「いいねそこ。何てお店?」私
「『ふうり』って名前」拓実君
「ふーん、いい名だね、よし」私は母と姉にも伝えようと思いまずは母に声掛けた。
「お母さん、明日の飲み会の場所なんだけど拓実君がいいとこ見つけてくれたわ」私
「そう、ホテルから近いの?」
「近い近い、すぐよ。お料理のメニューはこれ見てね」私は拓実君のスマホ渡してそのまま姉のところに。
「姉さん、明日の飲食場所いいとこ見つかったわ」私
「ふーん、ホテルから近いの?」姉。お母さんと同じこと訊くな。
「えっと、ちょっと待ってね」私は自分のスマホ取り出して『札幌 ふうり』マップで検索して出した。「ホテルがここで飲み屋がここ。距離にして500mくらい。近いでしょ?」私
「で、料金は?」姉
「2時間飲み放題付きで2,980円」私
「やっぱ東京よか安いんだ」裕輔さん
「料理とか見せて」と言ってきたのでメニュー出して見せる。
「ふ-ん、サラダとか多いね、へぇ、オムレツとか揚げ出し豆腐もあるしアイスもある、いいね、ここ」姉
「まだ即答しないけど、ここにしよっか?その前に下調べしないとね」私
「そうね、場所はきちんと確認しとかないとね」姉
「ま、そういうことで。ひょっとしたらここ出るのも早くなるかもね」私
「いや、せっかくあんた出してくれた入園料だもの、無駄にはできない」姉。わかってるよ、姉さんだって高速代出してもらった
んだから。わたし以上にかかってるはず。ゴメンね、姉さん。
「わかりました。後はまたレッサーパンダでゆっくり過ごしましょう。出るのはお昼で」私。そう言って母のところに帰る。
「あ、翔子」母
「ん、何?」私
「ここいいお店だと思うんだけど、流石に6人はちょっと無理なんじゃないかしら?」母
「ちょっと待ってね」スマホで急いで6人掛けのテーブル探す。あった!
「お母さん、見て!大丈夫、このお店6人でも座れる席ある!」私
「翔子も凄いね、驚いたわ。あの子との飲食、待ち望んでるのね」母
「そうかもしれないしそうじゃないかもしれない。余計なことは黙っとくけど、裕美さんに会いたいのは偽りない気持ち」私
「俺よりも会いたいか?」拓実君
「拓実君とはもうほとんど毎日会ってる。だから関係ない。裕美さんには会うの久しぶりだから嬉しいって思う、それだけのことよ」私
「そういうもんか、あん人とも夏休み入ってから見たの1回切りだったしな。逆にお前とはほとんど会ってるな、松本以外は」拓実君
「そういうこと。拓実君とはもう切っても切れない仲だね。今だっていてくれるの最高に幸せだし。昨日の『ぴよぴよ』嬉しかっ
たぁ」私
「おぅ、そう言ってくれたら俺も言うことないわ、お前と北海道来れて良かった、そんだけ」拓実君。もうこれ以上はいい、また彼との繰り返しになる。私だって書きたくないし彼だってウンザリだろう。話題変えないと。
「いいわね、あなたたち。どこにいても仲がいい。比翼連理のお手本だね」母。『ひよくれんり』ってどんな意味なんだろう?わからないけど多分私たちのこと褒めた言葉なんだろう。
2022年11月8日の皆既月食写真
