朝5時過ぎ、高校生ぐらいの男の子が、
『若い男の子がおりてきませんでしたか?』
と、やってきた。
続けて同じ質問を女性が。
私達は朝5時から出勤しているが、男の子は見かけていない。
話を聞くと、母・兄・弟で富士登山。
夜中に下山中、弟が先に進み、そのまま見失ってしまったとのこと。
中学3年生というその弟は、ライトは持っているものの、所持金も携帯電話も水分も持っていない。
途中小屋に聞いても、協力金ブースに聞いても見た人はおらず、
トイレなどを探すものの見つからない。
遠方から来ていて土地勘も無く、登った登山口も違ったため、真っ暗の山道をどこまで降りたかわからず、見当も付かず..
母親が警察に電話することに。
警察はすぐに来てくれたものの、動揺している母親の話は二転三転することも多く、場所も特定できず..
レスキューが捜索開始するものの、見つからず...
さらに多くのレスキューが動員され、ヘリも待機する中、
自力で下山してきました。
救助要請から約5時間。母親の心配は計り知れない。
しかし、これは防ぎようがあった事例。
まず第一に離れて歩いてしまったこと。
今回は母親が足の不調で歩行が困難になり、夕方下山し始めたものの前に進めず深夜歩く羽目になった。
また、弟が遠くに見えた登山者の灯りを頼りに助けを求めにおりてしまった。
下山を始めた時点ですでに夕刻。
登りで足の不調に気づいたのなら、その時点でレスキューを呼ぶなり泊まって体を休めるなりすれば良かったものの、無理をしておりてしまった。
真っ暗な中、道も知らない子供をひとりで降ろさせてしまった。(道を知っていても暗闇では危険だし、わからない。)
対策としては、
同行者と絶対に離れないこと。
離れて見つからない、わからない、なんて毎日聞きます。
同行者が不調を起こしたら置いていかない。(特に子供)
一緒に引き返すか、必ず連絡を取れる状態にすること。
無理をしない。異変を感じたら同行者に報告し、対策を練ること。
高山病を発症したら直ちに下山すること。
水分は各自持つこと。
なるべく深夜に歩かない。
同行者の着衣、レインウエア、ザックカバーの色や特徴は把握しておくこと。
登山開始時間、休憩時間、山小屋通過時間は各自覚えておくこと。
細かい状況がわかれば探しやすい。
万が一はぐれてしまったら、すぐレスキューに連絡すること。
今回、一本道だからはぐれるとは思わなかった!
という言葉も聞きましたが、
山では霧が出てホワイトアウトし道がわからなくなることなんてしょっちゅうです。
ましてや暗闇の中、正確な道を歩けますか?
一度も来たことのない山で、ましてやコースも行きと帰りを変えたのに、どこがゴールかなんてわかりますか?
今回は大事にはいたらなかったものの、
大きな事故に繋がる事例です。
このようなことが富士山では毎日のように起きています。
人が多いから大丈夫なんて過信しないでください‼︎
とにかく、、無事で良かった...