• 30 Nov
    • 独創性の極致!強烈なロマンの放射!〜チャイコフスキー<交響曲第6番「悲愴」>

      チャイコフスキーの交響曲探訪シリーズも早いもので今日が最終回になりました。皆様のご精読に感謝いたします。さて、第6番「悲愴」は、最晩年の1893年に作曲され、同年の晩秋にサンクトペテルブルグで、作曲者自身の指揮によって初演されました。あまりにも独創的な極限的ディミニュエンドで閉じる終楽章に戸惑いを隠せない聴衆もいたということですが、チャイコフススキー自身はこの作品に対して絶大なる自信があったと伝えられています。しかし、数日後にコレラに罹患したことが原因で病の床に就き、初演の9日後に帰らぬ人になってしまったのです。ですから、作曲家自身が既に命名していたと思われる”悲愴"という標題が、より一層の運命的な意味を持って独り歩きを始めてしまった作品でもあります。私自身、若い頃はあまりにセンチメンタルに感じてしまい、この曲が好きになれませんでしたが、次第に音楽を構造的に聴くことができるようになってから、この曲の魅力に目覚めていきました。特に、バーンスタインが晩年に録音したCDをの、1時間に及ばんとする後期ロマン派的な記念碑的名演を聴いて以来、すっかり虜になっています。チャイコフスキー/交響曲第6番「悲愴」レナード・バーンスタイン指揮ニューヨーク・フィルハーモニックグラモフォン / F35G 20084### チャイコフスキー/交響曲第6番 ロ短調「悲愴」###第1楽章は、第5番と同様に北方の針葉樹林を思わせる深々とした序奏から始まります。やがて、断片的な動機を紡いでいくようにソナタ形式の第一主題が弱奏から立ち上がります。そのまま発展的に扱われた後、強奏によって再提示されます。このあたりの筆致はチャイコフスキーならではのものです。そのクライマックスが収束した後、がらっとテンポを変えて、まるで第2楽章として緩徐楽章は始まったかのように、濃厚なロマンを湛えた第二主題がゆったりと奏されます。第二主題の中にまた中間主題のような副次的部分もあり、連綿と続いていきます。提示部、という一つの部分を捉えるよりも、第一主題部と第二主題部が存在し、しかも第二主題部が肥大している独特なソナタ形式の扱いと考えて良いでしょう。突然の強奏で展開部が始まります。かつてこの部分がインスタント珈琲のCMで使われていました。画面でタクトを振っていたのは岩城宏之さんでした。第二主題の長さに比べると短めの展開部ですが、展開の凝縮度と迫力には凄まじいものがあり、一気にクライマックスの昇り詰めたところで、そのまま第一主題のフルトゥッティによる再現に突入します。この手法も、チャイコフスキーの得意技です。その後、かなり変容された再現と推移が続いた後、またまた長大な第二主題がやってきます。そして、これまでの交響曲では肯定的な終結部が置かれましたが、この楽章は耽美的に収束していきます。序奏・第一主題・第二主題・展開・第一主題・第二主題・終結という7部分構成と捉えて、第二主題が肥大していると考えると、通常の交響曲の冒頭楽章と緩徐楽章の内容と性格を併せ持った楽章と言えると思います。実に独創的でロマンティックでドラマティックが音楽です。第2楽章の独創性も半端ではありません。ロシア風のワルツの雰囲気ですが、何と5拍子なのです。スラブにはよくある民俗的なリズム感なのだそうです。複合三部形式によって構成されています。私としては、スケルツォに変わる舞曲楽章と考えます。第3楽章はスケルツォ風の行進曲です。一つの主題でごり押しするような、一直線の迫力があります。一応、途中で出直すような構成になっていますから、前後で二部形式的(複合二部形式)と考えて良いでしょう。通常の交響曲ならばこれで終楽章でも充分と思われる程の量感と迫力に溢れた音楽です。確かに、"第1楽章に楽章二つ分の音楽が内包されている"と考えると、ここまでで楽章四つ分の音楽になているのです。このように考えてくると、最後の第4楽章は実質的には第5楽章に相当します。一般的には、緩徐楽章を終楽章に持ってきて、通常の交響曲の楽章順を基準にすると1342の順番に並べ替えたというよに言われる向きもありますが、そのような単純な話ではないと私は確信しています。形式構造は、発展的で自由な複合三部形式と考えられます。中間部がかなり発展的ですから、ソナタ形式的と捉えてもよいでしょう。第1楽章の第二主題を対を成す濃厚なロマンを湛えた音楽が、最後は消え入るように全曲を閉じます。YouTube / チャイコフスキー 交響曲第6番「悲愴」        カラヤン ベルリン・フィルマーラーの交響曲第9番は、この"悲愴"が無かったらあのような形では誕生しなかったのでないでしょうか。後世にもの大きな影響を及ぼした、希代の名曲と言えるでしょう。

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    • ヤッター!!!葛西紀明選手W杯優勝!〜最年長優勝記録を更新!〜

      スキー・ジャンプのW杯2014-15シーズンが始まりました。11月28日にフィンランドで開催された第2戦では、伊東大貴選手が2位、葛西紀明選手が3位に入り、今シーズンも日本チームは好調です。そして、29日に行われた第3戦では、葛西選手が1本目で145メートルに最長不倒を飛び、風に恵まれなかった2本目も上手くこらえた飛行を見せて、スイスのシモン・アマン選手と同点の優勝を成し遂げました。この42歳での優勝は、自らが持つワールドカップの最年長優勝記録を更新する大記録です。おめでとう!葛西選手!YouTube / 葛西紀明 スキージャンプW杯優勝       思わず「やったー!」2014-11-30頑張れ日本! がんばろうニッポン!

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    • <洗足学園創立&川崎市制90周年記念コンサートinミューザ川崎>は明日開催!

