宝箱のオルゴール♪♪♪
やぁピグミャンだよ
今日ね
ピグミャンバックダンサーチームPの1人HITOMIちゃんから
バナナくんをもらったよ
さっそくいただきま・・・
あれっ・・・
皮がむけないぞ・・・
ん・・・
あ~っ
バナナの形をしたオルゴールくんだったぁ~
ネジを巻き巻き・・・
わぁ~綺麗な音色~癒されるなぁ~
HITOMIちゃんありがとう~
オルゴールの綺麗な音色に耳を傾けていると・・・
あの日の事が昨日のことのように思い出されます・・・
そう・・
あれはピグミャンが中学生だった頃・・
ピグミャンは学校帰りに、坂道を登ったところの
骨董品屋さんに寄り道をするのが大好きでした
その骨董品屋さんはおじいさんがたった一人でやっていて
何やら妖しい仮面や・・・
何百年も前に作られたと思われる時計や・・・
何が入ってるか分からない不思議な箱など・・・
世界各地の珍しいものがい~っぱい
お客さんはほとんど来てないみたいだけど
行くたびに新しい骨董品が増えていて
ピグミャンはそれをチェックするのが楽しみで仕方ありませんでした
ピグミャンおじいさん今日は何か新しいもの入った
おじいさん今日はこんな物が入ったよ
おじいさんが見せてくれたのは宝箱の形をしたオルゴール
金色のネジを回すと美しい音色が聴こえてきます
ピグミャン素敵な音色・・・なんだか・・・涙が出そう・・・
おじいさん気に入ったかい
ピグミャンうんこんな素晴らしい音色は初めてだよ
ピグミャンこれから毎日聴きに来るよ
おじいさん(心の声→)この娘買う気ゼロじゃな
ピグミャンは来る日も来る日も骨董品屋に通い続けました
ピグミャンおじいさんオルゴールまだ買われてない
おじいさんははは・・・まだありますよ
ピグミャンあぁ~何度聴いてもいい音色だなぁ~
ピグミャンが買えたらいいんだけど1万円かぁ・・・
今貯金が合計87円・・・ぜんぜん手が届かないなぁ・・・
おじいさんお嬢ちゃん
全ての物にはちゃんと役割があってね
最後には一番必要としてくれるご主人様の所へ引き寄せられていくんだよ
オルゴールの将来のご主人様はお嬢ちゃんかも知れないよ
ピグミャン本当・・・
いつか絶対にこのオルゴール手に入れるぞ~っ
そのためだったらピグミャン何十年でも働くよ(←そこまでしなくても買えるよ小学生ピグミャン!)
おじいさん運命ならいつかきっとそうなるよ
でも・・・
次にピグミャンがそのお店に行った時には・・・
その骨董品屋さんはなくなっていて
坂の上に何もない空き地が広がっているだけでした
おじいさんがどこへ行ったのか・・・
宝箱のオルゴールがどうなったのか・・・
結局分からないままでした
1年後
友達と一緒に行った大きな公園で行われているフリーマーケットで
懐かしい音色を耳にしました
そう・・・間違いない・・・あのオルゴールの音
レジャーシートの上に無造作に広げられている骨董品の中に
なんとあのオルゴールの姿が・・・
売っているのはおじいさんではなくぜんぜん知らない人
どこをどうめぐってこの場所にたどりついたのかは分からないけれども
コレは運命だ
とピグミャンは思いました
ピグミャンそのオルゴールいくらですか
店員コレは・・・1000円にしとこうかな
ピグミャン下さい
友達え〜っピグミャン、マジでそんなもの買うのボロボロだしあやしくない
ピグミャンコレは・・・ピグミャンの所に来る
運命だったオルゴールなんだ
友達よ・・・よく分からないけど・・・それなら良かったね
するとそこにピグミャン達とすれ違いで
親子がやってきました
男の子ママ・・・オルゴールまだあるかな
お母さん残念・・・たった今売れちゃったみたいね
男の子そっか・・・素敵な音色だったなぁ
なんだか心の奥がスッと癒されるような・・・
お母さんごめんね・・・さっき買えば良かったね
その時ピグミャンは気づきました
その男の子は目が見えないということに
- 全ての物にはちゃんと役割があってね
最後には一番必要としてくれる
ご主人様の所へ引き寄せられていくんだよ -
ピグミャンコレ・・・やっぱりいらないので代わりに買ってもらえませんか
お母さんえっ・・・でも悪いですから・・・
ピグミャン 本当にもういらないので・・・
夕焼けを眺めながら友達と帰路につきました
友達ねぇ・・・ピグミャン本当に良かったの
だってあのオルゴール・・・ずっと欲しかったものなんでしょ
ピグミャンうんいいんだ・・・
オルゴールも最後のご主人様が見つかって
今頃きっと幸せだと思うから
男の子の喜んでいる姿が
ずっとずっと目に焼きついてはなれませんでした
おしまい