※閲覧注意※

ここから手術の様子になります。

このブログを読んだことにより気分を悪くされたり、読者になんらかの悪影響を及ぼしたとしても、筆者は一切の責任を負いません。






処置室と書かれた小部屋がたくさん並んでいた。

そのうちの一つに案内された。


最低限の道具のみ置かれた簡素な部屋。

薄い壁で仕切られているであろう処置室は隣の部屋の声が丸聞こえだった。


「お疲れ様でした〜!ご気分はいかがですか?」

「はい、大丈夫です」


など、順調に処置が終わったのだろう声が聞こえてくる。


手術着に着替えるのかと思ったが、そのようなものは無く、私服のまま行うようだ。


ベッドに座って、またしばらく待った。

17:00であった。

このクリニックのスタッフさんたちは何時に帰るのだろう。

そんなことを考えていると、部屋にギャル(医師)が入ってきた。ギャルの後ろには小さいスーパーサイヤ人のような男もいた。年齢は不詳だ。自己紹介も何もなく、ただギャルの後ろに立っている。ギャルの守護霊かなにかだろうか。


ギャルは私の目の下にマーキングをした。


医「はぁいピンク音符鏡で見てみて〜!このあたりの脂肪を取っていくからね〜!」キャピ飛び出すハート


プランでは3ヶ所の眼窩脂肪を取ることになっているが、マーキングされた箇所はかなり広範囲だった。

これはもうほぼ全部の眼窩脂肪では?なかなかサービスがイイな、と私は満足した。


ギャルとスーパーサイヤ人が一旦退室すると、看護師なのか助手なのかよく分からない女性が入ってきた。

長めの爪にガッツリネイルをしている。看護師はこんなネイルはしないだろう。助手か?いや、助手でもこんな手先が不器用そうな人に手術の手伝いをしてもらいたくないんだが…


女「ではまず笑気麻酔から始めますので、横になってください」


横になった。鼻にチューブを通された。


女「鼻から息を吸って口から吐いてください」


すーはーすーはー…


女「気分はどうですか?」

私「よくわかりません」

女「体が動かしにくいとか、ふわふわする感じはありませんか?」

私「ありません」

女「ではもう少し呼吸を続けていてください」


すーはーすーはー…


女「どうですか?手をグーパーしてみて動かしにくいですか?」

私「はい」

女「医師が来るまでもう少し時間がありますので、先にお薬の説明をしますね」


いやちょっと待てーーーーいびっくりマークびっくりマークびっくりマーク

意識ふわふわしてる私に説明されてもさぁびっくりマークびっくりマークびっくりマーク

絶対順番間違えただろ!?


女がなにか説明をしていたが、難しくて覚える気にはならなかった。痛み止め、抗生剤?あと目薬が貰えることはわかった。処方薬には大抵、説明の紙が入っているものだ。聞かなくても大丈夫だろう。


説明が終わるころ、丁度ギャルが入ってきた。

ギャルと、よくわからない女二人が手伝いに入るようだ。

もう意識がふわふわしていて周囲の様子はよくわからなかった。

ギャルの甲高い声だけが聞こえていた。


再び笑気麻酔のチューブを鼻に入れられる。

濡れたコットンを顔に置かれた。消毒?表面麻酔?コットンを取り、両頬にブロック注射とやらを注入される。普通に痛い。

目薬もされた。下まぶたのウラから、なんか奥の方にも注射をされた気がする。普通に痛い。

目薬のせい?目にガーゼか何か置かれてる?視界が白くて何も見えない。


医「じゃ!右目からお脂肪とっていきますね〜!」

私(お脂肪…)


手術が始まった。

ギャルが女になにやら指示している。


医「ここ、こう押さえれる?」


私の右眼球上部がグッと圧迫された。

痛い…じゃない、変な感じがする。

下まぶたの裏を切開されている感覚はないが、眼球を圧迫される感じがとにかく気持ち悪い。


私「あの…あの…気持ち悪い…」


私は麻酔で上唇が動かないので、ハッキリしゃべることができず、掠れた声で訴えた。


医「どこが〜?」

私「上のほう…」

医「上のまぶたは何もしてないよ〜?」

私「押されてるかんじ…」

医「目をね〜押さえてるからね〜押される感じは麻酔効かないんだよね〜もうお脂肪出てきてるよ〜」


っと話してる間にもどんどん気持ち悪くなる。

おそらく奥にある脂肪を引き摺り出す時の感覚なのだと思うのだが、気持ち悪さに加えて痛みもあった。

笑気麻酔が足りないのか?しっかりと鼻から吸って口から出す呼吸を意識した。

いや、いや、むりぃびっくりマーク


私「痛い!痛い!気持ち悪い…!」

医「麻酔足しながらやるね〜」


表現するならば、悪霊が身体に入ってきて私の魂を引っこ抜こうとしているような…初めて感じる苦しさだった。もう呼吸など意識出来なかった。私は必死に口で酸素を大量に取り込もうとしていた。汗で服がベチャベチャなのがわかる。喉がカラカラで脱水症状になりそうだ。


私は人生で一番の痛みだった出産を思い出した。

出産の痛みに比べたらこんな痛み…!!!

いや!無理!痛みの質が違いすぎる!!


私は気持ち悪過ぎて吐きそうだった。

そういえば仰向けで吐くと窒息するんだよな。

しかし絶賛目の切開中に横向きにはなれない。

どうしよう、私はここで死ぬのか!?!!私には守るべき子供がいるのだ!ここでは死なない!!