      洗足学園音楽大学は、12月7日まで<FUYUON!2014>の開催中ですが、明日12月1日は会場をミューザ川崎に移して、<洗足学園創立&川崎市制90周年記念コンサートinミューザ川崎>の開催となります。洗足学園創立90周年と川崎市の市制90周年を記念した、ミューザ川崎シンフォニーホールを会場としての演奏会です。指揮台には、本年文化功労者に選出された秋山和慶教授が上がられます。この記念の年を祝うにふさわしく、大編成の合唱を加えて、クリスマスを迎える冬の初めにぴったりなヘンデル作曲の「メサイア」を演奏します。その他、汐澤安彦氏指揮による、本学最高レベルの吹奏楽団、"ホワイト・タイ・ウィンド・アンサンブル"の演奏もあります。洗足学園音楽大学のクラシック音楽部門の総力を結集した内容となっています。どうぞご期待ください。当公演は<FUYUON!2014>音楽祭パスでも入場することが出来ます。当日の会場でもパスと同じく1000円でご入場いただけます。皆様のご来場をお待ちしております。###<洗足学園創立&川崎市制90周年記念コンサート                   inミューザ川崎>###      12月1日(月) 19:00開演 (18:30開場)       ミューザ川崎シンフォニーホール  音楽祭パス1,000円(予約不要・全席自由・未就学児不可)         ※当日18:00~パス販売開始【指揮】汐澤 安彦 秋山 和慶【出演】第1部 ホワイト・タイ ウィンド・アンサンブル    第2部 馬場 由香(ソプラノ)        SENZOKUストリングオーケストラ        洗足学園音楽大学合唱団【曲目】 第1部  D.D.ショスタコーヴィチ(編曲 D.ハンスバーガー)祝典序曲 op.96 伊福部 昭(編曲 和田 薫)/ゴジラファンタジー M.ジアッキーノ(編曲 星出 尚志)/Mr.インクレディブル M.マッサー(編曲 森田 一浩)/すべてをあなたに R.エルナンデス(編曲 岩井 直博)/エル・クンバンチェロ 第2部  A.シェーンベルク/浄められた夜 作品4 G.F.ヘンデル/メサイア より 公演情報はコンサートガイドを是非ご覧ください。 http://www.senzoku-concert.jp/・・・前田ホールの夕景です。 12月1日の会場はミューザ川崎ですのでお間違えなく!・・・

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  • 29 Nov
    • チャイコフスキー<交響曲第5番>〜人気の高い名曲〜

      チャイコフスキーの交響曲を探訪するシリーズも、いよいよ終盤に入ってきました。今日は三大交響曲の二曲目、第5番の紹介となります。交響曲第1番と第2番の初演がそれぞれ大成功となって、またシンメトリックな5楽章構成を持つ第3番も発表して、ロシアで最初の本格的なシンフォニストとしての地歩を確固たるものに固めていったチャイコフスキーは、メック夫人のパトロネージュによって経済的安定を得て大作の作曲に没頭できた成果が、第4番の強烈でドラマティックな音楽に結実しました。しかしその後は楽想の枯渇や疲労感等、スランプに陥りました。何とかマンフレッド交響曲を書いたものの、第5番への道のりは遠かったようです。しかし、1986年のヨーロッパ演奏旅行で作品が好評を博し、マーラーやR.シュトラウスやグリーグとの交遊に刺激を得て、再び意欲を取り戻して、1888年にこの第5番を一気に書き上げました。初演当初は、作曲家本人はこの作品を必ずしも評価していなかったようですが、演奏毎に聴衆の支持を得るに従って、次第に本人も納得していったという逸話が残っています。第1楽章の第3主題、第2楽章の副主題、第3楽章の主要主題と、3つもワルツが主役になるといういささか珍しい特徴を持った交響曲ですが、冒頭に現れる単調の序奏主題が、展開部等で巧みに展開された後、終楽章の冒頭で長調で回帰して更にコーダでは高らかな行進曲となって全曲を閉じるという一環した構成感は、チャイコフスキーの交響曲随一と言えるでしょう。私が生演奏を聴いた中での名演としては、ムラヴィンスキー&レニングラード・フィルの来日公演に足を運んだ経験を挙げておきましょう。私の仕事場のライブラリーでは、カラヤン盤LPが棚の奥に眠っている他、下のCDが愛聴盤となっています。チャイコフスキー/交響曲第5番         幻想序曲「ハムレット」シャルル・デュトワ指揮 モントリオール管弦楽団LONDON / POCL 5081### チャイコフスキー/交響曲第5番 ホ単調 作品64 ###第1楽章は、北の大地の針葉樹林を思わせるような陰鬱な序奏主題に始まります。この序奏主題は、第4番の序奏と同様に"運命の主題"と呼ばれることもあります。やがてソナタ形式主部に入り、序奏主題から派生した一歩一歩踏み出すような第一主題が発展的の提示され、次に激情が迸るような第二主題が情感を煽り、やがてロシア風のワルツによる第三主題に至ります。展開部は第一主題を中心に序奏主題も交えて充実を見せて、クライマックスが収まったところで再現部になり、三つの主題が再現された後、第一主題を敷延した終結部によって音楽が鎮まります。第2楽章は、美しい緩徐楽章です。一般には(複合)三部形式を応用した構成と言われていますが、細かく分析すると実はかなり複雑です。柔らかに和音を紡ぐ序奏の後に有名なホルンの主題がたおやかに奏でられます。続いて、オーボエによる副主題が束の間の夢のように過ぎ去ります。そして直ぐにまた主要主題が今度は弦で再提示され、盛り上がったところで"運命の主題"を暗示します。続く副主題は、ロシア風のワルツの色合いが濃厚です。ここまでを主部と捉えるのが一般的でしょう。続く中間部に相当する部分では、クラリネットによる寂しげな中間主題から始まり、発展的に推移していきます。このあたりの筆致は、単なるメロディー・メイカーではないチャイコフスキーの構造的手腕の面目躍如といった感じです。そして、"運命の主題"が強烈に回帰した後、主部に戻ります。主要主題が変奏曲風に再現され、そしてまた副主題がワルツ風に高らかに歌われます。そして、楽章を閉じると思いきや、突然"運命の主題"が荒々しく回帰して聴き手の度肝を抜いた後、副主題が穏やかに奏でられて静かに音楽を閉じます。第3楽章は、スケルツォの替わりにワルツ楽章になっています。チャイコフスキーらしい創意による舞曲楽章と言えるでしょう。短く地味な中間部を持つ(複合)三部形式です。終わり間際に、木管に"運命の主題"が静かに顔を出し、次の終楽章の序奏での華々しい回帰を暗示します。第4楽章は、序奏と勇壮な終結部を擁する堂々たるソナタ形式による終楽章です。第1楽章冒頭の序奏主題="運命の主題"が、この楽章の冒頭の序奏に長調になって回帰して、"闘争から歓喜へ"というベートーヴェン以来のモットーを、チャイコフスキー流に象徴しています。主部は、二つの主題がキリリと引き締まったソナタ形式です。展開部の後半の強烈なクライマックスからそのまま再現部に強奏のままなだれ込む手法は、チャイコフスキーの得意技です。終結部では再び長調になった"運命の主題"が高らかに、そして今度は更に行進曲長に勇壮になって鳴り響き、圧倒的な迫力の中で全曲を閉じます。YouTube / チャイコフスキー: 交響曲 第5番 ホ短調 作品64       ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮        1971年 ベルリン・フィル第6番「悲愴」と人気を二分するこの第5番は、やはり何度聴いても飽きない交響曲です。

