹くように書かれている。
・何分の何拍子という表示も、小節分けもない。
・曲の頭から始まらない(4拍目から始まる)曲などは、見ただけでは分かりづらい。
・民謡や無拍子の曲のように、吹き手の感覚で自由に音を伸ばしたりする曲は、数字譜のほうが吹きやすい気がする。(あくまでも主観ですが)
●五線譜を使って篠笛を吹く
・拍子を取りやすい。リズムに乗りやすい。
・ポップスや洋楽器と合わせる曲などの場合、理解を深めやすい。
・民謡などは、楽譜どおりに吹くと、ぎこちない感じになる。(あくまでも主観ですが)
以上のような長所・短所を補うため、数字譜と五線譜を曲により使い分ける、両方を使う、などするのが良いと思う。
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「篠笛らしさ」というものを求めるとき、やはり数字譜を用いて演奏するのが良いのかなと思ったりもする、今日この頃。
ゆったりと落ち着いた心で笛と向き合い、魂を重ね、呼吸を合わせ、静かに息を吹き込み、音色を生み出していく。
悠久の時の流れ、自然、宇宙とも一体となる感覚──
そんな風に心を静めてくれる余白を、数字譜からは感じられるのです。
「心を楽にしてくれる音」
自分が求める「篠笛の音」とは、そういう類のものかもしれない、と感じている私であります![]()
≪参考にさせていただきました文献≫
・鯉沼廣行編著 「しの笛 一」(邦声堂)
最後に、、、
リクエストいただいてから、早や何ヶ月が経ったでしょうか…![]()
大変遅くなってしまいましたが、少しでもご理解が深まりましたら幸いでございます![]()




