• 30 Jul
    • ヒンデミット没後50年〜ヒンデミット事件に揺れた人生〜

      パウル・ヒンデミット (Paul Hindemith)は, 1895年生まれで1963年没ですから、今年が没後50年にあたります。20世紀前半のドイツを代表する作曲家の一人です。作曲家としてのみならず、指揮者、ヴィオラ奏者として活躍し、その他にも様々な楽器を弾きこなす多才な音楽家であったということです。作曲家としても多作で、交響曲やオペラから主要楽器のほぼ全てにソナタを作曲するなど、音楽界全体のレパートリーの整備に力を注ぐ広範な活動は、現在でも高く評価されています。その生涯は決して平坦なものではなく、オペラ「画家マチス」を1934年に作曲し、フルトヴェングラーの指揮と支持によって初演しようとしたものの、その先行作品として発表した交響曲「画家マチス」を、当時吹き荒れ始めていたナチスの強硬制作によって「退廃音楽」レッテルを貼られ、弾圧の標的となってしまいました。フルトヴェングラーにも粛正の影響が及びました。この一連の創造は「ヒンデミット事件」として有名です。この時代の芸術家の多くは、ナチスの影響で波乱の人生を余儀なくされています。今の日本のように、表現の自由が確保されている時代に生きる私たちは、実に幸せなことと言えるでしょう。さて、私が好きなヒンデミット作品は、#交響曲「画家マティス」(1934年)#ウェーバーの主題による交響的変容(1943年)#交響曲「世界の調和」(1951年)といったところです。チェリビダッケ指揮/ミュンヘン・フィルハーモニー交響楽団の演奏による交響曲「画家マチス」のYouTubeをリンクしておきましょう。私のライブラリに在る往年の名盤LPです。ユージン・オーマンディ指揮/フィラデルフィア管弦楽団ヒンデミット/「ウェーバーの主題による交響的変容」       「弦楽合奏と金管のための演奏会用音楽」EMI/Angel / EAC-80553

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    • 拙作<PHONOSPHERE Ⅰ>が「NAXOS MUSIC LIBRARY」で試聴可能に!

      今やクラシック音楽の分野では、断トツのシェアを誇るトップレーベルとなったナクソス=NAXOSは、CDのようなフィジカル・マテリアルのみならず、他の大手レーベルに先駆けて、インターネット配信によるライブラリーの構築に力を注ぎ、早い時期からナクソス・ミュージック・ライブラリー(NML)を創設して、今ではすっかり世界中に浸透しています。その基盤がモノを言って、今日の業界世界一の地位を築いたと言っても過言ではないでしょう。私も、勤務先の大学を通じてのNMLのユーザーになっていますが、NAXOSの音源のみならず、世界中の提携レーバルのアルバムや作品を、自宅に居ながらにして、検索や試聴・視聴ができるという、何とも便利なシステムでありアーカイヴです。NMLとは何か・・・http://ml.naxos.jp/Introduction.aspxNMLトップ頁・・・http://ml.naxos.jp/?af=cnews実はこの程、私の代表作=<PHONOSPHERE Ⅰ>が、このNMLで聴くことができるようになりました。下の写真のCDが、NMLに加わったのです。1997年にカールスルーエで録音したアルバムです。お時間の許す時に、是非お聴きください。CD「バーデン州立歌劇場&大野和士」BELlA MUSICA ANRES EDITION - HOEPFNER CLASSICS / BM-CD 31.9112 松尾祐孝/フォノスフェール第1番~尺八と管弦楽の為にショスタコーヴィチ/交響曲第5番指揮:大野和士 尺八:三橋貴風 付け打ち:松尾祐孝管弦楽:バーデン州立歌劇場管弦楽団(カールスルーエ)

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  • 29 Jul
    • アーサー茶漬け

      チャンプルハウスの話題です。東急・池上線S駅下車徒歩6分に在る、小さな止り木のような沖縄風居酒屋です。飲んだ後の締めの食事として、私がよくオーダーするメニューに、「アーサー茶漬け」があります。アーサーとはアオサのことです。乾燥アオサを戻した青々とした生海苔のような海藻が、秘伝の塩出汁スープの中に白飯と一緒に踊る逸品です。安くて美味しい一杯です。ほんの少しトッピングされたおろし生姜が、絶妙なアクセントとなって、滋味豊かな味わいが拡がります。ときどき来店するN君(店主=K氏の後輩)も、「飲んだあとの仕上げはこれだ!」と、度々舌鼓を打っています。日本の食文化の豊かさと奥深さは、留まるところを知りません。ありがたいことです。

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  • 28 Jul
    • メキシコと日本の協働で誕生!〜邦楽器と打楽器の協創〜<SOUND SOUND Ⅳ>

