ピアニッシモのクラシック音楽日記☆

ピアニッシモのクラシック音楽日記☆

クラシック音楽が大好きです。
コンサートや録音を中心に印象に残ったことについて、
感じたまま書いていきたいと思います♪

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とても久しぶりに演奏会の感想を残します。

最高に好きなマエストロ、マリス・ヤンソンスが亡くなり、また自分のライフスタイルの変化もあり演奏会へ行く機会はこのブログを書いていた頃に比べ随分減りました。

年に10回くらいかな?

ブログもずっとそのままになっていましたが、ヤンソンスの演奏会で心打たれた日々以来、本当に奇跡的にこれだけは記念に記録しておきたいと思ってしまうほどの、大変素晴らしい演奏会に出会ったので記載することにしました。

指揮者マレク・ヤノフスキさんの来日です。

 

(自分のtwitter(@h_neuhaus)等で記載した内容と同じです)

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ドイツ・オーストリア音楽指揮者の巨匠マレク・ヤノフスキさんの4-5月来日公演(NHK交響楽団)、3プログラム全てが期待を遥かに上回る超名演だった。

個人的には、現在5月にしてすでに今年の、いやここ数年間における最高の演奏会となっただろう。
マエストロは東京春音楽祭のワーグナーシリーズ、リング(2014-2017年)からファンになったが今回の演奏をもって現役指揮者で一番好きで尊敬する指揮者と確信。
また卓越した音楽を俊敏かつ重厚な音で実現したN響の皆さんの演奏に改めて感激した。
 

最近日程から順に。

・5/14 東京芸術劇場
シューベルトのグレート、衝撃的に高水準の超名演…!音楽史的にベートーヴェンの延長として力やドラマで畳み掛けるような圧倒させる側面と、シューベルトらしい歌謡の数々を細やかにそこかしこに、そして大きな流れに乗せる美しさ。

なんとも奥行きがありドラマティックで推進力のある曲想。チェロやコントラバスも力強く歌い、全ての旋律が、ベートーヴェンに憧れるシューベルトの、歌物語のシンフォニーを構成していた。

ピアノで言えばリヒテルが弾く劇的で詩的なシューベルトと似た方向性を感じた。

通常は長大なグレートなのに、終わらないでくれと思うほど各楽章内容が明瞭で深く、あっという間だった。これほど目が覚めるグレートは初めてだ。

本演奏会は、ヨーロッパの一流オケの来日公演で感じるようなキリッとした密度濃い、独特の緊張感を覚える空気が放たれているようにも感じた。

・5/8 Bunkamuraオーチャードホール
ベートーヴェン演奏会。前半エグモントと1番。予想以上に素晴らしい演奏だ。

ベートーヴェンらしい厳しさをキビキビと描きつつ、そのキリッとした旋律に、作曲家ならではのエレガントで品格ある歌い口と響き。

美しいハイドン形式を継承しつつベートーヴェンらしく厳格でドラマティック。

後半は5番運命!超名演、ブラボー!キビキビしてるのに重厚感あり、ベートーヴェンの厳格さ推進力に、エレガントさとほのかに滲むヒューマニズム。

最終楽章の勝利感、英雄感!かっこよすぎ!たった1日限りの演奏会とはもったいない。

ヤノフスキさんとN響でベートーヴェン交響曲全曲録音してほしい。

・4/2 東京文化会館
数年待ちに待ったマエストロのワーグナー、ローエングリン(演奏会形式)。

音楽の高貴さ、恐ろしさ、束の間の安らぎなど表情が壮大かつ明確に描かれる。まさに醍醐味。

歌手みんな素晴らしい。しかしやはりオケ凄い、音楽の精密かつ高貴、叙情的でなんとドラマティクな演奏。

祝祭の力強い華やかさとか、愛の語らいのロマンチックさ・安らぎとか、不穏な空気とか、舞台演出なくとも音楽でそのまんま映し出すヤノフスキさんN響に圧倒された。

 

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またブログに残したくなるくらい心から歓びが溢れだすような演奏会に出会えることを楽しみにしています!