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    • 11月のボクシング世界タイトルマッチ〜2王者ともに防衛に成功!

      日本のジムに所属する世界王者は、現在5名です。その中の二人が、この11月に相次いで防衛に成功しました。***** WBO世界バンタム級王座統一戦 ***** (11月1日 米イリノイ州シカゴ・UICパビリオン) 正規王者・亀田和毅は、所属ジムに課せられたペナルティーによって日本国内での試合ができないため、アメリカで防衛戦を重ねています。前戦では強烈なKO勝ちで強烈な印象を全米に与えた亀田末弟は、今回は暫定王者・アレハンドロ・エルナンデスとの対戦でした。流石に相手も王者で厳しい試合となり2-1の判定、スプリット・デシジョンでの勝利という結果になりました。辛勝でしたが、とにかく海外での連続防衛を果たして、来年にはWBA王者との統一戦が実現する見通しです。大いに期待しましょう。YouTube / 亀田和毅 世界戦 結果 速報       WBO王者 亀田和毅 3度目の防衛戦! *** WBC世界スーパーフェザー級タイトルマッチ *** ○      (11月22日 横浜国際プール)王者・三浦隆司は、11ヶ月ぶりの防衛戦ということで、ブランク明けの不安がありましたが、1回の早くもダウンを奪い、その後は打ちあいの展開になったものの、6回に集中打を浴びせ、挑戦者の同級1位・エドガル・プエルタをTKOで退けて、3度目の防衛に成功しました。この3度の防衛は、1位・2位・1位というトップランクの挑戦者を撃破した立派なものです。次は、WBA王者の内山高志との統一戦が期待されます。YouTube / ボクシング 三浦隆司vsエドガル・プエルタ      KOラウンド Takashi Miura vs Edgar Puerta

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    • 高倉健さんの逝去を悼む〜映画「あなたへ」

      映画俳優(本人がそう呼称していました)高倉健さんが、去る11月10日に逝去されました。慎んでご冥福をお祈りいたします。「あなたへ」は、高倉健さん最後の主演作品となった映画で、追悼番組として先日にテレビ放送もあれました。派手ではないストーリーですが、しみじみと心に迫るドラマがある作品でした。#####映画「あなたへ」#####監督=降旗康男脚本=青島武音楽=林祐介撮影=林淳一郎編集=菊地純一製作会社=東宝映画配給=東宝公開=2012年8月25日上映時間=111分キャスト: 高倉健=倉島英二(刑務作業指導教官) 田中裕子=倉島洋子(妻・慰問に来所した歌手) ビートたけし=杉野輝夫(キャンピングカーの男) 草彅剛=田所裕司(北海道物産の移動販売業務の主任) 佐藤浩市=南原慎一(田所の部下・過去に何かを抱えている) 余貴美子=濱崎多恵子      (漁師の夫を遭難で亡くした後に濱崎食堂を営む) 綾瀬はるか=濱崎奈緒子(多恵子の娘) 大瀧秀治=大浦吾郎(老漁師)    他YouTube / 映画『あなたへ』

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  • 28 Nov
    • チャイコフスキー作品の中では異色の標題交響曲=<マンフレッド交響曲>

