海外製ピアノについての心配とは?

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海外製ピアノといってもヨーロッパの高級ブランドのピアノではなくて、

 

主にアジアなどでつくられている廉価版(というと言葉は悪いですが)のピアノについて

 

皆さんはどのようなイメージをお持ちでしょうか?

 

なんとなく「性能がやっぱり劣るのではないか?」

 

「よく壊れるんじゃないか?壊れてもどこも(誰も)修理してくれないのでは?」

 

という印象をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

実際、ご来店された方が20年前の比較的新しい!?ピアノをご覧になって

 

「こんなにキレイで新しいのになぜ(以前のオーナー)は手放したのですか?」というような

(※これについては海外への転勤や当時6歳のお嬢様が遠方へ嫁がれたなど理由は当然ながら様々です)

 

それが国産モデルであれば、あまり訊かれないようなご質問を頂くこともございます。

 

今回は、これまで一般的にはあまり知られていないブランドのピアノも含め、

 

洋邦様々なピアノを見てきたうえで、私個人として感じていることをお話ししたいと思います。

 

  

 

特定のメーカーのピアノに限らず販売、整備するというお店様や調律師様が

 

「どんなピアノでも大丈夫ですよ」と言ってしまうことは簡単なことですが、

 

まず、すでに何十年もピアノをお持ちの方なら十分ご承知のことだと思いますが、

 

ピアノという楽器をふつうにご使用されていて、練習が不可能なほどの故障というのは

 

めったにあるものではございません(もちろん定期的な調律が大前提ですが!)。

 

(持ち主の方が新品時の音色とレスポンスを望んでオーバーホールされる場合もありますが、

 そういったケースについては今回は例外とします)

 

ただ、ピアノ販売に携わるものとして非常に申し上げにくいところであり、

 

いまの話とは矛盾してしまうのですが、故障とか不具合というのは正直なところ

 

全体からすれば非常に僅かではありますが、残念ながら“ゼロ”ではありません。

 

設置場所の環境なのか、そもそもの設計や素材に起因するのか原因は様々ですが、

 

これについては私の感じる限りでは特定の生産国やメーカーに偏ったものではありませんし、

 

たしかに多少むずかしい案件もないこともないのですが、 

 

それが、解決できないほどの問題であったことはほとんど聞いたことがございません。

                                      

もちろん普通にピアノをご使用なさっていて定期的に調律もされていても運悪く

 

不具合が生じてしまったピアノの持ち主の方は、それはがっかりされることでしょう。

 

ですが実はそのときに大切なことは、お持ちのピアノの機種や生産国ではなく、

 

問題解決に納得できないような時間や予算、選択肢が提示されることではないでしょうか?

 

ピアノに何か不具合を感じたとき、長い間調律をしていなかったりしますと

 

何となく気恥ずかしさからや、以前の調律師様と相性が良くなかったことなどから

 

他の業者や調律師を探してしまわれるのはよくあることだと思います。

 

ですがそのような場合、まずは今までの調律師様や購入店に相談されてはいかがでしょう?

 

  

※写真はイメージです

 

ピアノの修理に関しても現在はインターネットで様々な専門家の見解を知ることができます。

 

ごくまれに、私でもすっかり不安にかられてしまうようなお話も目にしたこともありますが、

 

それぞれがご経験や信念に基づいた意見をお持ちで、それは尊重されるべきだと思います。

 

その上であえて申し上げますと、良心的な販売員なり調律師様でしたら

 

どのような目的をお持ちの方に、どのような内容のピアノを購入して頂こうとしているかは、

 

十分自覚されているでしょうし、“仮に”なにかしらウィークポイントがあるとすれば、

 

ご購入時に説明してもらえるはずです。何より自分のネットワークで手に負えないような

 

リスクを抱えている事が予め分かっているピアノを大切な商談には持ち出さないと思います。

 

 

話をもどしまして、廉価版ピアノ、実際に使ってみてどうなの(性能?)というところですが、

 

海外、国産メーカーを問わず海外製の廉価版と高級機種の違いは“弾けば”わかります。

 

では“弾かない”方は何もわからないままで購入に踏み切るしかないのでしょうか?