 

こんにちは!

久しぶりにブログを書きます。

2017年に入ってから、書こう、書こう、と思いながら先延ばしにしていたらもう10月…!

とにかく今日は、うまくまとまらなくてもいいから思い切って書いてみることにしました。

※ちなみに、最近はTwitterからの感想を多くしています。よろしければフォローくださいうさぎ(名前は「ピアニッシモ」、アカウントは「@h_neuhaus」)

 

ブログの更新は超久しぶりですが、毎日クラシック音楽のことばかり考えているライフスタイルはずっと同じです。笑

 

■8月は生まれて初めてザルツブルク音楽祭に行きました!以下の2公演です。

 

①8/20:モーツァルト・マチネー(交響曲40番他)で、コンスタンティノス・カリーディス指揮、ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団、ピアノがユリアンナ・アヴデーエワ。

カリーディスは来日したことあるのかな?とても素敵な指揮者でした。交響曲40番がとんでもない高速テンポで驚きました。でも尖ってる感じの方ではなく、アンサンブル各パートの旋律を効果的に引き出して立体感を生み出しつつ、モーツァルトのオペラのようなドラマ性を創り出していて、会場も盛り上がりました。

 

②8/21:ショスタコーヴィチのオペラ「ムツェンスク郡のマクベス夫人」で、マリス・ヤンソンス指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団。

そう、お気づきいただいた方、鋭い!(笑) ヤンソンス聴きたさにザルツブルクに行ったんです!嬉しかったよ~ラブ

 

このオペラは愛欲・不倫・殺人…と過激な内容なのですが、ヤンソンスがまとめると音がなんともまろやか。ウィーンフィルの各パートにはどこまでも丁寧に歌わせながら、音楽は劇の流れにそってきりりと爆発させ、時にエレガントにも。歌手はどの方も素晴らしく、特に義父ボリス役のドミトリ・ウリャノフ(読み方合ってる?)が、圧倒的で、威厳ある声色にしっかりとした声量、存在感が凄かったです。

 

ザルツブルクのあと、ウィーンも観光しました。幸せだった~ドキドキ音譜

 

■最近だと、9/25にキリル・ペトレンコ指揮バイエルン国立歌劇場の来日公演で「タンホイザー」を観てきました。

 

これも素晴らしかった!初ペトレンコだったのですが、とても音楽的に丁寧に音を繋ぐ指揮者、という印象を受けました。かなり精緻に創っているのですが、とっても柔和で流れが美しい。音楽的な美しさと世界に真摯に向き合い、オケと協調している、そんな好印象を持ちました。

歌手はヴォルフラム役マティアス・ゲルネが圧倒的に良かったです。味わい深い歌が一人際立っていて、オケの音量、テンポのバランスとも最もぴったりで芸術的に美しかった。歌劇で、あんなにもオケと一体となって「歌う」場面を観たのは初めてかもしれません。タンホイザー役フォークトはローマ語りでは神聖な美声に力を帯び大熱唱でした。

 

上記の他にも素晴らしかった演奏会はたくさんありました。5月のヴィクトル・ブーニンのピアノリサイタルとか、最高でした。(80歳にして初来日だったとのこと!)