      チャイコフスキーの交響曲を探訪するシリーズも、回を重ねて、昨日から有名な三大交響曲の紹介に入りました。交響曲第1番と第2番の初演がそれぞれ大成功となって、またシンメトリックな5楽章構成を持つ第3番も発表して、ロシアで最初の本格的なシンフォニストとしての地歩を確固たるものに固めていったチャイコフスキーは、メック夫人のパトロネージュによって経済的安定を得て大作の作曲に没頭できた成果が、第4番の強烈でドラマティックな音楽に結実しました。ここでもう一度、チャイコフスキーの交響曲の作曲年を書き出してみましょう。♪ 交響曲第1番ト短調作品13「冬の日の幻想」(1866年)♪ 交響曲第2番ハ短調作品17「小ロシア」(1872年)♪ 交響曲第3番ニ長調作品29「ポーランド」(1875年)♪ 交響曲第4番ヘ短調作品36(1878年)♪ マンフレッド交響曲作品58 (1885年)♪ 交響曲 第5番ホ短調作品64(1888年)♪ 交響曲 第6番ロ短調作品74「悲愴」 (1893年)第2番から第4番にかけては3年に1曲のペースで交響曲を発表してきたのですが、その後、長いブランクができることが判ります。この間、ソナタ形式を如何に扱うべきか等、大規模器楽作品の作曲に対してかなり悩んでいたらしいのです。その中で、以前にロシアの作曲家のバラキレフから"バイロンの「マンフレッド」に基づく標題交響曲"の作曲を勧められ、1885年に書き上げた作品が、日本ではあまり演奏されない「マンフレッド交響曲」です。ヨーロッパのメジャー・オーケストラでは結構な頻度で演奏されているようですが・・・。演奏時間は50分を遥かに超える規模を有する後期ロマン派的と言えるなかなかの大作です。私の仕事場のライブラリーには、往年の名盤として有名なオーマンディ盤のCD復刻版が在ります。チャイコフスキー/マンフレッド交響曲ユージン・オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団RCA / BVCC 38291### チャイコフスキー/       マンフレッド交響曲 ロ短調 作品58 ###第1楽章~アルプスの山中を彷徨うマンフレッド~悲痛な雰囲気の頂戴な序奏からこの曲の道のりは始まります。バス・クラリネットとファゴットに、"マンフレッドの主題"が聴こえてきます。やがて、ソナタ形式の提示部に相当する主部に入っていきます。標題性を帯びている影響もあってか、これまでの4曲の交響曲のソナタ形式の提示部とはかなり趣が異り、茫洋としたスケール感があります。主部を終えると序奏の楽想が回帰した後、更に濃厚なロマンの放射となってクライマックスに到達していきます。第2楽章~アルプスの妖精~二拍子のスケルツォ楽章です。トリオ(中間部)とコーダで"マンフレッドの主題"が聴こえてきます。 ハープの伴奏が典雅な雰囲気を醸し出します。第3楽章~山人の生活~ロンド形式を応用した構成による緩徐楽章と考えてよいでしょう。細かく分析すると相当に複雑なロンド形式的構成になりますが、大局的に分析すると、主要主題と幾つかの楽想がパッチワークのようにランダムに繋げられた主部にワルツのリズムに乗せて"マンフレッドの主題"が高らかに歌われる中間部が挟んであるという構図です。第4楽章~アリマーナの地下宮殿~一つの楽章のような大きな規模を持つ前半部が、楽章開始から猛進します。対位法的手腕も発揮しながら激情が迸るような主要部がひとしきり終わると、穏やかな緩徐部が続きます。その後に、第1楽章の主部の提示部に対する再現部に相当する第4楽章の後半部となります。楽章の枠組みを超えたソナタ形式の応用という、この曲が作曲された時代としては極めて大胆なアイデアです。終盤のクライマックスでは、オルガン(ハーモニウム)の荘厳な和音も聴こえてきます。そして最後は、穏やかに眠りにつくように緩やかなテンポで静かに全曲を閉じます。YouTube / チャイコフスキー マンフレッド交響曲-終曲            スヴェトラーノフチャイコフスキーの交響曲の中では、構造的には多少曖昧な感も否めませんが、後期ロマン派的大作としての存在感が充分な作品と言えるでしょう。

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    • ウイスキー浪漫 竹鶴の夢 第三話(最終話) [ニッカウヰスキー]〜「マッサン」にちなんで〜

      実は、酒類ならば何でもたしなむ私ですが、とりわけウイスキーには強い思い入れがあります。特にアイラ系のシングルモルトが大好きな私です。NHK朝の連ドラ「マッサン」の大ヒットによって、近年は世界的にワインブームに押されている状況のウイスキーに、再び関心が高まることを願っています。そこで、4日連続で、ウイスキーにまつわる素敵なYouTubeをリンクしています。今日が最終回です。長い映像ですので、時間を見つけてじっくりとご鑑賞ください。できれば、ウイスキーのグラスを傾けながら・・・YouTube / ウイスキー浪漫 竹鶴の夢 第三話(最終話)      [ニッカウヰスキー]

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    • <FUYUON!2014>プレビュー!〜洗足学園音楽大学がお贈りする冬の音楽祭〜