      昨夜の記事の続きです。   #####<SOUND SOUND> Ⅳ#####  (2005年 セルバンティノ芸術祭委嘱作品)         演奏時間:約11分  初演:<Selvantino Festival 2005 / Tambuco Concert> セルバンティノ芸術祭 タンブッコ打楽器コンサート 2005年10月16日 / グアナフアト(メキシコ)市内の教会          尺八=三橋貴風 二十絃箏=吉村七重  打楽器=タンブッコ・パーカッション・グループ楽器編成がとても変わった組み合わせに思われるかもしれませんが、正にこれこそがこの作品の誕生の経緯そのものなのです。つまり「メキシコが世界に誇る打楽器アンサンブル=TAMBUCOと日本が世界に誇る伝統楽器の巨匠のお二人(三橋氏と吉村氏)の協演を、世界的な<セルバンテフィノ芸術祭>で実現する」というプロジェクトだった訳です。そこで「日本とメキシコの作曲家の新作を含むプログラムを」ということにもなり、黒沼ユリ子さんのご助力や日本大使館や国際交流基金の協力も得ながら、この作品の誕生と世界初演の実現に至ったのでした。打楽器は、普通に演奏しただけでも大きな音を発するので、協演相手の邦楽器の音圧の小さな音は、殆ど掻き消されてしまうことになりかねません。そこを上手くバランスさせることが、作曲上の最も困難な留意点になりました。結果としてはかなりその点を克服して、聴き応えも充分な作品が結実したと自負しています。初演の会場は、ラテンの国らしいきらびやかな教会でした。キリスト教会で、和装の邦楽器奏者と、世界中の打楽器を駆使する打楽器アンサンブルの協演によって、メキシコと日本の現代作品が演奏される・・・国際文化交流の実現に参画できた幸せな作品です。珍しい組み合わせでしかも大規模な楽器編成なので、メキシコ以外の地での再演の機会に恵まれてこなかった作品ですが、昨年の<TAMBUCO~国際交流基金賞受賞記念演奏会>で、遂に日本初演を実現していただくことができました。写真は邦楽器二重奏とTAMBUCOが協演する舞台風景です。

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    • ランボルギーニ創立50周年〜拠点はボローニャ〜

      多趣味を自認する私ですが、自動車への興味も、私の趣味の一つになっています。自家用車も2ドア車種に拘っていて、カローラクーペSR,AE86トレノ、セリカ(流面形)、セリカ(球面形)、スープラ、と乗り継いできて、今はドイツのメーカーのクーペを運転しています。嘗て、スーパーカー・ブームがあったことをご記憶でしょうか。フェラーリやカウンタック等の超高級・超ド級スポーツカーが、子供たちにも大人にも大人気を博した時期がありました。そのブームの中で一躍一般的な知名度をアップしたメーカーが、ランボルギーニではないでしょうか。そのランボルギーニは、今年が創立50周年にあたります。イタリアの古都、ボローニャ周辺には、スポーツカー・ブランドが集中して存在していますが、ランボルギーニがその中でも著名な名前でしょう。雑誌Pen「サンダーバード特集」号の誌面の一部に、「街を支配する、ランボルギーニの熱気!」と題された記事が掲載されました。世界29カ国から終結したオーナーによる350台ものランボルギーニが、ミラノからボローニャまでを三日間にわたってツーリングをするという、ビッグイベントに、イタリアの自動車ファンは沸き返ったそうです。その場に居合わせたら、きっと壮観だったことでしょう。私も、1台でのんびりと・・・夏のツーリングに行ってこようなか!写真は、昨年秋にTOYOTA-MEGA-WEBで開催されたスーパーカー・イベントで撮ったショットです。

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  • 27 Jul
    • SOUND SOUND Ⅳ =メキシコ/セルバンティーノ国際芸術祭委嘱作品