 

これからも楽しみな公演が待っています。特に、尊敬するクリストフ・エッシェンバッハのピアノが聴けるのがほんと楽しみ。

 

また書きたくなったら投稿します!ゾウ

では~ちょうちょ

2016年に行った演奏会は59公演(※LFJのようなショートプログラムも1カウントしている)と、2015年の93公演、2014年の131公演に比べ大幅に減少。年初の見通し(2015年と同水準程度)も大きく下回る結果となりました。

 

数を大きく減らしたのは、転職などいくつかの大きな出来事があり、自分のエネルギーの殆どをそれらに注ぎ込んできたためです。日々開拓し自らを変容させていく中で実演に触れると、大事なことに気づかされました。すなわち、一流の音楽家の方々が真剣かつ勇敢に音楽を創り上げている姿の素晴らしさ。そして演奏される曲一つ一つが本当に美しく感動的であったということです。

 

さて、厳選59公演中、特に心を打たれた・驚いた、など印象に残った演奏会を挙げたいと思います。

 

☆2016年 印象に残った演奏会(以下、印象に残った順位で)

 

① 11/27 マリス・ヤンソンス指揮バイエルン放送交響楽団(サントリーホール)

マーラー交響曲第9番 ニ長調

 慈愛に満ちたポジティブな解釈に心を打たれました。オケの極上の技術力表現力がこれを支え、サントリーホールは奇跡の時間となりました。10年以上通っているヤンソンス来日公演の中でも上位。ヤンソンスは私にとって最高のマエストロ、本当に行けてよかった!!

https://goo.gl/xK7btc(その時の感想ブログ)

 

② 11/26 マリス・ヤンソンス指揮バイエルン放送交響楽団(ミューザ川崎)

R.シュトラウス:アルプス交響曲

 これまで聴いた中で別格のアルペン。自然の諸風景と人間の情や思考を一体化させ、それを偉大な山として壮大に描写。最後の最後、柔和で濃厚な弦が愛と感謝で帰結したのに心が震えました。

https://goo.gl/mFJ4ae(その時の感想ブログ)

 

③  2/19 ダニエル・バレンボイム指揮シュターツカペレ・ベルリン(ベルリン国立歌劇場管弦楽団)(サントリーホール)

ブルックナー:交響曲第8番 ハ短調 WAB108 ハース版

 大変な話題となったブルックナーツィクルス、私が行ったのは当公演のみ。度肝を抜かれました。情感とロマンスを備えながら内部は精密に、しかし全体としては豪快に描く天才バレンボイムと超絶オケ。

https://goo.gl/CKDusp(その時のブログ)

 

④ 7/6 ミハイル・プレトニョフ ピアノリサイタル(東京オペラシティ)

グリーグ: ノルウェー民謡による変奏曲形式のバラード Op. 24/モーツァルト: ピアノ・ソナタ ヘ長調 K.533ほか

 グリーグ、濃淡あるタッチで独特のロマンティシズムを純粋に抽出、非常に美しかった。モーツァルトのピアノソナタ3曲では、音色・歌い口を使い分け、それぞれの曲想・性格を思慮深く浮き彫りに。近年聴いたモーツァルトのピアノ演奏の中で圧倒的上位でした。(モーツァルトといえば、2015年ヴィルサラーゼも凄かった)

 

⑤ 4/10 マレク・ヤノフスキ指揮NHK交響楽団(東京文化会館)

ワーグナー:舞台祝祭劇 『ニーベルングの指環』 第2日 「ジークフリート」(演奏会形式)

 ジークフリート役アンドレアス・シャーガーの純粋で生き生きとした青年の演技は、観客をワクワクさせ、時に感傷的にさせ、見事でした。何と言ってもヤノフスキ&N響、推進力と描写力が圧巻。神が降りたような物凄い演奏でした。

 

⑥ 10/22 ハルトムート・ヘンヒェン指揮、新日本フィルハーモニー交響楽団(すみだトリフォニー)

ドヴォルジャーク:スターバト・マーテル

 やっぱりヘンヒェンは素晴らしい指揮者。宗教曲らしい厳粛さを一貫させながらも、聴かせどころはメロディック聴かせる。神聖さとドラマ性を見事に操り、スターバト・マーテルの魅力をフルに再現していました。

https://goo.gl/P3T5SP(その時のブログ)

 

 

☆2017年について

演奏会通いはもちろん続けますが、数的にはやはり例年より少なめを想定。今年と同水準か、できればもう少し増やしたいというところ(60~80?)。引き続き仕事諸々に集中し、自分自身もますます変容を続けていくと思うためこれらへのエネルギー注入が第一優先になるかと思います。

一方で、2017年は海外の演奏会に行くことを考えています♪どこに行くかはまだ秘密。笑

もう、これ考えるだけで飛び跳ねそうなくらい、ワクワクします!