      洗足学園音楽大学が毎年冬の初めにお送りする学生の成果発表を中心とした"冬の音楽祭"が、今年も<FUYUON!2014>として開催されます。キャンパス正門脇にはタペストリーも吊るされています。皆様のご来場をお待ちしています。明日=11月29(土)開幕~12月7日(日)最終日の全9日間の会期中に約40公演が行われます。有料公園と無料公演がありますが、音楽祭パス(1000円)を当日の会場でご購入いただければ、会期中の全ての公演にご入場いただけます。(満員等の事情を除きますが)#11月29日(土)13:00開演@前田ホール♪サクソフォーンオーケストラ冬の演奏会15:00開演@シルバーマウンテン1F♪團伊玖磨レクチャーコンサート16:00開演@講堂♪フルートオーケストラ演奏会16:30開演@ビッグマウス♪Music Design Live Special 118:00開演@前田ホール♪洗足ジュニアオーケストラ第6回定期演奏会#11月30日(日)13:00開演@前田ホール♪洗足こども短期大学幼児教育保育科 ウィンド・バンドコンサート13:00開演@シルバーマウンテン1F♪バロックとその周辺の音楽14:00開演@シルバーマウンテン2F♪クラシックギターコース演奏会15:00開演@講堂♪ピアノコース選抜学生コンサート16:00開演@ビッグマウス♪Music Design Live Special 218:30開演@前田ホール♪レパートリーオーケストラ演奏会###12月1日(月)19:00開演    @ミューザ川崎シンフォニーホール###♪♪♪洗足学園創立&川崎市制90周年記念コンサート注)この公演のみ会場がミューザ川崎ですので注意ください。#12月2日(火)18:30開演@シルバーマウンテン1F♪魅惑のバッハ18:30開演@前田ホール♪フレッシュマン・ウィンド・アンサンブル演奏会#12月3日(水)18:30開演@前田ホール♪打楽器アンサンブル演奏会#12月4日(木)18:30開演@前田ホール♪ピアノアンサンブルコンペティション本選#12月5日(金)18:00開演@前田ホール♪電子オルガン&パイプオルガン演奏会vol.8 幼児教育保育科 第九コンサート18:30開演@講堂♪大学院コンサートシリーズ 名手と共に18:30開演@シルバーマウンテン1F♪大学院プロフェッショナル研究管研究発表演奏会#12月6日(土)11:00~18:00@地下食堂ミューズ特設ステージ♪JAZZ COURSE LIVE 111:00~@Mスタジオ&Bリハ♪"MOVIE & SOUND EXHIBITION"   by Music & Sound Design Course Ⅰ11:00~17:00@2301教室♪SENZOKU CINEMA PARADISE 112:00開演@講堂♪邦楽器との出会い~声、絲、太鼓、音の綾~14:00開演@前田ホール♪ブルー・タイ・ウィンド・アンサンブル演奏会16:00@シルバーマウンテン1F♪ピアノアンサンブルスペース18:00開演@ビッグマウス♪World Heritage of Rock & Pops Vol.118:00開演@講堂♪オペレッタ「メリー・ウィドウ」19:00開演@前田ホール♪ホワイト・タイ・ウィンド・アンサンブル演奏会#12月7日(日)11:00開演@前田ホール♪洗足学園小学校オーケストラ演奏会11:00~18:00@地下食堂ミューズ特設ステージ♪JAZZ COURSE LIVE 211:00~@Mスタジオ&Bリハ♪"MOVIE & SOUND EXHIBITION"   by Music & Sound Design Course Ⅱ11:00~17:00@2301教室♪SENZOKU CINEMA PARADISE 214:00開演@ビッグマウス♪World Heritage of Rock & Pops Vol.116:30開演@前田ホール♪グリーン・タイ・ウィンド・アンサンブル演奏会18:30開演@講堂♪専攻科 メモリー・コンサート♠短大(洗足こども短期大学)LINE UP♠♪モノモノキッチンファンタジー 「魔法のスパイス in パリ~海外近未来編」11/29土 15:30 開演@5103教室11/30日 15:30 開演@5103教室(上映時間90分)♪人形劇「ポンタのじどうはんばいき」他11/29土 10:30 開演@5103教室     12:30 開演@5103教室(上映時間40分)♪オペラ「魔法の笛とゆかいな仲間たち」11/30日 11:00 開演@5103教室     13:00 開演@5103教室(上映時間45分)問合せ:演奏支援センター 044-856-2981    (平日 10:00~17:00)URL : www.senzoku-concert.jp

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  • 27 Nov
    • 後期三大交響曲の第1弾!=チャイコフスキー<交響曲第4番>

      チャイコフスキーの交響曲を探訪するシリーズも、回を重ねて、いよいよ有名な三大交響曲に入ります。交響曲第1番と第2番の初演がそれぞれ大成功となって、またシンメトリックな5楽章構成を持つ第3番も発表して、ロシアで最初の本格的なシンフォニストとしての地歩を確固たるものに固めていったチャイコフスキーでした。そして、続く交響曲を1876~77年に作曲しました。この時期は、メック夫人がパトロン(支援者)になった頃で、経済的に余裕がうまれた中で大作の作曲に没頭できたようです。その甲斐あって、主題が強烈な印象を発散しつつ、重厚かつ痛切な楽想と響きが密度濃く交錯する、聴き手を圧倒するような迫力に溢れた作品が誕生しました。私自身の若い頃は、全曲にわたってあまりに痛切であり、また終楽章の極端な賑やかさにも共感できず、正直に言うとこの曲は苦手でしたが、歳を重ねるに従って聴くようになりました。私の仕事場のライブラリーに在る愛聴盤CDは下記のです。チャイコフスキー/交響曲第4番ソフィア・グヴァイデゥーリナ/チェロ協奏曲指揮=大野和士 チェロ=ゲリンガスバーデン州立歌劇場管弦楽団ANTES / BM-CD 31.9139チャイコフスキー/交響曲第4番         幻想曲「フランチェスカ・ダ・リミニ」シャルル・デュトワ指揮 モントリオール管弦楽団LONDON / POCL 5118###チャイコフスキー/     交響曲第4番 ヘ短調 作品36###第1楽章は、有名な"運命のファンファーレ"による序奏で始まり、一気に切迫していきます。やがてロマンが浮遊するような第一主題が提示されそのまま発展してクライマックスに到達した後、少々ユーモラスな第二主題と第三主題とも言える発展的な経過部が続きます。展開部では"運命のファンファーレ"も大活躍します。この第4番と後年の第5番における序奏主題の全曲にわたる活用は、大いなる見所・聴き所と言えるでしょう。展開部終盤のクライマックスからそのまま第一主題の強奏になだれ込む手法は、この作曲家独特のものです。終結部でも"運命のファンファーレ"が高らかにそして痛切に奏されます。第2楽章は、通常の(複合)三部形式と言うよりも発展的な三部形式とでも捉えるべき構成の緩徐楽章です。オーボエによる主要主題は、ロシア的で素朴でまた哀切です。通常はヴィブラートを充分にかけて演奏されることが多いですが、実はノン・ヴィブラートでも意外に効果が上がる旋律です。中間部の副主題を経て、主要主題が回帰する第3部は、単なる第1部の繰り返しではなく、なかなか手が込んでいます。最後は主題が断片的なモティーフに解体されて極めて静かに楽章を閉じます。第3楽章は、極めて独創的なスケルツォ楽章です。弦楽器のピツィカートのみによる意表を突く主部に対して、前半は木管楽器、後半は金管楽器を主体とした行進曲中のコラールのような中間部と、それを敷延したコーダのコントラストが印象的です。第4楽章は、 ABABAB "運命のファンファーレ" Codaという構成を持つ、ロンド形式を応用した大胆勝つ個性的な終楽章です。終楽章にドラマトゥルギーの頂点を持っていくというべートーヴェンの「運命」以来の"闘争から歓喜へ" という交響曲の存在意義のモットーを、大きな振幅をもって具現していると言えるでしょう。主要主題(A)は、あまりに楽天的に感じられますが、副主題(B)はロシア民謡によるもので素朴です。コーダは基本的に主要主題を活用したものですが、その他の主題のモティーフも総動員となって、輝かしいフィナーレとなります。YouTube / チャイコフスキー 交響曲第4番 第4楽章 ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮  ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団  1976年

