文京区に位置する小石川植物園。
僕は5年前から通い続けこの土地と植物を撮り続けてきました。
カット数は約10万。
その写真は、僕が主宰するサイト「フォトナ」において順次掲載しています。

この特殊な土地はあらゆるモノを拒絶します。
僕がこの土地に受け入れられたのは、通い始めて3年目です。
この土地には人の生活、そして怨念が染み付いています。

それに気づいてから僕は
「無意識でシャッターを押す」
と言う術を身に付けたように思っています。

それからそのように約一年、小石川を撮り三度ほど写真展を開かせていただきました。
またそれが震災に重なったこともあり、思うところもあり、撮影は終止しました。
今現在、この土地に対する僕の興味は完全に薄れています。

土地が見えてしまったのです。

昨年の9月に書きました。
http://ameblo.jp/photona/theme14-10018580569.html
南に斜面がある丘になっているので、古代から人はこの地に住んでいます。
蛇足ですが、縄文の後の弥生式土器は植物園から二キロほど離れた、本郷の弥生町から発見されています。
もう少し駒込よりには貝塚もあります。
この9月書きました発掘はかなりガサツなものでありまして(僕は発掘のアルバイトの経験があるので良くわかります)、短期間に重機で掘り起こし、また適当に埋めなおしただけですので、今でもその場所に行くと、土器の破片が沢山無造作に落ちています。

二ヶ月ほど前から植物園の東側の道路に沿って、そこに生えている木を切り倒したりしているので「??」だったのですが、先月、訪れたときには発掘をしていました。
江戸時代も含め、そりゃ掘れば掘るほど色々なモノが出てくる事でしょう・・・
掘り下げれば石器も出てくるかもしれませんね。
植物園の方々に発掘について尋ねると、皆口を濁します。
知られたくないのでしょうね・・・

しかし、この東京のど真ん中で一級の発掘現場。
一般の方々はもちろんですが、近所の小学生、中学生に見学させるのに持って来い、だと僕は思います。
都会の子供たちが実際の発掘現場を見れるなんて、こんな素晴らしいチャンスはないと思います。
まあ、現場は穴が掘ってあって危険だから・・・と言われればそれまでですが。

先週の土曜日は敷地内にある博物館での東大生が中心となって行ったファッションイベントに参加して来ました。
発掘現場を通ると沢山の人たちが集まっています。
一般公開をしていたようです。
でもどのようにして募集したのかな?

で、その更に回りに何人かの明らかに現場見学の参加ではない、人たちが深刻な顔をして何かを配っている。
新聞のコピーでした。

合点です。
道路の拡張計画によって、植物園の道路側(おそらく十メートル位?)を削って道路にするそうです。
で、コピーを配っている方たちは、それに反対している、のですね。

なるほどな・・・
と思いました。
で、僕はそれ以上、何も思わなかったし、今も思っていません。

ただハッキリ僕が言えるのは
「この特殊な土地はあらゆるモノを拒絶する」
と言う事です。

南雲賢

東京大学総合研究博物館小石川分館にて

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