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以前予告して、そのままになっていた日吉界隈の散策の続編である。前回は、高台にある日吉駅の北側の低地の下田町あたりを散策した

 

下田は、松の川が作り出した谷筋の細長い町だったのに対して、今回散策する日吉本町は、日吉駅の台地の正反対の南側の低地である

 

 

日吉町の歴史に関しては、前回の記事に記したので省くが、こちらの低地は、鶴見川の支流、矢上川によりもたらされた、松の川流域とは比較にならない広い面積の平地だ

 

日吉本町の商店街は、放射状に整備されている日吉駅の街区の、もっとも南側にある普通部通り商店街を抜けて、台地を降りた少し先にある

 

 

 

 

 

 

 

 

この二又の奥に見えているマンションのあるあたりが、日吉駅がある台地で、マンションの先に慶應大学の普通部(中学校)がある

 

普通部通り商店街は、100メートルほどで終わる短い商店街で、その先は、ひたすら住宅街が続き、日吉本町はそこからさらに先、駅は、はるか彼方、つまり陸の孤島といったロケーションである

 

 

実際10年前に、横浜市営地下鉄グリーンラインの日吉本町駅が開設されるまでは、ひどく不便な立地であった

 

 

 

 

 

 

 

 

普通部の坂を降りたあたりには、酒屋や床屋など数軒の商店が残っているが、二又にある戦後型看板建築は、すでに廃業してしまっていた

 

ここから西にすすむと、日吉という地名の由来になった金蔵寺日吉権現があり、日吉本町の商店街は、さらにその先にある

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

商店街の入り口あたりに、やけにメルヘンちっくなピンクの建物があった。なにかと思って看板を見ると「こどもの本のみせ」と、あるので児童書の専門店のようだ

 

このロケーションで児童書の専門店がペイするのか不思議だが、慶應の地元だけに、住民の文化レベルが高いのかもしれない。以前は、古書店もあったが、何年か前になくなってしまった

 

 

ここにも昭和な感じの床屋があり「BAR BAR ダンディーズ」という店名だった。ダンディという名前の床屋は、大森でも見かけたが、あちらは「ダンデイ」という表記だったな

 

 

 

 

 

 

 

 

この商店街には、昭和30~40年代風の建物が多かった

 

おそらく日吉界隈が宅地化された時代に、この商店街も成立したのであろう。住宅開発がはじまる以前、このあたりは農地ばかりで名物は「いちじく」であった

 

 

タンタン麺の看板の店のすぐ先の十字路が、日吉本町の中心部である

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

近くに駅もなければ、街道筋でもないのに、いきなり商店街がはじまるというのは、あまり馴染みのない光景で、その違和感がおもしろい

 

不可解なのは、開通したグリーンラインの日吉本町駅は、この商店街とは、ほとんど関係ない、なんにもない場所に造られたことで、どうして商店街の近くに造らなかったのか理解に苦しむ

 

 

これは僕の推測だが、おそらく商店街の付近は、すでに住宅や商店などが建てこんでおり、土地買収ができなかったのではないだろうか

 

その証拠に日吉本町駅がある付近は、まだわずかに畑も残っているような、いたって辺鄙な場所である

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

駅もないのに、商店街は意外と賑わっていた。おそらくこのあたりに商店が集中しているので、なにかしら用事があるひとが、自然とこのあたりに集まるのだろう

 

しかし、ここも例によって、コンビニや大型スーパーが進出したことにより、確実に衰退傾向にあり、廃業してしまった店舗が目立つ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみに、日吉本町にオープンした大型スーパーは、僕も贔屓にしている激安スーパーの「オーケー」で、ドンキより安いこの店が出来てしまったら、少なくとも安売りで対抗するのは難しい

 

この写真の「リクエストショップ 日吉」の隣が「オーケー」で、ズラリと並ぶママチャリは「オーケー」の駐輪場だ 

 

 

ところで、日吉本町に来て気になっていたのが……

 

 

 

 

 

 

 

 

この写真の奥に見えている崖地である

 

 

 

これは、けっこう離れた場所から撮影しているので、あまり高そうに見えないが……

 

 

 

 

 

 

 

 

近くにゆくと、かなり激しい段差である

 

慶應大学普通部の下あたりは、傾斜が緩やか(といっても、かなりキツいが)なのに対して、こちらは横浜、川崎でお馴染みの「こんな場所に家建てちゃダメだろ!」と、ツッコミを入れたくなる急峻さだ

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この階段は、写真の真ん中あたりに写る住宅の脇から、カクンとクランクになり、さらに上まで続いている

 

もちろん登ってみた

 

 

 

 

 

 

 

 

うおっ、かなり高いぞ。でも夕日がきれい

 

垂直じゃないから、高所恐怖症の僕でもあまり怖くはないが、雪の日などは恐怖以外のなにものでもないだろう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

見下ろすとこんな感じ。たまたま通行人がいたので写してみた。人物との対比で階段の急峻さがわかると思う

 

 

しかし、この写真を撮影しているのは、階段のいちばん上ではない

 

 

 

これよりも、さらに上に……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まだ階段は続くのであるが、鎖で封鎖されており「私有地につき立入禁止」の立札があった

 

どうやら、ここから上は個人の敷地のようだ

 

 

不可解なのでGoogleマップを開くと、この上には写真の右側に写っている建物しかないようだ。では、ほかはなにもないのか、というと、もちろんそんなことはなく、この上には、かつての艦政本部地下壕という旧日本軍の地下施設があった

 

現在は封鎖されて見ることができないが、その地下施設はかなり巨大なもので、慶應大学の敷地内まで続いているそうだ

 

 

 

 

 

 

 

 

したがって、撮影できないので、Wikipediaから写真を拝借。これが艦政本部地下壕の施設の入り口である

 

階段を登って満足したので(子どもかよ)もう少し日吉本町界隈を散策する

 

 

じつは、この日吉本町の周辺には、以前、写真を掲載したお気に入りの建物がいくつかあるのだ

 

 

 

 

 

後編に続く

 

 

 

 

 

 

 

 

†PIAS†

 

 

 

 

 

 

 

 

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