スダーン東響+ゲリンガス。サン=サーンス「オルガン付」、シューマンのチェロ協奏曲ほか | ピアニッシモのクラシック音楽日記☆

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感じたまま書いていきたいと思います♪

7/26はユベール・スダーン指揮、東京交響楽団の演奏会を聴きにミューザ川崎シンフォニーホールへ。
同日に開幕した「フェスタサマーミューザKAWASAKI2014」のオープニングコンサートです。

■曲目
・ベルリオーズ:序曲「ローマの謝肉祭」
・シューマン:チェロ協奏曲
チェロ:ダーヴィド・ゲリンガス
 ※チェロ・アンコール
 ・コリリアーノ:ファンシー・オン・バッハ・アリア
 ・J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番より プレリュード
 ・ヴァスクス:「本」より 
(休憩)
・サン=サーンス:交響曲第3番「オルガン付」
オルガン:松居直美

ベルリオーズ「ローマの謝肉祭」は、明るく爽やか、旋律の流れが柔らかい。いつもながらスダーンのベルリオーズはとても好きです。

シューマンのチェロ協奏曲は、巨匠ゲリンガスの登場。凄い・・・音色が艶やかで柔らかく伸びやか・・・チェロってこんな音が出るなんて。当演奏、品と流麗さ、そして厳しさを備え、それでいて情熱的でもありました。スダーンによるオケの伴奏は、私の席からは音量をかなり抑えているように感じました。細部が丁寧に構築されていると感心する一方、ちょっと生真面目にも感じてしまいました。控えめすぎるような。悲しく美しい感情がひたすら流れていくような面がもう少しあるとゲリンガスにより馴染み、より素敵だったかも。
チェロのアンコール、凄い・・・。やっぱり音色に改めて感動。ソロの方がより良かったです。バッハの無伴奏は畳みかけるような厳しさに情熱を秘めているようでした。そしてヴァスクス「本」という曲、蚊が飛んでいるような弱音や冷たい現代的な音、またゲリンガス自身?による歌声付きの不思議なヴォカリーズみたいな場面もあり、別世界を創り上げていました。巨匠、ソロの生演奏をじっくり聴きたいと思いました。

サン=サーンス「オルガン」。この曲は旋律がメロディックでオルガンとピアノが入り、金管も目立つので、私自身は演奏によってはドハデな浪花節風みたくて引くことがあります。
しかしスダーンによる表現は新鮮な響きでした。テンポは速くなく、アンサンブルから程よい重厚さを保ちながら、それでいて滞留しない音楽の運びがさすが。フレージングは丁寧、主旋律以下に潜むアンサンブルも繊細、緻密で、全体の流れをコントロール。ロマンティックな曲でありながら、当演奏、枠組みがしっかりしており古典派的な色合いも感じました。柔らかな広がりもスダーンらしい。第1楽章の後半の緩やかに弱音で流れる場面、ふんわりしていて美しかったです。第2楽章のピアノのスケール、よく聞く演奏では生き生きとすごく目立つように華麗に流すのですが、かなり抑制され可愛らしく寄り添っていたのも印象的。これもマエストロの指示?とてもバランスが良かったです。そのようにして丁寧に積み上げられた流れの結果、気づくと第2楽章後半はかなり壮麗に。金管が力強く華やかに鳴り、祝祭的に終わりました。見事な「オルガン」でした。

それにしても、暑い・・・!出かけるときフラッとしそうになりました。私の夏のコンサート行脚も残りあとわずか。水分、塩分補給しながら頑張りたいと思います☆