 

それから。

2016年NHKのドイツ語の番組だったかな?

ウィーン・フィルを定年退職された元コンマスのライナー・キュッヒルさんが「演奏会では、聴き比べではなく、純粋に曲を楽しんでください」的なことを話されていて、ハッとさせられました。

私も昔ピアノを習っていた影響で、例えばベートーヴェンの悲愴ソナタを演奏者がどういう解釈で弾くのか、という視点で聴きます。私にとっては重要な聴き方です。しかしそれが行き過ぎると、目の前で繰り広げられている曲の面白さに目を向けず楽しまず、ネガティブな作業に陥ってしまう恐れもあるのです。

私は超一流の音楽家であるキュッヒルさんが聴き手に投げかけてくれた、シンプルでありながら大事なメッセージをいつも頭に入れて、クラシック音楽を楽しみ、愛していきたいと思います。

 

あ、あと、ブログもなるべく更新します!笑

 

皆さま良いお年を。

2017年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

ピアニッシモ

 

色々行ったコンサートの感想が中々残せていませんが…

10月に聴いたハルトムート・ヘンヒェン指揮、新日本フィルの2公演(トパーズ・ジェイド)も大変素晴らしい演奏でした。

数年前にヘンヒェンの実演を初めて聴いて大ファンになりました。それ以来、来日時は必ず行くようにしています。今回は、特に10/22のスターバト・マーテルは大変な名演でした。簡単ではありますが感想を記したいと思います。

 

■10/22(すみだトリフォニーホール)
ドヴォルジャーク:スターバト・マーテル

※出演
ソプラノ:松田 奈緒美
アルト:池田 香織
テノール:松原 友
バス:久保 和範
栗友会合唱団(合唱指揮:栗山 文昭)

 

素晴らしかった…!終始神聖さを行き渡らせながら、情感溢れる旋律を、メロディックも極めて上品に描いていました。緩やかなテンポで旋律をレガートで柔らかに繋げながら、音楽の進行がキビキビとして流れ良い。で、要所要所で現れる聴かせどころの場面をドラマティックに拡大させ惹きつけました。ヘンヒェンは厳粛な雰囲気と優しさ、そしてドラマが同居する世界を見事に操っているようでした!

また、個性豊かな歌手、オケそして合唱が美しくバランス。しかもオケが、控えめに歌手や合唱を支えながら、独自でも聴かせているのが見事!木管群が、歌手と絡むその歌い口は的を得ていて心を打ったのも印象的でした。新日本フィルの表現力が素晴らしいと感じました。

歌手はメゾの池田さんが抜群でした。特に第2、9曲、聖母の悲しみや、我々の祈りを、しっとりと力強く代弁するかのよう。テノール松原さんもこの宗教曲にあった美声で、第6曲は聖歌のような透明感と輝かしさを放っていました。ここでのオケのポジティブな気分の伴奏も描写に優れていました。

 

ヘンヒェンについては以前、モーツァルトのレクイエムでも素晴らしかったのが印象的でした。そして今回の超名演を聴いて、合唱付き曲も総合的かつスタイリッシュに描かれることを確信。後日、マーラー8番のCD(オランダ・フィルハーモニー管)を購入して聴いてみたら、めちゃくちゃ凄いじゃないですか!ぜひぜひ日本でもマラ8や第九など振ってほしいものです。

 

■10/29
・ベートーヴェン:交響曲第4番 変ロ長調 op.60
・シューマン:交響曲第4番 ニ短調 op.120(1851年、改訂版)

 