      ### 音・音 Ⅳ ~尺八、二十絃箏、打楽器群の為に~ ###           (2005)         SOUND SOUND Ⅳ    for Shakuhachi, Twenty-stringed Koto      and Percussions (2005)      メキシコ/セルバンティーノ国際芸術祭委嘱作品          演奏時間:約12分初演:2005年9月 メキシコ/グアナフアト/ミナス教会   <セルバンテフィーノ国際芸術祭~TAMBUCO演奏会>            演奏:三橋貴風(尺八) 吉村七重(二十絃箏)   Tambuco Percussion Ensemble    リカルド・カシャルド アルフレッド・フリンカス    ミゲル・ゴンザレス ラウル・トゥドン日本初演:2011年10月 トッパンホール   <2011年度 国際交流基金賞受賞記念コンサート>  ~TAMBUCO PERCUSSION ENSEMBLE~       タンブッコ・パーカッション・アンサンブル~出演:Tambuco Percussion Ensemble    リカルド・カシャルド アルフレッド・フリンカス    ミゲル・ゴンザレス ラウル・トゥドン共演:三橋貴風(尺八) 吉村七重(二十絃箏)############################日頃から懇意にさせていただいている吉村七重さんから、「メキシコの打楽器アンサンブル=タンブッコとの協演の為の作品を書きませんか」という相談を受けたのは、2004年の暮れ辺りだったでしょうか。実は、更なる仕掛け人は、メキシコに根を張って、演奏活動や人材育成に多大な足跡を残していられる音楽家=黒沼ユリ子さんであったことは、後にメキシコを訪問した際に判ったのですが・・・私は、1993年に、当時結成間も無かったタンブッコの演奏を目の当たりにしていたことを想い出しました。ラテン・アメリカ圏で初開催であった国際現代音楽協会音楽祭=<ISCM世界音楽の日々'93メキシコ大会>に、日本支部正代表として参加した際に、会期中の打楽器演奏会で彼らの演奏に初めて遭遇したのです。世界各国の作曲家による様々なスタイルの作品に柔軟に対応しながら、次々と繰り出される颯爽とした演奏に、私はすっかり魅了されました。それから十数年の時を経て、私の作品を彼らに演奏していただく機会に恵まれようとは・・・、実にありがたいお話でした。尺八と二十絃箏という邦楽器と打楽器アンサンブルが協演するという特異な楽器編成の委嘱条件でしたが、私は心地よい興奮を感じながら作曲の筆を進めました。打楽器の音が邦楽器の音をマスキングしてしまわないように配慮したため、鍵盤打楽器を一切使用せずに、正に「邦楽」と「打楽」の音と音が鬩ぎ合い響き合う、両者の文化が交流する音楽になりました。初演の行われた<セルバンテフィーノ国際芸術祭>は、それは大規模なフェスティバルで、メキシコという国の文化の底力を見せつけられるような思いがしました。山間の町の教会を超満員にして行われたメキシコの人気者=TAMBUCOの演奏会のプログラムの1曲として、この作品は初演されました。キリスト教会の中で和服の演奏家の邦楽器との協演、正に異文化交流の触発が実現しました。その2年後に、同じメンバーで更に2度程、メキシコシティ等で演奏されました。そして一昨年暮の2011度国際交流基金賞受賞記念コンサートで、待望の日本初演が実現したのでした。この曲では、尺八の発する単音のニュアンスに反応して打楽器が単音を発する場面や、二人ずつの打楽器奏者組み合わせで交互に連打を続けて、邦楽器の鼓の掛け合いのような音のやり取りを、尺八と二十絃箏の背景に置いたり、トムトム等の通常の打楽器を指定しつつも、邦楽の持つ要素を作品全体に浸透させています。上記の日本初演の演奏が、昨年1月にNHK-FMで放送されました。アーカイヴで聴くことができるかもしれません。目下の所、この<SOUND SOUND>シリーズは、この第4作までですが、将来も、このタイトルに相応しい構想の作品を書く機会があれば、第5作以降も誕生すると思います。写真は、<SOUND SOUND Ⅳ>の日本初演となった<2011年度 国際交流基金賞受賞記念コンサート>~TAMBUCO PERCUSSION ENSEMBLE~ のプログラム・パンフレットの表紙です。

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    • ミュートン・グッズに新製品登場!〜音楽のまち・かわさき〜

      ミュートン・グッズに新製品が登場しています。ミューとンは「音楽のまち・かわさき」のイメージ・キャラクターです。今や、全国的な~ゆるキャラブーム~に乗って、大人気を博しています。近年では、そのミュートン・グッズが企画され始めて、このところ続々と新製品も誕生しています。川崎市関連の施設の売店や、tvk(テレビ神奈川)ショップhttp://tvkshop.net/SHOP/tvk-muton-nst.html等でお求めいただけます。定番の携帯ストラップの他にも、いろいろなアイテムがありますよ!http://www.ongakunomachi.jp/contents/muton/つい最近に登場した最新アイテムは、可愛い付箋です。<音楽のまち・かわかき>はミュートンと一緒に頑張っています。

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    • 新・刑事コロンボDVDコレクション vol.1 「汚れた超能力」

