ツボの話2017【1】 | あすも院長の思うところ

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どうも、あすも院長です。ニコ

 
 
ある知人に「ツボについていろいろ知りたい!」と言われました。
 
 
この「ツボ」シリーズは、何度か過去にも書いてきましたが、そろそろ真面目に書いてみようかと思います。(今まで不真面目だったわけでもないけど・・)
 
 
ツボの解釈は見方によって様々なため、これだ!っと言うものがないのが正解なのでしょうが、
 
とはいえ、雑誌やテレビで奇をテラッた「このツボを揉めば肩こり解消!」みたいな話は有りえないわけで・・・
 
 
まあ私なりに思うところも含めて、整理していきたいと思います。パンチ!
 
 
まず今日は、ツボってなあに?
 
と言うところから…
 
 
鍼灸学校でツボを学ぶ時に、まず「経絡経穴学」と言う本を買わされます。これを一から暗記させられます。
 
 
経絡(けいらく)という言葉と 経穴(けいけつ)という言葉
これらを簡単に理解する必要があります。
 
まず「経穴」ですが、これはまさに皆さんが言う「ツボ」のことを指します。鍼灸師は経穴という言い方をします。(専門用語なので)
 
「経絡」は、経脈(けいみゃく)と絡脈(らくみゃく)の二つを指し、いずれも「気」の流れる経路とされています。
 
経絡は具体的には「正経十二経脈」と「奇経八脈」のことなんですが、経絡だの経脈だのだの、いきなり細かい話をしても訳がわかりませんので簡単にまとめていきます。
 
奇経八脈は置いておいて、まず正経十二経脈の説明を。ダウンダウン
 
 
鍼灸医学では体表面に360以上のツボがあると言われてますが、そう整理して決めた人が過去にいたということです。この人、滑伯仁(かつぱくじん)という中国のお方で、「十四経発揮」(じゅうしけいはっき)というツボの教科書を作った人物。
 
彼が中国医学のバイブルと呼ばれる「黄帝内経」や「難経」という古典書をもとに、ツボがどのように体の上に点在しているかを整理して書いたのです。
 
十四経発揮は14世紀に描かれたものなので、新しいと云っちゃ新しいですな。。。
 
まあ何しろ、この書物に経脈の循行と正経十二経脈、奇経八脈をうまくまとめたということです。シラー
 
 
こんな説明ばかりだと退屈だし、具体的なツボの話に入っていきます。
正経十二経脈とは、以下の12の経のこと
(一応見やすくするために、頭に数字をふっておきます)
 
1  手の太陰肺経【11】
2  手の陽明大腸経【20】
3  足の陽明胃経【45】
4  足の太陰脾経【21】
5  手の少陰心経【9】
6  手の太陽小腸経【19】
7  足の太陽膀胱経【67】
8  足の少陰腎経【27】
9  手の厥陰心包経【9】
10 手の少陽三焦経【23】
11 足の少陽胆経【44】
12 足の厥陰肝経【14】
 
 
頭に「手の」とか「足の」とか書いてますが、要するに手にあるか、足にあるか、ということです。便宜上付け加えています。
 
そして、太陰だとか少陽だとか、何やら読むのも億劫になりそうですが、整理すると
3つの陰経>太陰・少陰・厥陰
3つの陽経>太陽・少陽・陽明
という風に6つに分けられており、
各々に「手の」「足の」があるので
合計12本ということになります。
 
一般に鍼灸学校で教わるのは、これらの経脈の上を「気」が流れるのだけど、手の太陰肺経→手の陽明大腸経→・・・といった具合に1〜12まで順に続き、足の厥陰肝経まで一周したと思ったら、また手の太陰肺経に流れて永遠に命ある限り循行し続けるというもの。。。
 
 
ほんまかいな?
 
 
ま、そんなもんか!?
 
 
程度で、結構です。
 
これにはいろいろ異論があったりするので、まあここでは流して次にいきます。
 
この12本の経脈の上に点在する穴・・・それが経穴=ツボなのです。
【 】の中の数字は、その経に点在するツボの数です。
 
これら12本と、督脈・任脈という2本の奇経を合わせ、合計14本の経絡に点在するツボをひたすら暗記させられるのが、鍼灸学校1年目(私の学校では)でした。
 
その数、360以上。。。 
全部漢字、しかも見慣れない中国チックな漢字も多々
 
そして2年目には、そのすべてのツボの解剖学的位置と意義・効用などを覚えさせられ実技試験されましたな。。。嫌だった〜(思い出)
 
正直言って、しんどい暗記の勉強でしたが、これをせずに鍼灸師にはなれないと、セコセコとやったものです。
 
 
例えば、2の手の陽明大腸経ですが、ツボの数は【20】と少ない方なので覚えやすかったです。
 
1  商陽(ショウヨウ)
2  二間(ジカン)
3  三間(サンカン)
4  合谷(ゴウコク)
5  陽谿(ヨウケイ)
6  偏歴(ヘンレキ)
7  温溜(オンル)
8  下廉(ゲレン)
9  上廉(ジョウレン)
10 手三里(テサンリ)
11 曲池(キョクチ)
12 肘髎(チュウリョウ)
13 手五里(テゴリ)
14 臂臑(ヒジュ)
15 肩髃(ケングウ)
16 巨骨(キョコツ)
17 天鼎(テンテイ)
18 扶突(フトツ)
19 禾髎(カリョウ)
20 迎香(ゲイコウ)
 
こんなものを1〜20までつらつらと読み上げて、漢字も書けるようにしていくという単純作業を全部やるのです。お坊さんのお経みたい感じです。
 
まあ想像していただいただけでも、嫌になるかと思いますね。。。
 
私も若かったからできたな〜っとつくづく思います。
 
 
そんなわけで、手の陽明大腸経は、人差し指の先の「商陽」から始まり、腕、肩と上行し顔に至り、鼻の横の「迎香」というツボで終わるということになるのです。
 
これらを12本。任脈・督脈は正中線の前・後のライン。
 
全部暗記するのです。
 
 
ですから、ツボってなあに?って聞かれると
 
 
「 暗記です 」 目
 
 
としか言えないのですが・・・まあそれは学生時代の話です。
 
 
話がダダ長くなってしまったので、今日はここまで。
 
次回は、十二経脈とツボの考え方を少し述べたいと思います。音譜音譜