ベートーヴェン4番、個人的には9つの交響曲の中で最も聴かないのですが、名曲であることを再認識させてくれた好演。重心低めの状態で俊敏に進行。厳粛さと神々しさを放ち宗教曲にも聴こえるし、時にモーツァルトのオペラのような突然の場面展開が面白い。それでいて全体としては、ドラマティックなベートーヴェンを描いているところが見事。

 

シューマン4番、非常に共感できる表現でした。前半がベト4を聴いた影響か、ベートーヴェン的な厳しさ・壮大さにロマン派の憂いが加わるよう。ベートーヴェンのニ短調が乗り移っているようでした(ニ短調=第九?笑)。演歌風、或いは旋律がツルっとした歌い口とは別種。楽器達が粗く重なりキビキビと激昂していました。

 

11/28はマリス・ヤンソンス指揮、バイエルン放送交響楽団の来日公演を聴きにサントリーホールへ。東京公演最終日!

 

■曲目

・ベートーヴェン: ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.61
ヴァイオリン:ギル・シャハム
※ヴァイオリン・アンコール クライスラー:美しきロスマリン

 

(休憩)
 
・ストラヴィンスキー:組曲『火の鳥』(1945)
※アンコール
・グリーグ:過ぎにし春
・エルガー:野生の熊たち

 

ヤンソンス公演3日間、私は文字通り、最高の幸せと奇跡を目の当たりにしました!

さて、最終日の感想。引き続き時間の都合上Twitter(ピアニッシモのアカウント:@h_neuhaus)のコピペで失礼いたします。

 

①ヤンソンス@バイエルン放送響、東京最終日はストラヴィンスキー火の鳥!木管の超絶技巧に見事にぴったりな弦のスピード競演、驚異的な弱音ホルン!透明感溢れるエレガントな旋律。客席が思わずギャッと驚く(笑)中盤の爆発。火の鳥は、運動ではなく、優美かつ劇的な音楽であることを、完璧に表現!

 

②ヤンソンス最終日はお祭的な仕上がり!(笑)拍手の間舞台袖からただならぬ爆発音が!団員、客席共に凍りつく。ヤンソンス転倒したらしく、両腕ガッツポーズで登場!かっこいいぜ!打ち解けた雰囲気になり、サンキューの掛け声に大げさにお辞儀して笑いをとるマエストロ。

 

③ヤンソンス&バイエルン放送響、前半はシャハム迎えてのベートーヴェン協2番。2012年の交響曲ツィクルス時に比べ音が良く鳴り響き、よりモダンオケ的な印象。明るいオケの音も奏功し、温暖なニ長調と柔和な曲想を表現。ソリストをたてながら突然のフォルテシモでベートーヴェンらしい劇性も演出

※訂正:ヴァイオリン協2番でなく、ヴァイオリン協ニ長調でした。失礼いたしました(赤面)。

 

④ヤンソンス、今回の来日の印象、10年前と変わらずエネルギッシュでありつつ、それ以上に、マーラー9番もアルペンも火の鳥も、明るさ・美しさ・温かさ・愛といったポジティブな解釈がささった。偉大な音楽表現により聴き手と幸福を共有するヤンソンスは改めて素晴らしい指揮者だと思いました。

 

本当、私はこの3日間、ここ数年で上位に入るくらい、とんでもなく大きな幸福感に包まれ、そしてそれに集中し続けました。終わった今もとても幸せな気分です。ヤンソンスとバイエル放送響、そして彼らに温かい敬意を送りながら楽しく、そしてものすごく集中して一緒に聴いた観客の皆さん、みんなみんなありがとう!という気持ちでいっぱいです。

これからもクラシック音楽やいろいろなことについてもっとたくさん楽しもうと思いました!

11/27はマリス・ヤンソンス指揮、バイエルン放送交響楽団の来日公演を聴きにサントリーホールへ。

 

■曲目

マーラー:交響曲第9番 ニ長調

 

幸せいっぱいの、大感動の演奏でした!