      <刑事コロンボDVDコレクション>シリーズの記事を、隔週土曜日ブランチタイムにアップしていきます。テレビ映画シリーズ「刑事コロンボ」を、日本での放送のほぼ全てを初回放送で見続けてきた私にとっては、今発売されているDVD雑誌シリーズは、懐かしい想い出の宝庫といった感じです。勿論、全巻購入し続けるつもりです。今日は、発売第1弾の紹介です。###新・刑事コロンボDVDコレクション vol.1 ###         「汚れた超能力」監督=レオ・ベン脚本=ウィリアム・リード・ウッドフィールド製作=スタンリー・カリス制作総指揮=リチャード・アラン・シモンズ音楽=ジョン・カカヴァス出演:ピーター・フォーク(刑事コロンボ)アンソニー・アンドリュース(エリオット・ブレイク役)アンソニー・サーブ(マックス・ダイソン役)カレン・オースティン(ポーラ・ハル博士役)アラン・ファッジ(ハロー氏役)他《汚れた超能力》DVD隔週刊「新・刑事コロンボ DVDコレクション」通巻1号付録本国アメリカでは1989年2月から放送が始り、日本での放送は1993年5月から開始された新シリーズの第1弾が、この作品です。超能力者やマジック・アーティストの仲間が織り成す過去の因縁や名誉欲と自己顕示欲が絡んだ人間模様の中で、殺人事件が起きてしまい、その真相にコロンボが迫っていきます。マジックに使用するギロチン装置による凄惨な殺人、謎解きのシーンの命懸けのコロンボの心理誘導等々、見どころ満載の内容に、ぐいぐいと引き込まれます。当時、世界的な話題のなっていた超能力者=ユリ・ゲラー氏とその真偽を確かめようとするマスコミの騒動を思わせるような内容の設定になっているように思われます。《汚れた超能力》パンフレット隔週刊「新・刑事コロンボ DVDコレクション」通巻1号冊子尚、日本では「刑事コロンボのテーマ」として親しまれているヘンリー・マンシーニ作曲の名テーマ音楽は、このシリーズの放送枠であった「ミステリー・ムーヴィー」のテーマ音楽として作曲されたものです。

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  • 26 Jul
    • 鈴木俊哉氏からの触発〜SOUND SOUND Ⅲ-b =<フュージョン・フェスタ>出品作品

      <ISCM世界音楽の日々2001横浜大会>の最終日に、<独奏作品展>という演奏会を組み込んだのですが、そこに出演していただいた鈴木俊哉氏のリコーダーの演奏を、皆さんはご存知でしょうか。学校教育の中に長く浸透している縦笛=リコーダーに対する認識が一変してしまうような、鮮烈なパフォーマンスを鈴木さんは飄々と繰り広げてしまします。その<独奏作品展>=2001年10月10日以来、私は、「いつか鈴木俊哉さんに演奏していただく作品を書きたい」と想い続けていました。長らくしれは実現しなかったのですが、「音楽異種格闘技大会!?」のような「あらゆるフュージョン」の特集という異例の企画<フュージョン・フェスタ>の企画を私が担当することになった際に、真っ先に私の脳裏に浮かんだアイデアが、この作品でした。##### 音・音 Ⅲ-b ~笙とリコーダーの為に~ #####          SOUND SOUND Ⅲ-b       for Sho and Recorder (2008)         <フュージョン・フェスタ>出品作品演奏時間:約13分初演:2008年3月 洗足学園 前田ホール   <現代の音楽展2008>第5夜<フュージョン・フェスタ>            演奏:笙=宮田まゆみ リコーダー=鈴木俊哉##############################笙とコントラバスの為に書いた<SOUND SOUND Ⅲ>のコントラバスのパートをリコーダーに書き換える形で、作品が誕生することになったので、このタイトルになりました。和楽器と洋楽器の対照・・・高音楽器と低音楽器の対照・・・リード楽器と歌口楽器の対照・・・様々な音と音の対照や“フュージョン”を意図した作品です。尚、リコーダーは、テナーとグレート・バスの持ち替えとなっています。初演は、世界的名手であるお二人による素晴らしい演奏に恵まれて、前田ホールが冷徹で厳粛ば大空間になり、<フュージョン・フェスタ>の最終演目として狙い通りの時空を生成することができました。・・・<現代の音楽展2008>のプログラム冊子・・・