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    • ウイスキー浪漫 竹鶴の夢 第二話[ニッカウヰスキー]〜朝ドラ「マッサン」にちなんで〜

      実は、酒類ならば何でもたしなむ私ですが、とりわけウイスキーには強い思い入れがあります。特にアイラ系のシングルモルトが大好きな私です。NHK朝の連ドラ「マッサン」の大ヒットによって、近年は世界的にワインブームに押されている状況のウイスキーに、再び関心が高まることを願っています。そこで、一昨日から4日連続で、ウイスキーにまつわる素敵なYouTubeをリンクしています。長い映像ですので、時間を見つけてじっくりとご鑑賞ください。できれば、ウイスキーのグラスを傾けながら・・・YouTube / ウイスキー浪漫 竹鶴の夢 第二話[ニッカウヰスキー]

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    • <現音エアー>:最新報告 世界の現代音楽〜ISCM2014ポーランド大会の話題〜

      日本現代音楽協会のYouTube番組<現音エアー>に久しぶりの新番組をがアップされました。国際現代音楽協会=ISCMの今年の世界音楽祭(ポーランド)に日本紙部代表として参加された福井とも子さんをゲストにお招きして、私=松尾祐孝がインタビューをしています。どうぞご覧ください。YouTube / 最新報告 世界の現代音楽 - GEN ON AIR #18ISCM世界音楽祭、かっては<World Music Days>と称していて、現在では<World New Music Days>等と呼称されますが、1923年第1回ザルツブルグ大会以来、第2次大戦中の中断を除いて毎年どこかの国で開催されてきました。日本では、2001年に私が実行委員長として横浜で開催しました。世界中の様々な志向や様式の現代音楽作品とその作曲家や演奏家が一堂に会する、相互啓発と国際交流の場です。皆さんも、何時か何処かの機会に、この音楽祭に参加されてみてはいかがでしょうか。きっと、未知の体験に遭遇できると思いますよ!

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  • 26 Nov
    • 大相撲 名力士・名勝負100年 Part15〜輪湖時代を彩った名脇役達〜

      今回の映像は、昭和50年夏場所の中日=八日目の天覧相撲の中での一番、富士桜・麒麟児戦の壮絶な突っ張り合いの相撲から始ります。天皇皇后両陛下が貴賓席から身を乗り出すように観戦されているご様子も映されています。続いて、平幕優勝も果たした金剛(最高位=関脇)、小兵ながら上位陣を苦しめた鷲羽山(最高位=関脇)、二度の優勝と二度の大関昇進を経験した魁傑、大関陥落からカムバックを果たして晩年に横綱昇進を果たした三重ノ海、絵に歌に趣味も多彩だった大関:増位山、気風の良い相撲を見せてくれた栃赤城(最高位:関脇)、大関級の地力で長く上位に君臨した蔵間(最高位:関脇)、といった個性豊かだった懐かしい力士が登場します。そして最後に、名大関:貴ノ花の話題になります。大横綱:大鵬の最後の一番になった新鋭期の白星、大関:清國に足を取られながら逆転勝利を挙げた驚異の粘り腰、そして歴史上に残る問題の相撲、北の富士の「かばい手」か、貴ノ花の腰が生きていて投げたのか・・・という一番、そして悲願の初優勝を遂げた場所の千秋楽での、北の湖との本割りと優勝決定戦の熱狂まで、名場面が続きます。YouTube / 大相撲 名力士・名勝負100年 Part15

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    • ウイスキー浪漫 竹鶴の夢 第一話[ニッカウヰスキー]〜朝ドラ「マッサン」にちなんで〜

      実は、酒類ならば何でもたしなむ私ですが、とりわけウイスキーには強い思い入れがあります。特にアイラ系のシングルモルトが大好きな私です。NHK朝の連ドラ「マッサン」の大ヒットによって、近年は世界的にワインブームに押されている状況のウイスキーに、再び関心が高まることを願っています。そこで、昨日から4日連続で、ウイスキーにまつわる素敵なYouTubeをリンクしています。長い映像ですので、時間を見つけてじっくりとご鑑賞ください。できれば、ウイスキーのグラスを傾けながら・・・YouTube / ウイスキー浪漫 竹鶴の夢 第一話[ニッカウヰスキー]

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    • <現代音楽演奏コンクール“競楽XI”本選会>は12月7日開催〜来場者には聴衆賞投票権!