夜になっても最愛のヤンソンスとオケの人々の姿、そして9番のメロディーが頭から離れません。

前投稿に続き、時間の都合により失礼します…、Twitter(ピアニッシモのアカウント:@h_neuhaus)で発信した感想をコピペします。

 

①ヤンソンス&バイエルン放送響、マーラー9番。言葉にならない…!なんと慈愛に満ちた音楽だろう⁉︎1楽章は力強く掘り下げる各旋律が交錯し、壮大な歓びの歌。3楽章さえも、悲劇要素なく明るく攻撃的、楽天さも。4楽章は穏やかなようで深く動的な感謝の音楽だった。この奇跡の愛の時間を忘れない。

 

②ヤンソンス&バイエルン放送響のマーラー9番の優しくポジティブな解釈をオケが支えた。各奏者の表現力がこの上ない。ヴァイオリンほか弦の攻撃性さえ感じる強い歌い口。管・打楽器のタイミングの見事さ。このオケは「合奏」を超えている。で、音が明るくどこか楽天的なとこが、ヤンソンスにぴったり!

 

③ヤンソンスは最初から最後まで、嬉しそうな笑顔だった。まさに今回マーラー9番の解釈を物語っていた。一般的に演奏と性格は関係ないかもだけど、ヤンソンスに限っては音楽に人柄の良さ、温かさを感じる。心から尊敬し憧れるマエストロ、前回から2年どんなに待ち焦がれたことか…毎年来日してほしい!

 

ああ、幸せ・・・。そう、ヤンソンスの音楽は聴き手を幸福な気持ちにさせてくれる、それが魅力の一つですね。

明日は東京公演最終日でストラヴィンスキー「火の鳥」!

11/26はマリス・ヤンソンス指揮、バイエルン放送交響楽団の来日公演を聴きに、ミューザ川崎シンフォニーホールへ。

 

■曲目

・ハイドン:交響曲第100番「軍隊」
(休憩)
・R.シュトラウス:アルプス交響曲

 

中々ブログを更新できていませんが、前回の9/16演奏会以降もコンサートに足を運んでいます。ただとても忙しく感想を書くことが二の次になってしまっております。

しかし、ヤンソンスは私が最も愛する指揮者であり、しかも昨日の演奏があまりに見事なものだったため、どうしてもブログに感想を残しておきたく。時間がないため大変失礼ながら、Twitterで発信した感想をそのままコピペいたします!

【ピアニッシモのTwitterアカウント:@h_neuhaus】

 

①ヤンソンス&バイエルン放送響@ミューザ。ハイドン軍隊。一曲目から素晴らしい!エレガンスと幸福感が充満して溢れ舞う!重厚だが柔らかな歌い口に突如現れる力強さも魅力。2楽章の打楽器、4楽章に登場した打楽器隊には参った!軍隊の演出と愉快さを満喫。これぞヤンソンス!

 

②ヤンソンス&バイエルン放送響、最高のアルペン!人生の熟考の旅路と、大自然の繊細かつドラマティックな推移が見事に融合、巨大スペクタクルで描かれた。多層の音が地を動かすように広がる!頂上に至るまでも感動的だった上、エピローグの柔和で濃厚な弦に最も心打たれた。つまり愛と感謝による帰結だ

 

③ヤンソンス&バイエルン放送響のアルプス交響曲。今後これほどの演奏に出会えるだろうか?自然の諸風景を見事に再現し、音たちが映し出す人間の情や崇高な思考が一体となり、大きな山として偉大に、そして優しい表情でそびえ立っていた。今まで苦手気味だったアルペン、その魅力に本気で心揺さぶられた

 

本当に本当に、凄い演奏でした!!