私は痛い!痛い!と必死に痛みをアピールした。


医「痛いか〜…一回休憩しよう」


はぁっ、はあっ、

一度呼吸を整える。

鼻から笑気麻酔のチューブが抜けていたらしく、また挿入された。

頭上で男がヒソヒソ話しているのが聞こえる。さっきのスーパーサイヤ守護霊だろうか。声が小さ過ぎて何を言ってるのかさっぱりわからない。それがまた私を不安にさせた。


この手術は失敗なの?

私の目はどうなるの?

29万は無駄に消えるの?


もう少し休憩したかったが、あまり長引くと麻酔が切れてしまうのだろう。ギャルは手術を再開した。


麻酔を足しながらやってくれているようだが、気持ち悪さと痛みは一向に無くならない。

もう無理だ!意識が遠のいていく!死んでしまう!


私「もう無理…!もうだめ!やめて!」


私はじっとしていられず、脚と腕を曲げたり伸ばしたりしながら訴えた。

死ぬぐらいなら中断されたほうがマシだ。

29万ごときで命を失うわけにはいかない。


医「もうすぐ終わるから〜大丈夫だから〜」


ハッ…ハッ…ハッ…ハッ…

とにかくしっかり呼吸しなきゃと思った。


私「むり…むり…」

医「はい!右目終わったよ〜!ちょっと休憩しよう!」


呼吸を整えた。

これ、左目もやるんか…


医「人間って左側のほうが神経がたくさんあって痛みを感じやすいんだよね〜麻酔足しておくね〜」


マジか…


医「よし!じゃあはじめよう!」


また目をグッと圧迫された。


私「いたいぃ…押されるのいたいぃ…」

医「これは仕方ないんだ〜くぼみ目の人は普通の人よりちょっと痛いみたい〜頑張って!」


私の右手側にいる女が私の胸に腕を置いて目を押さえているのか?胸の上が重くて呼吸が苦しい。


私「これ…重い…苦しい…」


私は胸の上にある腕?を手でよけようとした。


女「ちょっと押さえさせてくださいねー」


何を?目を?じゃなくて私が動かないように押さえてるってことなのか?その前に呼吸困難で死にそうなんだが。


左目は最初から麻酔を足してくれたおかげなのか、右目よりはスムーズに進んだが、私はずっと痛い痛い言いながらハァハァ呼吸をしていた。

頭上ではずっと男のヒソヒソ声が聞こえていた。あれは誰なんだ。幻聴か?


左目も終わった。

両目の切開部分が出血しないようにと電気メス?でジジジッとなにかやって、最後に、プレミアム注射を目の下に注入。普通に痛い。ねぇ、麻酔したよね?ね?


医「終わりましたぁー!お疲れ様ー!」

私「………(屍)」

医「ねぇ〜麻酔効きにくかったことないー?」

私「歯医者の麻酔が効きにくかったことが…」

医「あー!だからか〜!」


ギャルの話によれば、今回使った部分麻酔は歯医者で使われているものと同じものらしい。オプション5万の点滴麻酔なら違う種類だから効いたと思うよ〜とのことだった。


5万か…

オプション付けるべきだったのか…?


ベッドを起こされ、鏡を持って、両目を開けてと言われた。

痛い。特に右目が痛くて開けられない。

ゆっくりと、うっすらとだけ目を開けた。

右目が真っ赤に染まっている。

充血ではない。白目の部分が全て綺麗な血色に染まっていた。妖怪か?鬼か?

ギャルが私の前に指を出し、目で追うようにと言われた。

右、左、上、下…


医「うん!大丈夫だね!少し休んでから帰ろうか〜!女さぁんお水飲ませてあげて〜!」キャピ飛び出すハート


っとギャルは変わらぬテンションで処置室を出て行った。


どうやら、他の部屋から漏れてくる声の様子だと、手術後みなさん体を休めずそそくさと帰宅するようだ。


いやいやいや…

そんなの無理。

私は女さんの持ってきてくれた水を飲み干した。


女「どうですか?もう少し休みますか?」

私「はい…右目が痛過ぎて…目を開けられません…なんか…ゴロゴロする感じが…」

女「術後はゴロゴロする場合がありますね」


確かに、手術後のリスクとして、ゴロゴロする場合があるとは聞いていたのだが、ゴロゴロどころじゃないんだ、突起物が目に入ってガリガリしてる感じなんだ。まばたきをすると痛くて涙がボロボロ出てくる。目を閉じていても痛くて涙が出てくる。


とりあえず30分休ませてもらうことにした。

汗をぐっしょりかいていたので、冷えて寒かった。

そのうえ、目を冷やしてくださいと言われたので寒くて寒くてブルブル震えていた。


30分後にまた女さんが来た。


女「どうですか?帰れそうですか?」

私「無理です。目が開きません。涙が止まりません。」

女「そうですか…一度先生に診てもらいましょうか」


っと、女さんはギャルを呼びに行った。

しばらくしてギャルがきた。


ギャルは私のまぶたをめくって傷口を確かめ、「ちゃーんと縫合できてるし問題ないよ飛び出すハート手術だからね〜術後は大変なんだよ〜!」と言って去っていった。


めちゃくちゃ簡単に出来るノリだったじゃん…

ギャルも…カウンセラーも…


つづく。