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    • マーラー/交響曲第10番

      このブログのマーラー談義も、いよいよ最終回、今日は、交響曲第10番です。晩年のマーラーは、ベートーヴェン以降の作曲家が、第9番を越えて交響曲を書いていないこと、つまり第9番を書くか書かないうちに鬼籍に入っているという事を、非常に強く意識していたようです。指揮者・作曲家として確固たる地位を獲得していった壮年期のマーラーでしたが、一方では、若く美しい妻=アルマの恋愛に悩んだり、また自身に生来の心臓疾患があることが判り、自分の人生に残された時間があまり長くはないのではないかという予感を強く抱いてたり、心の葛藤があったようです。それでも、交響曲第8番「千人の交響曲」までは、ベートーヴェンが第1番から第9番まで上り詰めていったような、漸進的・前進的進化の様相を見せていましたが、あの記念碑的大作=第8番の初演の大成功の後、いよいよ次は第9番という段になって、マーラーはその「9」という数字の呪縛に自ら陥っていきます。まずオーケストラ歌曲の集積のような特異な作品=交響曲「大地の歌」を作曲したのです。その後で満を持して、自分は既に交響曲を9曲書いたという自信を持って、第9番を作曲したのです。交響曲を第9番までと「大地の歌」を書き上げて、「これで交響曲を10曲書いたのだから、もう大丈夫!」という自己暗示の下に、今度は交響曲第10番を書き始めます。しかし、その半ばで命がついえてしまい、結局は番号付交響曲としては「第9番」までしか完成できず、ベートーヴェン以来のジンクスは生き続けることになってしまったという訳です。前置きが長くなりました。作品を見ていきましょう。第9番で器楽のみによる交響曲に立ち返ったマーラーは、この第10番も器楽交響曲として構想したようです。残念ながら、第1楽章を完成させた後、後続の楽章のスケッチを書きかけの段階で、マーラーは亡くなってしまいました。その第1楽章は、前作=第9番の終楽章の残映のような厭世的でロマン的な情念が漂う楽想に包まれています。再三登場するヴィオラによるモノディー主題をトピックとしつつも、やはりマーラー流ソナタ形式楽章になっています。それにしても妖しいまでに美しい音楽です。この第1楽章<アダージョ>だけでもしばしば演奏されるだけの深い魅力を湛えているのです。この写真は私の愛聴盤です。バーンスタイン/マーラー全集交響曲第8番&第10番からアダージョグラモフォン / POCG-1438/9私個人の印象なのですが、この楽章には、ワーグナーの楽劇<トリスタンとイゾルデ>に一脈通じる要素も感じます。ワーグナー/楽劇「トリスタンとイゾルデ」より、前奏曲と愛の死現代音楽作品マーラー/交響曲第10番より第1楽章=アダージョというプログラムによる演奏会を指揮することが、密かな私の夢でもあります。さて、この交響曲第10番でのマーラーは、第5番や第7番で見せたような、5楽章構成の器楽交響曲を目指したようです。デリック・クックの校訂・作曲(補作)による全曲版が次第に認知されてきていて、時折演奏されています。第1楽章 アダージョ第2楽章 スケルツォ第3楽章 プルガトリオ(煉獄)、アレグレット・モデラート第4楽章 スケルツォ(アレグロ・ペザンテ)第5楽章 フィナーレ第1楽章のクライマックスで不気味に鳴り響く最後の審判を想起させるような不協和音が、全曲の要所で回帰して、この交響曲の印象を支配しています。煉獄交響曲をおそらくは意図していたのであろう、マーラーの未完の交響曲像が浮かび上がってきます。下の写真は、このクック版の珍しいCDです。マーラー/交響曲第10番~デリック・クック最終決定版)クルト・ザンデルリング指揮/ベルリン交響楽団Deutsche schallplatten / 32TC-72

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  • 25 Jul
    • 後続の自作品に多大な影響を与えた作品= SOUND SOUND Ⅲ =眞鍋尚之委嘱作品

      数日あいだが空きましたが、<SOUND SOUND>シリーズの記事を続けます。今日は第3弾の紹介です。20日夜の記事の通り、<ISCM世界音楽の日々2001横浜大会>と<東京フィル・アジア環太平洋作曲家シリーズ最終回=新世紀への讃歌>の開催準備に奔走していた2000年頃の私でしたが、その中で誕生したこの作品は、実は後の私の重要作品に大きな影響を及ぼす曲となりました。##### 音・音 Ⅲ ~笙とコントラバスの為に~ #####          SOUND SOUND Ⅲ       for Sho and Contrabass (2000)             真鍋尚之委嘱作品演奏時間:約13分初演:2000年7月 紀尾井ホール   <真鍋尚之リサイタル>            演奏:笙=真鍋尚之 コントラバス=溝入敬三再演:2001年10月 横浜みなとみらいホール(大ホール)   <ISCM世界音楽の日々2001横浜大会>      オープニング・コンサート演奏:笙=真鍋尚之 コントラバス=溝入敬三##############################未来を担う若手の笙奏者の一人に、真鍋尚之さんが居ます。作曲家としての研鑽も洗足学園音楽大学で積んだ後に、東京藝術大学に雅楽専攻が開設された時に入学して、以前から続けてきた笙の分野での研鑽に更に磨きをかけて、その後、国立劇場主催の作曲コンクールで自作自演で優勝する等、華々しい活躍で注目されている、気鋭の演奏家です。その真鍋さんのリサイタルのために作品を委嘱され、更には氏の最初のCDに収録もしていただきました。また、横浜在住の演奏家による委嘱作品で、協演者も横浜在住ということと、邦楽器と洋楽器の協奏作品ということもあって、<ISCM世界音楽の日々2001横浜大会>の開催初日夜の公演=<オープニング・コンサート>にもプログラミングされました。高音楽器で構造的には管楽器である笙と、低音楽器で弦楽器であルコントラバスの対照、拍節感がほとんど無い曲の前半部と、悠然とした拍節がたゆたう曲の後半部の対照が、この作品の基本コンセプトになっています。また、慎重に吟味して構築したこの作品の音構造は、その後の私の他の作品にも応用されていることを考えると、小粒な作品ながらなかなかの重要作なのかもしれません。この作品が収録されているCDが下の写真です。「呼吸」~真鍋尚之-笙リサイタルALM RECORDS / ALCD-9023この作品の、「笙」という運指や音の組み合わせが限定的な特殊な楽器に即した音構造による音楽の進行設計図は、後の私の作品でも何度も敷延されています。この作品を書いた経験は、私に重要な示唆を与えてくれたのでした。