9/16はヘスス・ロペス=コボス指揮、読売日本交響楽団の名曲シリーズを聴きにサントリーホールへ。

■曲目
・シャブリエ:狂詩曲「スペイン」
・ファリャ:交響的印象「スペインの庭の夜」
ピアノ ホアキン・アチュカロ
※ピアノ・アンコール スクリャービン:左手のための2つの小品から「ノクターン」

(休憩)

・アルベニス:「イベリア」から
・トゥリーナ:交響詩「幻想舞曲集」 作品22
※アンコール ヒメネス:サルスエラ『ルイス・アロンソの結婚』間奏曲

スペイン出身のロペス=コボス、数年前に都響の演奏会で初めて聴いて大ファンになりました。
9/11は二期会の「トリスタンとイゾルデ」に登場。見事なアンサンブルの読響とともに、美しくドラマティックな音楽を披露、改めてファンになりました。

そして今回は、同じくスペイン出身のピアニスト、アチュカロとともに、スペインプログラム。
スペイン音楽独特の民謡性や、曲目すべてに盛り込まれている『舞曲』。ある面からみると、アツく情熱的な、極端にいうと煽り系の音楽となってもおかしくないプログラムかも知れません。しかし、ロペス=コボス、そして熟練の名ピアニスト・アチュカロが描くと、なんとも高貴であり深みのあるスペイン音楽になっていました。

ファリャ「スペインの庭の夜」でのアチュカロのピアノ、一音一音がとてもシンプルでキラキラ光っている。歌い口がごくごく自然で穏やかであるにも関わらず、その味わい深さから感動を呼び起こす表現でした。思慮深いロペス=コボス読響の音楽に美しく溶け込んでいました。
ピアノ・アンコールでは、なんと左手のみの曲(スクリャービン)を!今年84歳というお年でこのテクニカルな曲を選ぶとは…と一瞬驚いたのですが、すぐにそんな低俗な偏見をもった自分が恥ずかしくなった次第。低音の深淵な深さ、高音のショパンのようなキラキラとした繊細さ。左手の曲の面白さ-すなわち音楽の広がりを、巨匠は温かく、感動的に描いていたのです。「大丈夫だよ」と私に語りかけてくれているような、懐の深さが感じられました。

アルベニスもトゥリーナも、ロペス=コボスが振ると一貫として格調高く、その中に華やかさ、哀愁、幻想的なイメージ、等々が美しく再現されていたのが、とても好ましかったです。ロペス=コボスは、大げさなテンポの変動や強弱設定等、意図的に音楽を煽ることはしないようです。しかし生真面目ということではなく、舞曲そのものがもつ「ノリ」の楽しさや音楽の流れの良さも持ち味だと思うのです。時々、教会音楽を思わせるキラキラとした神秘的な音が聞こえるのも不思議。本当に素敵な指揮者だと思います。

個人的には今回の読響は、調子があまり良くなかったのかなあ、という印象。ロペス=コボスの音楽では精巧で機敏、そして艶やかな音色のアンサンブルの方が合っていると思います。今回のアンサンブルはユルめで、管楽器の音のハリも今一つに感じました。並行していたワーグナー公演で疲れていたのかな(こっちはすごく良かった)?

ロペス=コボスは次回、来年1月にN響に登場されるので、また非常に楽しみです。

9/15はパーヴォ・ヤルヴィ指揮、NHK交響楽団の定期公演Bプログラム2日目(サントリーホール)。

■曲目
・ムソルグスキー/交響詩「はげ山の一夜」(原典版「聖ヨハネ祭のはげ山の一夜」)
・武満 徹/ア・ウェイ・ア・ローンII(1981)
・武満 徹/ハウ・スロー・ザ・ウィンド(1991)
(休憩)
・ムソルグスキー(リムスキー・コルサコフ編)/歌劇「ホヴァンシチナ」─ 第4幕 第2場への間奏曲「ゴリツィン公の流刑」
・ムソルグスキー(ラヴェル編)/組曲「展覧会の絵」

