とうとう買ったよ『オペラ座の夜』 | piano*演奏会*庭の花

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私の好きなこと。思ったこと。

とうとう購入する気になったクイーンのCD。

 
私が初めてクイーンに出会ったのは1976年頃で10代半ばのとき。
弟が友達から借りてきた『オペラ座の夜』のレコードに針を落とした時でした。
あれから40年以上たった今、改めてクイーンのCDを買うならまず『オペラ座の夜』と決めてました。
 
ホントは私が当時クイーンを聴いていたとき、一番好きだったアルバムは後に聴いた『QUEEN Ⅱ』でしたけど…
でもこれは後にとっておくウインク
 
さて、○mazonでポチろうと思ってクイーン『オペラ座の夜』で検索すると、なになに?目いろいろ出てくる。
 
同じ『オペラ座の夜』でもリマスター盤、リミテッドエディションだのデラックスエディションだの、なんたら限定盤だの紙ジャケット仕様?など…
値段もいろいろで。
安いのは1700円くらいからプレミアがついてるのを除いても3000円以上するのもあって、すっかり悩んでしまったあせる
よくよく調べると75年当時の録音をリマスターしたものとさらにハイレゾになったものも出ていて…
でも、気持ちが動いたのは「初回LPをミニチュア再現した」という紙ジャケットのもので、ちょっとお高めだったけどこれに決めました。
 
さっそくポチって昨日届いたのがこちら~
 
 
あ~このジャケットビックリマーク
サイズはちっちゃくてカワイイけど、あの当時と同じ紙ジャケットだ~ラブ
 
見開き…字小さすぎて見えん…
 
 
 
 
あ~この写真!
「この美しい顔の人がドラマー?」
このロジャーの写真を穴の開くほど見つめ続けてたよ~笑い泣き
 
初めて見るクイーンの写真はこれだったんだなあ。
 
だからかわからないけど、この4人の写真は凄く記憶にある。
 
 
私がクイーンを繰り返し聴いていたのは6~7年間のことで20代前半まで。
その後は巷でクイーンの曲を聴くことはあっても、アルバムをちゃんと聴こうとすることはなかった。
改めて今50代後半になった自分が、数10年ぶりに聴くクイーンのサウンドはどんな風に聴こえるのだろう?
自分のことながら、それにとても興味がありました。
YouTubeで断片的にいろんな曲を聴いてはいたけれど、やはり、クイーンを聴くなら絶対にアルバム単位で通して聴く。
 
アルバムが一つの作品なんだから。
ベストとか論外。
そして何かをしながら聴くのではなく、がっつりボリュームも上げてサウンドに集中して聴くこと。
YouTubeなど映像もないほうがいい。
歌詞カードは見ても良いウインク
 
そんな準備OKで、聴きました!!
 
1 「Death On Two Legs」
ピアノ!
フレディのピアノ!
美しいわ~
と思ったらオドロオドロしいギターサウンド…
もうドキドキです。
これです、クイーンの音!
大仰でドラマチックな展開!
美しいコーラスあり、激しいビートのドラムあり、ギターとベースが絡み合い…
イヤホンを通して、右に左にあらゆるところからいろんなサウンドが駆け巡る。
 
私の父はオーディオマニアだったので大きなスピーカーもあったのだけど、当時も私はクイーンをだいたいヘッドホンで聴いてました。
爆音で音を出して聴くのはやはり憚れましたからね。
 
2 「うつろな日曜日」はフレディのコミカルな歌と、ブライアンのレッドスペシャルが華麗に歌う!
 
次の曲への繋ぎは短めでたたみかけるように3曲目、 ロジャーがハスキーヴォイスで歌う「I’m In Love With My Car 」
ストレートなロックンロール。
 
4 ジョンの「You’re My Best Friend」
このキーボードはジョンが弾いてるって最近知りました。
フレディがキーボードを弾くのを嫌がったとか。
軽いキーボードの音と重めのロジャーのドラム。
ジョンの曲って明るいですね。
歌詞も「お前はこれまで一番のかけがえのない友だち」って、ストレートで裏がないというか…(笑)
 
5 曲目の「’39」…好きです。
ブライアン作曲。
今回40年ぶりにアルバムを聴いてみて、ブライアンの作曲センスに驚きました。
クイーンってフレディが作曲した曲のイメージが強かったんだけど。
そうか、好きだった曲はブライアンのものも多いんだ…って気づきました。
 
ブライアンのアコースティックギター。
ブライアンのフレディとは全然違う柔らかい歌声。
ロジャーの高音ヴォイスもいい。
ちょっとカントリーっぽくて、でもレッドスペシャルが鳴り出すとクイーン節になる。
この曲ではフレディの影がほとんど見えません。
 
クイーンってこうして聴いてみると、やっぱり4人の個性集団なんだなって思いますね。
 
6 曲目の「Sweet Lady」もブライアンの曲だけど、フレディが歌うとクイーン色が濃くなって、かっこ良くロックンロールしてます。
 
7 「Seaside Randevous」はフレディの曲らしく、遊び心があって楽しい。
ライナーノーツには、フレディとロジャーによる“声のオーケストラ”が最大の聴きどころ…とあります。
木管楽器がフレディでロジャーが金管。
プープーとかピーピーとか声でやってるんですね!
知らなかった。
口笛やらトライアングルやらオモチャの楽器の音なんかも聴こえます。
こんな楽しい曲であっても、なぜか高貴な雰囲気が漂ってるのはやはりフレディの詞にあるお洒落な言葉や、多彩な声が醸し出すフレディワールドになってるからかな。
 