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    • マーラー/交響曲第9番

      このブログのマーラー談義も、終盤に差しかかってきました。今日は、交響曲第9番です。マーラーは、ベートーヴェン以降の作曲家が、第9番を越えて交響曲を書いていないこと、つまり第9番を書くか書かないうちに鬼籍に入っているという事を、非常に強く意識していたようです。指揮者・作曲家として確固たる地位を獲得していった壮年期のマーラーでしたが、一方では、若く美しい妻=アルマの恋愛に悩んだり、また自身に生来の心臓疾患があることが判り、自分の人生に残された時間があまり長くはないのではないかという予感を強く抱いてたり、心の葛藤があったようです。それでも、このシリーズ前々回の記事=第8番までは、ベートーヴェンが第1番から第9番まで上り詰めていったような、漸進的・前進的進化の様相を見せていましたが、あの記念碑的大作=第8番の初演の大成功の後、いよいよ次は第9番という段になって、マーラーはその「9」という数字の呪縛に自ら陥っていきます。まずオーケストラ歌曲の集積のような特異な作品=交響曲「大地の歌」を作曲したのです。その後で満を持して、自分は既に交響曲を9曲書いたという自信を持って、第9番を作曲したのです。ここでは、今一度、器楽のみによる交響曲に立ち返っています。楽章の数も4つですから、一見したところでは、古典派以来の伝統の基本に立ち返っているようにも思われますが、実は相当に独創的な楽章構成になっています。第1楽章は、まるで緩徐楽章かと思われるような、不思議な導入によって開始されるマーラー流ソナタ形式楽章です。しかし、第8番までの冒頭楽章のような、肯定的・前進的な楽想ではなく、天国を夢見るような、或いはまた厭世的な音楽が支配しています。緩徐楽章の正格を併せ持った冒頭楽章と言えるでしょうか。第2楽章はマーラーが好んで用いるレントラー(田舎風ワルツ)ですが、スケルツォの要素も途中で顔を覗かせます。つまり。レントラー+スケルツォと言える楽章です。第3楽章は「ロンド・ブルレスケ」と題されていて、ほとんど終楽章と考えて差し支えないような、目まぐるしくまた量感たっぷりな音楽が炸裂します。そして、第4楽章が、まるで天国への階段へ誘うような結尾に向けて、緩徐調のフィナーレを紡いでいきます。死を予感し、死を恐れ、しかしまた死に憧れているかのような、怪しいなかりに美しい終楽章です。このように見てくると、実はこの楽章構成は、チャイコフスキーの最後の交響曲=第6番「悲愴」と近似していることに気づくのではないでしょうか。ロマン派を代表する作曲家の(完成させた)最後の交響曲が、どちらも似たような独自性を持った楽章構成で現世と静かに惜別するかのような結末を持った作品になっていることは、単なる偶然ではない、19世紀末から20世紀初頭の時代の空気の影響を感じます。この作品もまた、マーラー自身が指揮することも聴くこともなく、マーラー自身が他界してしまいました。そう思ってこの曲を聴くと、尚更のこと、厭世観が濃厚に感じられます。私のライブラリーにはこの曲の数種類のディスクがありますが、珍しく懐かしい名盤としては、このLPを挙げておきましょう。ジョン・バルビローリ指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団ANGEL RECORDS / EAC-85035~36そして、お勧め盤としては、この作品を世に知らしめた最重要指揮者と言って過言ではない存在だったバースタインが、一度だけベルリン・フィルを指揮した演奏会ライヴCDに留めを刺します。レナード・バーンスタイン指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団グラモフォン / POCG-1509/10

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  • 24 Jul
    • マーラー/交響曲「大地の歌」