      日本現代音楽協会と朝日新聞社が主催する現代音楽演奏コンクール"競楽"の第11回が開催されています。既に予選を終えて、本選進出者が決定しています。今回は、5人の審査員を作曲家で構成している点に特色があります。メンバーは下記の記載情報の通りです。先ず、本選会での演奏順でご紹介しましょう。中川 日出鷹(ファゴット)若林 かをり(フルート)EXTRAIL / 多久潤一郎 安田結衣子(フルート&ピアノ)田中 翔一朗(ピアノ)石井 佑輔(ピアノ)川村 恵里佳(ピアノ)古川 玄一郎(打楽器)望月 豪(マンドリン)本條 秀慈郎(三味線)松岡 麻衣子(ヴァイオリン)山澤 慧(チェロ)以上の11組です。ご覧のように、ピアノ・弦楽器・管楽器・打楽器・邦楽器とバラエティー豊かな顔ぶれとなりました。コンサートとしても聴き応え充分のイベントになるでしょう。この進出者の中から、第1位=第24回朝日現代音楽賞:賞状・賞金50万円第2位=賞状・賞金10万円第3位=賞状・賞金5万円の受賞者が選出されます。全出場者の演奏をお聴きになられる来場者には聴衆賞の投票権が付与されます。皆さんも、新鮮な演奏をじっくりと聴いて、ご自分の審美眼で一票を投じてみませんか。###<現代音楽演奏コンクール“競楽XI”本選会>###      2014年12月7日(日) 13時開演     けやきホール(古賀政男音楽博物館内)  小田急線・千代田線「代々木上原駅」下車徒歩3分           入場無料 審査員:中川俊郎(長) 北爪道夫  福井とも子     福士則夫  安良岡彰夫主催:日本現代音楽協会 朝日新聞社

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  • 25 Nov
    • 5楽章構成がシンメトリックな名曲=チャイコフスキー<交響曲第3番「ポーランド」>

      交響曲第1番と第2番の初演がそれぞれ大成功となって、ロシアで最初の本格的なシンフォニストとしての地歩を固めていったチャイコフスキーでした。そして、続く交響曲を1875年に作曲しました。この作曲家の交響曲としては唯一、長調で開始される音楽であり、また唯一5楽章構成を持つ作品になりました。標題のポーランド(Polish)は、終楽章がポロネーズ調の音楽であることに由来するようですが、作品そのものの成立や性格を象徴するものではありません。むしろ、最も絶対音楽的な性格が強い作品と言えるでしょう。5楽章ということもあって、演奏時間は45分以上に及ぶ、なかなか雄大な作品になっています。私の仕事場のライブラリーに在るCDはこの盤です。チャイコフスキー/交響曲第3番「ポーランド」         戴冠式祝典行進曲ミハイル・プレトニョフ指揮ロシア・ナショナル管弦楽団PENTATONE / PTC 5186383###チャイコフスキー/     交響曲第3番 ニ長調 作品29###第1楽章は、葬送行進曲調の序奏と明るく前進的な主部が好対照を成す冒頭楽章です。第一主題が提示された後に発展的な経過部の後に一段とスケールアップして再提示されるといった、独特のソナタ形式の扱いは、この作曲家ならではの筆致です。第二主題のオーボエの旋律に、同時期に作曲していた「白鳥の湖」との近似性も感じられます。第2楽章は、ドイツ舞曲風(レントラー風)の素朴な舞曲楽章です。トリオでは、三連符の伴奏音型がスケルツォ的な性格を加えています。主部自体がABAの構成を持っているので、全体としてはABACABAのロンド形式と見ることもできるでしょう。第3楽章は、悲愴感漂う緩徐楽章です。後年の三大交響曲の痛切・哀切な楽想の萌芽と感じられます。展開部が簡略化されたソナタ形式と説明できる構成です。第4楽章は、 スケルツォ楽章です。但し、通常の3拍子ではなく2拍子の音楽です。トリオとコーダでは、1872年のピョートル大帝生誕200年を記念したイベントの為に作曲したカンタータから転用したテーマが用いられています。第5楽章は、チャイコフスキー流のポロネーズによるなかなか壮大な終楽章です。ロンド形式と発展的手腕が見事に融合しています。ABACAというロンド形式(短縮型)に続いて、主要主題に基づくフーガ的発展が連綿と紡がれ、最後は華々しいコーダで結ばれます。YouTube / P. I. Tchaikovsky - Symphony No. 3       in D major, op. 29 (Gergiev)この第3番でも、情緒豊かな旋律の数々と共に動機の展開やソナタ形式の構成に細心の注意と創意が盛り込まれている、チャイコフスキーならではの音楽の構成・構造をお判りいただけることでしょう。

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    • <ウイスキー、その奥深き世界>〜ウイスキー談義〜「マッサン」にちなんで

      実は、酒類ならば何でもたしなむ私ですが、とりわけウイスキーには強い思い入れがあります。特にアイラ系のシングルモルトが大好きな私です。NHK朝の連ドラ「マッサン」の大ヒットによって、近年は世界的にワインブームに押されている状況のウイスキーに、再び関心が高まることを願っています。そこで、今日から4日連続で、ウイスキーにまつわる素敵なYouTubeをリンクしていきたいと思い立ちました。長い映像ですので、時間を見つけてじっくりとご鑑賞ください。できれば、ウイスキーのグラスを傾けながら・・・YouTube / SS22 土屋 守×堀上 守     「ウイスキー、その奥深き世界」      2014.10.03