ここまでがLPのA面。
レコードをひっくり返すためのちょっとした間をとってあるのが嬉しいです。
 
そしてB面。
 
1曲目、CDでは8番目の曲。
「予言者の唄」
8分21秒!
ブライアンによる大作なのですが、壮大で、まさにオペラ!
風の音と琴の音が聴こえ…物語が始まる。
(日本ツアーでファンからもらったオモチャの琴の音が効果的に使われてます)
 
ブライアンが見た恐ろしい夢からのインスピレーションでできた曲。
フレディの一人輪唱が素晴らしいです!
本当にフレディの歌の音程の良さは驚くべきですね。
これこそクイーンの音づくり。
クイーン美学です。
 
「予言者の唄」
 
この曲がこのアルバムで一番好きかも知れない。
曲の長さ、壮大さから言っても「ボヘミアンラプソディ」より凄い。
この曲の録音には3週間かかったそうです。
これでもかというほど、次々と曲は展開していき最後はアコースティックギターと琴の音に戻り、ブライアンの奏でるハープの音色も美しく…
 
そして切れ目なくピアノの前奏が始まり…9曲目、「Love Of My Life」!
なんてなんて美しいんだろう~笑い泣き
 
40年ぶりにこのアルバムを聴いてみて、本当に驚きました。
ここまでクイーンのサウンドって豊かで奥深かったとは。
 
10代の頃に、それまで見たことも聴いたこともない、こんなサウンドを聴いたらそりゃあ虜になるわ。
 
その頃洋楽といえばビートルズやカーペンターズぐらいは聴いていたけれど、クイーンはそれらとはまったく違ってた。
家にはクラシックのLPはたくさんあったのでよく聴いていて、とくに大好きだったのがラフマニノフのピアノ協奏曲第2番とチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲第1番。
これも爆音でヘッドホンで聴くのが好きで、繰り返し繰り返し聴いて涙していたのだけれど…
クイーンはそれに近いものがあったんだと思います。
華麗で壮大なところが。
 
「Love Of My Life」のようなバラードにはロシア音楽にあるようなロマンチックさが溢れているし。
この曲でフレディが弾くピアノは凄く美しいです。
トリルも綺麗。
クレジットには…
Freddie :vocals, Bechstein…とあります。
ベヒシュタインのピアノだったのね~
美しい音なわけだ。
「Love Of My Life」はフレディの情感溢れる歌、その声の多彩さと表現力の豊かさに驚かされる曲でもあります。
 
10曲目 ブライアン作曲の「グッドカンパニー」
ウクレレの軽めの音と、明るく爽やかなサウンドの次は…
「ボヘミアンラプソディ」!!
 
そうくるかー爆笑
やっぱりアルバム通しで聴いてこそです。
起承転結というか、曲の繋ぎには意味があるんですよね。
音の重い曲軽い曲、色にすると暗い曲、明るくカラフルな曲。
クイーンは1曲のなかでもそうだけど、アルバム1枚のなかの音の変化が聴く人を飽きさせず、驚きと興奮で最後まで引っ張っていくんです。
 
「ボヘミアンラプソディ」は説明するまでもなく…ですが。
 
でもやはり驚きでした。
曲は3部構成になってる。
冒頭アカペラでコーラス。
ピアノが入り、ベース、ドラムと続きます。
そして2コーラスの終わりにやっとブライアンのレッドスペシャルが歌いだします。
映画ではフレディがブライアンに、もっと感情こめてギターを歌わせるように指示してましたね。
 
スカラムーシュやガリレオが出てくる部分。
映画を観て初めて、あんな風にオーバーダビングを繰り返してたんだって知りました。
この数分の録音のために3週間を費やしたそう…
そして、爆発するハードロック!
それが頂点に達するとフィナーレへ。
最後はギターの印象的なメロディとピアノの弾き語りでフレディが「ただ風の吹くままに…」と歌い、終結はドラの音。
何度聴いても思う。
なんて劇的な展開の曲なんだろう…
 
 
最後にクイーンを讃える「God Save The Queen」で、アルバムを締めくくる。
 
 
「はあ~~」とため息。
 
真剣に聴くと疲れるほどだけど、でも、麻薬のようにもう一度…と繰り返し聴いてしまう。
 
初めて聴いた頃の私もきっと同じだったと思う。
クイーンのこの華麗で刺激的な、ワクワクするような音の世界に溺れるように、繰り返し繰り返し聴いていたんだろうな。
 
どの曲も覚えてはいたけれど、今聴くと凄く新鮮だった。
1曲ごとに、曲の展開にもヴォーカルやサウンドにも様々な工夫とアイディアが凝縮されて詰まっていて、深く豊かなんてもんじゃない。
まるで芸術。
他のバンドにはないクイーンだけのサウンド。
これがクイーン美学。
 
『オペラ座の夜』は4枚目にして、クイーンのサウンドとしては一定の到達点に至ったアルバムでもあったのでしょうね。
ロック史に残る最高傑作とも言われているし…
 
私が初めてクイーンの音楽に出会ったのが、このアルバムだったのはもしかしたらラッキーだったのかも、と思いました。
最初がセカンドや、シアー・ハート・アタックだったら、これほどのめり込んで好きにならなかったかも知れない…って気がします。
 
 
『オペラ座の夜』でクイーンに出会えたことに、今改めて感謝です照れ