2000年11月になる前から、旦那さんは、携帯の出会い系サイトに

ハマっていた。

その頃は、今みたいにパケ放題等と言うサービスは無く、毎月かなりの携帯代金を支払っていた。


それが何故なのか、分かった時には、既に旦那さんには

数人のメル友がいた。


その内のひとりの人は、小さい子供さんが2人いる静岡に住む

主婦だった。


11月11日ポッキーの日に出会ったと、嬉しそうに話していたのを今でも鮮明に覚えている。


(私は異常に記憶力だけが良い。覚えていたくない事まで、

覚えてしまう。)


彼女は家計を助ける為に、長崎の○と言う、ちゃんぽんのお店に、

夜中、子供を寝かし付けてから、パートに出ていた。


その頃は良く、夜中に旦那さんの携帯に電話が架かって来ていた。

旦那さんはその人に夢中になっていて、

私の行動など、眼中には無かった。


休みの度に、新幹線で静岡に出掛ける為のチケットの手配は、

私の役目だった。


勿論支払いも・・・・。


出掛ける度に纏まったお小遣いを渡し、帰りにはすっからかんになって帰って来るのが常だった。


義母には、出張と言って出掛ける旦那さんを見て、義母は、

オーちゃんは仕事忙しいのに頑張ってるんやね。と、私に聞こえよがしのイヤミを言っていた。


それでも、私は構わなかった。


既に形だけの夫婦でしかないのなら、好きにしていてくれる方が

気が楽だった。


でも、旦那さんは究極の飽き性で、いったい何人のメル友と出会い、

別れたのか・・・・。

私が知り得る限りでは、7人だけれど、多分もっといたのだろう。


夢中になると、周りが見えない。その人の事で頭が一杯になる。

旦那さんは、そう言う人だ。


私に夢中になっていたのは、どれ位の期間だったのか、

今なら聞いてみたい気がする。

単なる好奇心として・・・・。


それでも旦那さんは、結局は家に戻る。

お酒の付き合いが悪いから。口うるさいから。束縛しようとするから。


色んな理由を並べても、結局は飽きたから、なのだ。


思えば可哀想な人なのかも知れない。


本当に、すぐ夢中になる。

きっと、何もかも見えなくなるのだと思う。

そう言う意味では真っ直ぐな人なのだろう。


俺は結婚生活には向かないと、以前言った事があるけど、

そうなんだと今なら思う。

19歳の時の私には分からなかった事が、

今なら分かる事、沢山有るのに・・・・。


もうあの頃には戻れない。

純粋に旦那さんだけが好きだった頃は、

私には遠い昔になってしまったのだから。