昨年は、20世紀イギリスの代表的な作曲家の一人、
エドワード・ベンジャミン・ブリテン(1913-1976)の
生誕100年にあたりました。
二人のオペラ王、ワーグナーとヴェルディの生誕200年という
ビッグウェイヴの陰に隠れて、
あまり話題にならなかったかもしれませんが、
ブリテンの作品もなかなか素晴らしい音楽だと、
私はいつも注目しています。

20世紀の作曲家としては珍しく、
多くの歌劇を残しています。中でも最高傑作は
「ピーター・グライムズ」(1944-45)でしょうか。
その他に、近年でも上演機会が聴かれるものに、
「ねじの回転」(1954)や
「カリュー・リヴァー」(1964)が挙げられます。
後者は、来日した際に接した能楽の「隅田川」に
触発された作品として非常に有名です。

声楽を伴う交響的作品も、ブリテンの真骨頂の一つでしょう。
「戦争レクイエム」(1960-61)や
「春の交響曲」(1949)が有名です。

純器楽作品としての交響的作品にも、
「シンプル・シンフォニー」(1933-34)や
「青少年のための管弦楽入門」(1946)等、
今日のオーケストラのレパートリーとして
定着している作品も幾つか挙げられます。

「シンフォニア・ダ・レクイエム」(1940)は、
皇紀2600年の奉祝曲として日本政府からの委嘱を受けて
作曲された作品でしたが、複雑な事情が絡んだ末に、
結局は上演見送りとなったという経緯があります。

その他、弦楽四重奏曲や声楽曲等、
室内楽作品も時おり耳にする機会があります。

私が日平素に愛聴している作品は、
歌劇「ピーター・グライムズ」からのコンサート・ピースで、
「四つの海の間奏曲」と「パッサカリア」です。
近代的で凛とした響きを醸し出すオーケストレーションは、
なかなか見事です。

YouTube /
ブリテン/歌劇「ピーター・グライムズ」より四つの海の間奏曲 
ユージン・オーマンディ指揮 / フィラデルフィア管弦楽団

四つの海の間奏曲 第1曲「夜明け」


四つの海の間奏曲 第2曲「日曜日の朝」


四つの海の間奏曲 第3曲「月の光」


四つの海の間奏曲 第4曲「嵐」