 

唐突ですが車の話をしますと…

 

ひとくちに普通車といっても最高速度や乗心地など車種によって大きな開きがあります。

 

では、1000ccクラスの普通車は持ち主の目的をかなえてないのでしょうか?

 

エレキギターでも全く同じ外見で300万円のものと3万円のものがあります。

 

今や廉価版は楽器からチョコレートにいたるまであらゆるところで活躍しています。

 

専門家、愛好家に言わせれば確かに素材や製法や価値が違うのでしょう。しかしその違いは

 

私たちにはあまりわかりませんし、安価なものでも十分目的を果たせることがほとんどです。

 

 

 

ピアノの話をしますと、一瞬間にどれだけのトリルや何回の連打を叩き込めるか、

 

ショパン(どなたでもいいですが)の難曲をどれだけのダイナミクスをもって表現できるのか?

 

このような世界を通過してきた、関わってきた、ピアノの先生であり技術者の方であり…が

 

いずれご自身の領域近くに私たちが到達されるところまでを想定されて、将来的に無駄な

 

買い替えがないよう親切心から良いピアノを進められる事は決して間違いではありません。

 

しかし今の時世、誰もが気軽に参加できるようになった反面、ピアノを始めた(または始めたい)

 

多くの方は購入から発表会まで、まだ見ぬピアノの世界に不安を感じていることでしょう。

 

ひと昔前なら、親御様がお子様に続けさせるのは当たり前といった向きもあったでしょうが、

 

初心者の方が、お子様を「長く続けてくれるのだろうか?」と心配なさるのは自然ですし、

 

大人の方が習われる場合は、ご自身の才能や特性、持続力をつい疑ってしまうことでしょう。

 

取返しのつかない買い物をするより、2,3年様子をみたくなるのは当然だと思います。

 

 

現在は特にデジタルピアノの普及によって選択肢は様々になってきましたが、

 

廉価版のピアノの役割とは本来まさにそのような方のためにもあったのだと思います。

 

そしてピアノなら2、3年様子をみるどころか、買い替えるのが惜しいくらい長持ちします。

 

リストやラフマニノフなど(何でもよいです)曲によってはパワー不足を感じるかもしれませんし、

 

一瞬で8音トレモロを入れたい場面を7音で妥協しなければならない日もくるかもしれません。

 

ですが、それはかなりの上級者になった日のことでしょうし、

 

それまでの成長に付き合ってくれるピアノとしては十分なものが豊富にあります。

 

一番大事なのは、ピアノは自分の成長や好みの変化によって買い替えることはあっても

 

故障したから買い替えるということはあってはならないということです。

 

また、ものによっては少し手をかけるだけでも見違えるほどパフォーマンスが向上するので

 

手をかけてないハイグレードモデルより寧ろ好感触であることも多々あります。

 

それは決して特別な能力や肩書のある調律師を必要とするものではありませんし、

 

お持ちのピアノとちゃんと付き合ってくれる調律師様ならどなたでも可能なことです。

 

 

住宅など諸事情によりピアノを置きたくても置けない方はたくさんお見えになります。

 

ピアノを習われるのなら、実際のピアノで練習できるかどうかは大切な選択です。

 

せっかくピアノを置ける条件がそろっていらっしゃる方は

 

是非この機会に今まで知らなかったピアノにも目を向けてみてはいかがでしょうかニコ

 

 

最後になりましたが先日

このブログを読んで気に入って下さったお客様が遠方よりご来店くださいました。

大変暖かいお言葉を頂きまして、

正直なところ「新入荷情報」以外、自分の発信している内容に、さほど求心力などないだろうと

高を括って?おりましたので、恥ずかしさとともに大変感激いたしました。

本当ににありがとうございました。

1人でも真剣に読んでくださっている方がいらっしゃることがわかった以上

私が知ってるようなことは既に出し切ってしまったような気がしますが

もう少し有意義なことを発信しなければダメだな、と気持ちを新たにした次第です。

皆様方今後とも何卒宜しくお願い致します。