      グスタフ・マーラーは、交響曲第8番の初演で、交響曲作曲家としての人生最高の成功を収めました。しかしその後、クラシック音楽界の大ジンクスに呵まれることになっていきます。所謂「第9の呪縛」です。ベートーヴェン以降のシンフォニストで、交響曲を9曲を超えて発表した者が居ないという有名なジンクスを強く意識したのです。シューベルトも然り、(当時は「ザ・グレイト」が第9番とされていました)メンデルスゾーンやシューマンやブラームスは4~5番止まり、ブルックナーも第9番を未完で鬼籍に入ってしまいました。生来の心臓疾患が判明して自分の死期がそう遠くないと悟るようになっていたマーラーは、第9番を書いてしまったら寿命が尽きるのではないかと考えるようになってしまったのです。そこで、第9番を書く前に、番外編としてこの「大地の歌」を発表して、既に交響曲を9曲書いたのだからもう大丈夫という自己暗示の下に、次に<第9番>を書いたという心理的な事情があったのです。さて、その交響曲「大地の歌」を紐解いていきましょう。全6楽章構成で、すべて独唱を伴った楽章になていて、非常に大規模なオーケストラ伴奏付歌曲といった趣の作品になっていますし、ソナタ形式楽章は在りません。しかし、作品の精神的な質量から、やはり紛れもなく交響曲と言える風格を持っています。第1楽章=地上の悲愁を詠える酒席の歌(テノール独唱) 李太白の詩による、厳しさを感じさせる楽章です。第2楽章=秋に独りいて寂しきもの(アルト独唱) 銭起の詩による、もの思いに沈んだような楽章です。第3楽章=青春にふれて(テノール独唱) 李太白の詩による、快活な情熱を放射する楽章です。 小粒ながらピリリと辛い、スケルツォのような存在です。第4楽章=美しさについて(アルト独唱) 李太白の詩による楽章が続きます。 静かに始りつつ、次第に熱気を孕んでいきます。 第5楽章=春にありて酔えるもの(テノール独唱) 更に李太白の詩による楽章が続きます。 陶酔感の強い楽章で、最後は激しいコーダで音楽を閉じます。 終楽章を第二部に見立てると、前半5楽章が第一部となり、 そのフィナーレと位置付けられる楽章です。第6楽章=告別(アルト独唱) 第5楽章までが10分以下の規模であるのに対して、 この終楽章だけは30分を超える規模を持っています。 孟浩然と王維の詩を組み合わせて使用していま。 厭世観に満ちた重々しい楽章です。テキストを東洋(中国)の詩に求めたことが注目されます。ハンス・ベトゲが大意訳した漢詩集「支那の笛」から七つの詩を選んでいます。東洋的でありまたユダヤ的であり、独特の存在感と厭世観に彩られた音楽が、しみじみと心に滲みる作品です。マーラー自身は、この作品の演奏を聴くことなく、この世を去ってしましました。とても残念な気がします。写真は、私の仕事場のライブラリに在るCDです。ニューヨーク・フィル常任時代のレナード・バーンスタインによるマーラー全集の第5巻で、「交響曲第9番」、交響曲「大地の歌」、そして「交響曲第10番からアダージオ」が収録されています。この「大地の歌」のみ、オーケストラがニューヨーク・フィルではなく、イスラエル・フィルを起用しているところが特徴です。(同様に、第4巻の「交響曲第8番」では、 ロンドン交響楽団が起用されています。)マーラーの交響曲受容の歴史上、最重要と目される全集の最終巻にあたります。若々しいバーンスタインのポートレートが印象的です。レナード・バーンスタイン指揮/イスラエル・フィルハーモニックアルト=クリスタ・ルートヴィヒテノール=ルネ・コロバーンスタイン/マーラー全集第5巻CBS/SONY / 73DC 233-5交響曲「大地の歌」

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  • 23 Jul
    • <武生国際音楽祭2013>は8月25日〜9月2日の開催!

      <武生国際音楽祭2013>が今年も開催されます。会期は8月25日~9月2日に設定されています。公式HPのURLはこちらです。http://www.takefu-imf.com福井県の越前市の都市=武生を拠点として開催されるこの音楽祭は、現代音楽・クラシック音楽・伝統音楽を複合した内容を誇る国際的にも相当に有名なフェスティヴァルになっています。第24回の開催にあたる今年のメイン会場は越前市文化センター、音楽監督は作曲家の細川敏夫氏、コンサートプロデューサーはピアニストの伊藤恵氏です。細川敏夫氏の人脈を中心とした現代音楽分野の充実が、首都圏外の音楽祭としては極めてユニーク且つ有意義なイベントとして認識される要因になっている音楽祭と言えるでしょうか。コンサートの他、人材育成プロジェクトもリンクしています。<第9回武生国際夏季アカデミー>では、マリオ・カローリ氏(フルート)とジェロエン・ベルヴェルツ(トランペット)を講師としてフルートとトランペットのマスタークラスが開講されます。定員は両楽器とも5名で申込締切は7月31日ということです。<第13回武生国際作曲ワークショップ>も同時開催されます。音楽監督:細川敏夫  新しい地平ディレクター=木下正道特別ゲスト:マックス・ニフラー(スイス/音楽学者)カールステン・ヴィット(ドイツ/音楽マネージャー)講師:アルベルト・ポサダス(スペイン/作曲家)   フランチェスコ・フィリフィ(イタリア/作曲家)   伊藤弘之(作曲家) 望月京(作曲家)招待作曲家:馬場法子(在フランス/作曲家)      オレリアン・デュモン(フランス/作曲家)      カスパー・クアフルト(ドイツ/作曲家)推薦若手作曲家:小出稚子 神山奈々 小林純生受講生定員:20名      申込締切=8月15日その他、伊藤恵氏による<ピアノ公開レッスン>も開講されます。これらの詳細や申し込みは全てHPにアクセスしてみてください。夏は日本各地で音楽祭が開催されます。音楽文化と共に、夏の休暇を有意義に過ごすことも、なかなか良いものですよ!