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    • 大相撲九州場所を振り返って

      大相撲九州場所が終わりました。横綱:白鵬が、遂に、不滅の金字塔であった大鵬の大記録=優勝32回に並ぶ優勝を成し遂げました。YouTube / 横綱 大鵬 優勝32回 最後の優勝の一番14勝1敗=横綱:白鵬12勝3敗=横綱:鶴竜11勝4敗=横綱:日馬富士 大関:稀勢の里 前頭8:栃の心10勝5敗=前頭4:高安 前頭8:遠藤 前頭11:旭天鵬優勝を決めた直後、そして表彰式に向けて大銀杏を結い直す時間、そして表彰式やインタビューでの白鵬関の様子は、今までの優勝の時とはかなり違った面持ちでした。大鵬の記録に並んだ感激と感慨が滾々と湧き上がっていたのでしょう。鶴竜は、横綱昇進後の初優勝を逃しましたが、横綱4場所目で初めて12勝に到達できたことは収穫でした。日馬富士は、優勝できない場所の星が全く上がらない傾向が相変わらずです。稀勢の里は、日本人優勝と日本人横綱に最短距離と目され続けてきましたが、今場所も12勝に届きませんでした。このままでは万年"候補"のままで終わってしまいそうです。もう一度、奮起をしてほしいものです。その他の二大関は、琴奨菊が6勝9敗、豪栄道に至っては5勝10敗と共に負け越し、来場所は二人ともカド番となります。来場所は何とか立ち直って、土俵を賑わせてほしいものです。先場所の大活躍から一気に関脇に上がった逸丿城は、流石に上位の壁に当たり、苦労をしましたが、14日目に稀勢の里を破って、勝ち越しを決めました。大鵬等の大横綱でさえ、初めて幕内上位に上がった時は、一度は負けこしていますから、むしろ大健闘と評価できるでしょう。期待が集まる日本人力士のホープ=遠藤は、相変わらず相撲が固まらず、前半はもたついていましたが、後半戦で調子を上げて、10勝5敗としました、このあたりは、やはり実力者なのでしょう。大ベテランの旭天鵬も二ケタの10勝5敗として、大いに気を吐きました。誠に立派です。今年の大相撲は、これでお開きになりました。来年こそは、日本人力士の優勝や日本人横綱の誕生の長く久しい夢が叶えられることを期待しましょう。YouTube / 白鵬 vs 朝青龍 千秋楽相星決戦

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  • 24 Nov
    • 小振りな佇まいの佳品=チャイコフスキー<交響曲第2番「小ロシア」>

      交響曲第1番の初演の成功で、ロシアで最初の本格的なシンフォニストとして認知されることになったチャイコフスキーは、続く交響曲を1872年に作曲しました。3つのウクライナ民謡を作中に引用していることから、ウクライナを意味する「小ロシア」という呼称を初演当時のモスクワの音楽評論家から与えられたそうです。第1番よりも小振りで演奏時間約30分の規模ですが、なかなか魅力的な作品です。当時のロシア楽壇は、西欧派と民族派に二分されていました。チャイコフスキーは西欧派の代表格と目されていましたが、この作品は民族派を代表する「五人組」に高く評価された一方、西欧派の音楽家や評論家からは酷評されたようです。初演は1873年に行われ、第1番に続いて大成功となりました。後に第1楽章を大幅に書き変え、第2~4楽章にも多少手を入れた改訂版を完成させて、1881年に初演されています。私の仕事場のライブラリーに在るCDは、現在において通常に演奏される改訂版の演奏に加えて、初版の第1楽章も収録しているディスクです。チャイコフスキー/交響曲第2番「小ロシア」ミハイル・プレトニョフ指揮ロシア・ナショナル管弦楽団PENTATONE / PTC 5186382###チャイコフスキー/     交響曲第2番 ハ短調 作品17###第1楽章は、序奏に聴こえるホルンの旋律、ウクライナ民謡の「母なるヴォルガ」で印象的に始まります。やがてそれが力強い第一主題に変身してソナタ形式の主部に突入します。第二主題にしては勇壮な楽想を経て、両主題が発展される展開部の突入していきます。チャイコフスキーとしては珍しく、第一主題が明確に現れない再現部を経て、終結部に到達した後に、第一主題が回帰します。第2楽章は、淡々とした行進曲調でありまた間奏曲風でもある緩徐楽章といった趣の楽章です。未完に終わったオペラ「ウンディーナ」の楽想を転用しているということです。発展的な複合三部形式で、中間部の旋律としてウクライナ民謡「回れ私の糸車」が引用されています。第3楽章は、"小粒ながらピリリと辛い"といった感じの快速で刺激的なスケルツォ楽章です。トリオにはウクライナの舞曲のエッセンスが感じられます。第4楽章は、高らかな序奏の後に、ウクライナ民謡の輪舞曲「鶴(ジュラーベリ)」が変奏主題として活用され、趣向を凝らした変奏が紡がれます。最後は明るく肯定的なコーダによって幕を閉じます。YouTube / チャイコフスキー交響曲第2番      《小ロシア》第1楽章 ウラジーミル・フェドセーエフ指揮  モスクワ放送交響楽団  1986年この第2番でも、滾々と湧き出てくる情緒豊かな旋律の数々の陰に隠れながら、動機の展開やソナタ形式の構成に細心の注意と創意が盛り込まれていて、チャイコフスキーが実は構造的な作曲家であることがお判りになるでしょう。

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    • これは美味しい!!!鶏もも焼き(ガーリック風味)

      沖縄風居酒屋と銘打つチャンプルハウスですが、様々な料理が美味しいお店です。鶏肉が好みでもある店主=K氏のこだわりから、上質の鶏肉が安価に仕入れられた時には、特別メニューにこのような一品が登場することもあります。"鶏もも焼き"です。ガーリック風味が利いていて、とても美味しい壱品でした。こんがり焼いてあるので、関節周りの軟骨や歯に自信がある人ならば骨の中も骨髄まで食べられる、まさに骨までしゃぶれる旨さです。このメニューは滅多に登場しませんが、"軟骨焼き" "軟骨揚げ" "鶏ももチリソース"といったメニューは、常時味わえます。チャンプルハウスは、東急・池上線S駅から徒歩6分に在る、小さな素敵な居酒屋です。

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プロフィール

マリオ

性別:
男性
自己紹介:
松尾祐孝(まつお・まさたか) 1959年 東京生まれ 1982年 東京藝術大学音楽学部作曲科...

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