4楽章構成でいかにも後期ロマン派風の大柄な交響曲だった
<第1番>に対して、約25年後に初演されたこの<第2番>は、
一転して3楽章構成の近代交響曲の佇まいになっています。

ザ・ビートルズの出身地としても有名なリヴァプールの
市制750年を記念して1957年に初演するために委嘱されましたが、
完成が遅れたために、結局は1960年の初演となりました。

では、その近代的な3楽章構成による
ウォルトン<交響曲第2番>を聴き進めていきましょう。

[第1楽章] アレグロ・モルト
ハイドン的とも言える(とは言え非常に重量感のある音楽ですが)
単一主題に基づくソナタ形式による引き締まった冒頭楽章です。
基調はト短調と目されますが、頻繁に遠隔調的音程に脅かされ、
ある種の辛辣さとでも言えるような性格の音楽が展開されます。

[第2楽章] レント・アッサイ
緩徐楽章らしい抒情的且つ瞑想的な楽想から、
やがて大らかなクライマックスが生成されていきます。
この作曲家唯一のオペラ<トロイラスとクレッシダ>との
関係性が指摘されるようです。

[第3楽章] パッサカリア(主題と変奏)、フーガとコーダ
古典的な作曲様式を活用した、言わば新古典主義的な
フィナーレになっています。
全曲で30分にも満たない交響曲ですが、
なかなか密度の濃い作品だと私は感じ入っています。

バルトークの<管弦楽の協奏曲>のような例も
挙げられるように、近代音楽の名曲の終楽章には、
フーガの技法の部分的に応用を
しばしば発見することができます。
ウォルトンの場合、交響曲では2作品共に
終楽章にフーガを用いています。

この<第2番>は、<第1番>に比べて
更に演奏機会の少ない作品ではありますが、
小粒でもピリリと辛いスパイスのような存在感があります。
東京で生演奏で聴く機会はいつかあるでしょうか!


写真は、先年の金環食で私自身が撮影したショットの
アンコール再掲載にしましょう。幻想的でしょう!

$松尾祐孝の音楽塾&作曲塾~音楽家・作曲家を夢見る貴方へ~-金環食1