メインのムソルグスキー(ラヴェル編)「展覧会の絵」、N響の最強ぶりに改めて驚かされる演奏でした。
冒頭のトランペットの歌い口を初めとして、全奏者の音がものすごく美しくハリがある!アンサンブルは緊密で機動的。この曲の特徴である、各絵を巡っていく場面場面を、生き生きと、精密に描写していました。パーヴォの描きは、ほんのりロマンティックな爽やか系と感じました。私の好みとしては、「小人」での怪しく恐い感じや、「卵の殻をつけた雛の踊り」での奇妙で愉快な感じなどについて、フレーズの歌い方や楽器の使い方によってもっともっと描写的に『遊び』があってもよいかとも思いました。しかし、本当にハイレベルの演奏でした。

前半の「はげ山」、原典版は初めて聴きました。リムスキー=コルサコフ編曲を聴き慣れていたのですが、これとは全く別の曲といっていいのでは。フレーズの言語が西欧的でない感じ。フレーズの主旋律が頂点に向けて盛り上がっているようでそうでもなかったり、それを伴奏する管楽器や打楽器も肩すかしなタイミングで消えたり、と。それらが独特な怪しげな雰囲気を醸し出していました。

武満、弦楽器のみの「ア・ウェイ・ア・ローンII」は、終始透明感が行き渡りながら、時間経過とともに変遷する音が艶やか。「ハウ・スロー・ザ・ウィンド」では管楽器が加わり、ほのかにロマンティックに。アンサンブルがまろやかに広がりました。パーヴォN響の武満はとても美しいと思いました。

9/11は東京二期会のワーグナー「トリスタンとイゾルデ」を観に、東京文化会館へ。

指揮:ヘスス・ロペス=コボス
管弦楽:読売日本交響楽団
演出:ヴィリー・デッカー

■出演
トリスタン:福井敬
マルケ王:小鉄和広
イゾルデ:池田香織
クルヴェナール:友清崇
メロート:村上公太
ブランゲーネ:山下牧子
牧童:秋山徹
舵取り:小林由樹
若い水夫の声:菅野敦
合唱:二期会合唱団

今回の指揮者ヘスス・ロペス=コボス、数年前に都響の演奏会で聴き、大ファンになりました。それまでは失礼ながら存在すら知らず、調べてみるとオペラで経験を積んだ実力者とのこと。これは是非聴いてみたい、しかしロペス=コボスが振るオペラなんて、ヨーロッパとか行かないと聴けないんだろうな、と思い込みで羨ましがっていたら、なんと来日!まさに夢がかなった!ということで行ってみました。

やはり、期待どおり、というか期待以上、ロペス=コボス&読響の伴奏が素晴らしかった。
ロペス=コボスは音楽の流れを力任せに煽ったり、情に訴えるようにしてうねったりと、つまり意図的に色を加えるという表現をしないようです。しかし、その譜面に定められた枠組みの中で、物語をテンポよく運びながら、曲がもつ性格、すなわち情念、甘美さ、悲しさ、儚さを引き出していました。遅滞なく次へ次へとドラマティックに進める。劇の展開を、舞台に立つ歌手以上に、まさにオケが先導していると感じました。そして、その読響が巧く、持ち前の丁寧さと機動力が光る。木管群が卓越。また、低弦始め各セクションがクリアに重なって心地よい厚みを保ち、そして甘美の色が宿っていました。

歌手はイゾルデ役の池田さんの熱唱に心を打たれました。冒頭から最後まで、イゾルデの心の内の様々な叫びを見事に表出。力強いのですが、絶叫では決してなく、思慮深さを感じさせ味わい深さも。前述の進行良くドラマティックなオケの演奏にうまく乗り、当楽劇における悲しくもロマンティックな性格を彩っていたと思いました。最後の「愛の死」は、そんな池田さんとオケの一体化により最も悲しく美しく、そして情熱的に訴えかける音楽となり、涙が出そうになりました。周囲で涙している方もいらっしゃいました。
とても良い公演でした。