イモラ音楽院教授ステファノ・フィウィッツィ氏による公開レッスン ご報告♪
先日、第2回 イモラ国際ピアノオーディション本選の様子 をご紹介しましたが、
その数日前、イモラ音楽院副学長・教授のステファノ・フィウィッツィ先生が
当店ショールームにお越しくださり、大変貴重な公開レッスンを開催してくださいました。
その時の様子もご紹介いたします。
レッスンは一人一時間。
昨年と同様、受講者は先着順に6名のみ受付させて頂きました。
今年は、昨年よりも早い段階で受講枠が締切となりました。
前回はピアノ講師と音大生が中心だったのですが、
今回は、小学5年生、高校生、大学生、ピアノ講師・ピアニストという
幅広い受講生が集まってくださいました。
また、前回から引き続き受講された熱心な生徒さんも二人いらっしゃって、
ステファノ先生のレッスンの素晴らしさを物語っていました。
午前の部では、小学校5年生の受講生が
ドメニコ スカルラッティ:ソナタ K.430/L.463
バッハ:シンフォニア 第14番 BWV800 の二曲を演奏されました。
落ち着いた演奏をされる小さなピアニスト。
小学5年生の時の自分とは比較にならない度胸に感心しました。
通常のレッスンでは体験できない、無限の知識から教えてくださる貴重なひと言ひと言に、
真剣に耳を傾け、その場で消化し、鍵盤で表現します。
昼休憩をはさんで午後の部。
最初の受講生は、前回も受講されたピアニスト・ピアノ講師です。
ショパンのノクターン(夜想曲)Op.55-2を演奏されました。
この演奏には、横山も大絶賛。
前回もここでステファノ先生のレッスンを受けられ、いろいろ掴まれたのでしょうか。
レッスン後の演奏が、また一層素晴らしくなったのにも驚きました。
ステファノ先生のアドバイスをその場で吸収してすぐ音にされるご様子は、
「やはりプロの演奏家は違うなぁ」という印象でした。
繰り出す音色が極めて美しく、音楽性がまた素晴らしい。
常に研究を重ねられ、聴くたびに変化する演奏というのは、
聴いていて飽きることがありませんし、またこの人の演奏を聴きたいと思わせる
一番のポイントなのではないでしょうか。
過去にも様々な巨匠たちに師事して、常に研究と学びを絶やさないこの方の演奏は、
年々深みを増して、ますますその魅力を輝かせていらっしゃいました。
ステファノ先生は、今回公開レッスンの中で、
当時の音楽の表現の仕方というのを随所で教えてくださいました。
「この時代には、同じフレーズの繰り返しがあると、二回目では遊び心を入れて
装飾をつけて弾くなど、そういう表現が普通にされていたんですよ。
“こういう時にはこういう風に弾く”という習わしのようなものが、当時はあったんです」
巨匠イエルク・デームス先生と共通する、音楽の基本的なこと
(宇宙の法則のようなもの)を随所で伝えられていました。
国際コンクールの審査員をいくつもされているだけあって、
当たり前ですが、やはり世界的な先生というのは、そいういうことを全て
わかっている人なのだと改めて実感。
今回の公開レッスンで、スカルラッティ:ソナタ K20/L375と、
プロコフィエフ:ピアノソナタ6番 第4楽章を演奏された村上うららさんは、
イモラ国際オーディション本選 高校生の部で1位入賞に輝かれていました。
おめでとうございます!!
ステファノ先生自身が、ニキタ・マガロフに師事したときに、
師から教わったことも話してくださいました。
「弱い音であっても、鍵盤の底を意識して弾くと、
弱い中にもしっかりした音が出てきます」
ステファノ先生は、フォルテピアノの収集もされており、
立派な博物館を所有されていることでも有名です。
演奏面でも、フォルテピアノの専門家でもあるので、
今回のレッスンではフォルテピアノの観点からの教えもたくさんあり、
非常に高度ではありましたが、大変充実した素晴らしいレッスンでした。
来年もまた楽しみにしております♪
是非みなさまも、公開レッスン(できればオーディションにも!)チャレンジしてみてください。