ゼラニウムは花を落とし

紫蘭はつゆ草に立場を譲り

 

硬い蕾だった八重のクチナシは

通る道々を香りで包んでいる

 

主人が名前を知っている花…ゆり

年々小さくなって

それでも硬い蕾をつけた

カメラ騒動も一段落して

見つからなければ…それでも良いな

やっとのことで思えるようになった

 

時は薬とはよく言ったものだと思う

忘れ去る…とは違う

思い出してもオブラートに包んだようで

心が痛くならなくなった

 

今日は家庭菜園さんが

インゲンを持ってきてくれた

 

まだ見つからないの?

困ったわね…不思議ね

 

そうなのよ…相槌を打ちながら

こころは…穏やか

 

私の身に起きた色々な事を

オブラートに包みながら

のんびりと暮らす

 

カメラの紛失が教えてくれた

極上の技だった

 

それはそれで良かったのかもしれない

心から思えるようになった

 

一緒に心配してくれたみんな達

ありがとうございました。