ブログテーマ
 煙草・喫煙・禁煙 
を作りました。

禁煙・8

前回は耳鳴り、幻聴について書きました。
今日は
「禁煙呆け」
について書きましょうか。

何度か書きましたが、物事に集中できない状態になります。
頭にモヤがかかった状態ですね。
これがずーっと続きます。
まあ、煙草を吸わない人でも想像出来ると思いますが、これはかなり苦痛です。
これが一週間で終わるならば、誰もが禁煙に挑戦するのではないかな?
僕で言うとこの「禁煙シリーズ」を書き始めたのが、今月の初めなので、要するに客観的にある程度の文章を書けるようになるまでに二ヶ月間かかりました。
恐ろしい事ですね。

じゃ今、南雲は爽快なのか?
と聞かれれば、ある程度は改善したが生気溌剌とはしていません。
以前ほどではありませんが、突然の睡魔も襲ってきます。

人によってもまちまちだそうですが、喫煙呆けは禁煙すれば多かれ少なかれ、誰にでも襲い掛かってきます。
記憶力の低下。
昨日の食事の内容を忘れている。
同じことを繰り返して言う。
まあ、ボケ老人の様なものです。
僕は特に言葉、単語が出なくなった。
多分他人から見るとロレツが回っていないと思われていたと思います。

読者の方でリンリンさんと言う画家さんをご存知の方も多いと思うのですが、4月の始めに早稲田のドラードギャラリーでお会いした時に、お茶をしましょうと言う事になって、彼女が連れて来た外人さんを紹介されたのだけれども、とにかく英語の単語が出て来なくて非常に困った。
英会話の言い回しは喉まで出るのですが、単語が出てこない。
それも非常に簡単な単語。
これには参った・・・笑
「アイム ジャストナウ ファッキン コールドターキー、ユーノー」
こんな言い回しは出てくるのだが、僕は今「遺影」作品を撮っているんだ・・・
の「遺影」が出てこない、笑
で、携帯辞書で探すのだが手が震えて探せない・・・笑
きっとあの外人さん僕のこと、ただの薬中だと思っていたことだろう・・・笑
実際、ニコチン中毒の禁断症状患者だった訳だし、笑

で、ちょっと今日は問題提起。
僕以上の年齢、例えば70歳でも80歳でも良いのですが50年以上喫煙してきた老人がある日、病気で入院するとする。
起きれて院外の喫煙場まで一人で動けるならば良いのですが、点滴で動けなかったり、ケガでまだ車椅子移動を禁止されていたとする。
自分は喫煙者であることを病院側に話をして、それこそニコチンパッチを請求し、使用させてもらえるならば幸いだが、例えば言葉を発することが出来ない病もあると思うのね。
まあ、老人でなくても誰でもそういう状況になることはあるわけだ。
これってかなりパニックを起こす可能性があると思うのね。

で、特に老人だと禁煙ボケが引き金になって、そのまま本当に呆けに入ってしまうこともあると思うのね。

僕の叔父が女子医大で癌で亡くなったときに、僕がお守りだよ、と渡しておいた煙草ケースを握り締め他界したのだけれども。
ベットから一人で歩けない状態になってから、叔父はもちろん強制的に禁煙させられた訳だ。
まあ、おそらく一週間くらいだと思うけれど。
この死に向かう一週間、叔父は相当煙草を吸いたくて苦しんだと思うのね。
尊厳死を考えた時にたとえそれが病室だろうとも、そしてそれで死が二三日縮んだとしても叔父は煙草を吸いたかっただろう・・・と思う。
もっとも、癌だったから最後はモルヒネを入れていたので、それはそれで天国だったのかも知れないが・・・笑
ただ、死刑囚だってその直前に煙草を吸えるらしい。
何が人間の尊厳なのか分かったものじゃない。

僕の祖母も愛煙家でした。
最後は呆けでしまったのですが、畳の上で逝かせてあげたいと僕たちの母親姉妹は決めていたようで、姉妹四人が順番で毎晩祖母の隣で寝泊りしていたことがあります。
でもう随分前の話なので詳しくは覚えていませんが、逝く半年位前から母親達は祖母から煙草を取り上げてしました。
もちろん健康面のことを考えてでもあるでしょうが、一番の理由は火の不始末が怖かったからなのです。
そりゃそうですよね、ボケが入った老人の煙草の消し忘れなんかは十分ありうる。
火災の危険性、十分あるよね。

その頃、僕は週に一度ほど祖母の顔を見に訪れていたのだが、祖母はいつも僕に千円札を渡し、お小遣いだと言ってくれた・・・笑
そしてその後、小銭を出して
「賢、煙草を買ってきておくれ」
と必ず言った、笑
祖母はエコーと言うかなり強めの煙草をすっていたのだが、僕はマイルド・セブンを買ってくる。
「これしか売っていなかったよ」
とウソ言ってね。
祖母は
「来週は必ずエコーを買ってきておくれ」
とまた小銭を出して僕に持たせた・・・笑

まあ、なんていうかあ・・・
呆けはボケでしょうがないのだろうけれども、ひょっとして祖母のボケを進めさせた要因の一つに煙草を取り上げてしまった事もあるのではないかな・・・?
と思うし、最初の話にもどりますが、僕よりも長い喫煙暦の老人から入院なり、何なりで一気に煙草を取り上げたらそれが引き金になって、本当の老人ボケになる、と言う事例、表ざたにはならないが確実にあると思うんだ、僕は。

禁煙をしているとボケと逆の現象も起きる事があります。
昔の思い出が訳も無く、脳裏にビジョンとして突然現れる。
所謂
「フラッシュバック」
と言う現象ね。
これは昼寝をしていて目が覚めたときに多いのですが
「なぜこんな事を今思い出すのだろう?」
と言う・・・例を上げるとね
僕が幼稚園の時に幼稚園の窓から見た風景
僕が小学校の時に食べた給食のおかず
中学の時に友達と交わした会話
などなど、それも正確でリアルに。
の様なことがあったのかも知れない・・・
と言う事ではなくて現実にあった事象がバンバン頭を駆け巡る。
自分は気が狂ったのかとも思ったが、これはこれで実に楽しかった、笑

禁煙ボケと同時に、頭の中の回路、回線も乱れるのだろう。
そりゃそうだよね、30年近く毎日、脳味噌に注入してたニコチンと言うドラックを急に摂取しなくなったのだものね・・・

冷たい七面鳥は非常に苦しく、身の置き場もなく自分一人でもがき苦しむしか道は無いのだけれども・・・
実を言うと僕はそこに遊んだ・・・とも言えなくも無い。

手足の震えも、不眠も、幻聴も、フラッシュバックも・・・
そして何よりも孤独な不安。
僕はそこに遊んだ、のかも知れない。

つづく・・・

南雲賢


旧フランス大使館にて

   人気ブログランキングへ 

フェイスブックとツイッター始めました。
南雲のフェイスブック 
南雲のツイッター 

僕の撮った写真は、サイト「フォトナ」で観ることが出来ます。
そして、掲載されている5000点以上の全ての写真・イラストを無料でダウンロード、皆様に使用していただくことが出来ます。
「フォトナ」サイトは、こちらからどうぞ。
http://www.photona.net    
「フォトナ」のグルっぽを立ち上げました。
http://group.ameba.jp/group/5kEroXCV5Iy8/ 
皆様のサイトへのアクセス、そしてグルっぽへの参加、お待ちしております。