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    • マーラー/交響曲第8番「千人の交響曲」

      マーラーの交響曲の紹介も、遂に最大の作品=交響曲第8番「千人の交響曲」に到達しました。第1番「巨人」で、青春の息吹とも言うべき門出を飾った後、第2番「復活」、第3番「夏の交響曲」と、声楽を伴う巨大な作品が続いた後、終楽章に声楽が導入されてはいるものの規模は小さくなった第4番「天上の生活」による過渡期を経て、いよいよ中期の器楽三部作と言われる第5番・第6番・第7番に進んできました。そしてこの第8番では、再び声楽を伴う作品の立ち戻ります。しかも、一部の楽章に独唱や合唱が導入されていたこれまでとは異なって、ほぼ全編にわたって声楽が扱われています。また、全曲の構成からは従来の「楽章」という表記が消えて、「部」のみとなりました。第2番・第3番で、長大な冒頭楽章を第一部として、後続の楽章を第二部としたり、第5番では、第1・2楽章を第一部、第3楽章を第二部、第4・5楽章を第三部とすることをしでに行なってきていましたが、遂に部のみによる構成に至ったのでした。第一部は、マーラー流ソナタ形式による壮大な冒頭楽章です。第6番「悲劇的」の第1楽章・第1主題の音型=「ラ~ラ・ド・シラ~ラ・・・」が、第7番「夜の歌」の第1楽章・第1主題の音型=「ミ・シ・シソ・ファ♯ミ・ラ・・・」を経て、この第8番の第一部・第1主題では、「ミ♭~シ♭・ラ♭~ソ・ファミ♭~ファ・シ♭・・・」と言うようにより大胆なテーマに進化したように感じられます。声楽が導入されていますが、器楽的楽章としても充分に有機的な素晴らしい音楽だと私は思います。第二部は、ゲーテの<ファウスト>の終幕をテキストにした、交響曲としては極めて異例な楽章です。ウィーン宮廷歌劇場(現・国立歌劇場)総監督と地位にまで上り詰めて、オペラ指揮者としての名声を確立した指揮者としてのマーラーでしたが、作曲家としてはオペラを作曲しませんでした。そういった状況の中にあって、この楽章は、マーラーの最もオペラ的な作品と考えられます。しかし、第一部で提示・展開されたテーマ・素材を駆使して、一時間近い音楽を紡ぎ出して行く様は、器楽的作品として聴いても実に圧巻です。最後のコーダで、第一部冒頭のテーマが更に発展して、「ミ♭~シ♭~ド~・ミ♭~シ♭~ド~・・・」と、7度音程が9度音程に拡大して全曲を閉じるところは、何度聴いても鳥肌が立ってきます。LPレコード時代の私の愛聴盤が、このバーンスタイン盤です。レナード・バーンスタイン指揮/ロンドン交響楽団CBS/SONY / SOCL 121-2 (LP)ニューヨーク・フィルと「マーラー全集」を録音していたNYP常任指揮者時代のバーンスタインでしたが、この第8番のみ、諸般の事情からロンドン交響楽団と録音していることが、異例と言えば異例というディスクです。ジャケットの写真は、録音会場となったロンドンのロイヤル・アレバート・ホールの演奏中の模様です。

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  • 22 Jul
    • 羽ばたけ世界へ!〜松山英樹選手の全英オープンでの大活躍に寄せて〜

      今年からプロ選手登録となった男子ゴルフの松山英樹選手が、先週に開催された今期メジャー第3戦<全英オープン選手権>で、タイガー・ウッズに並んで6位タイに入る大健闘を見せてくれました。先月に開催された<全米オープン選手権>でも10位になりましたから、これで世界メジャー2戦連続のベスト10入りという日本人選手発の快挙となりました。しかもプロ入り10戦目で賞金獲得累計1億円を突破しました。こちらも石川遼選手の23戦目で達成という記録を大幅に更新しています。松山選手は、第3ラウンドの中盤では3連続バーディーを奪い、アンダー・パー・グループに浮上して、優勝争いに躍り出るかと思われましたが、その後に遅延行為による1打罰を科される場面もあり、第3ラウンド終了時点で3オーバーの11位になりました。しかし、最終ラウンドに気落ちすることなく堂々たるプレーで臨み、2バーディー&1ボギーの安定したプレー振りを見せて、最終的に2オーバーの6位タイに食い込んだということです。石川遼が彗星のごとく登場した時以上に、世界クラスに可能性を予感させてくれる松山英樹の活躍です。メジャー大会での連続ベスト10入り等、まだほんの序章に過ぎないのかもしれません。日本人男子が未踏の領域、世界メジャーでの優勝の達成という夢を現実にしてくれる候補の一番手に躍り出たのではないでしょうか。頑張れ日本! がんばろうニッポン!(太陽に輝く夏の箱根の風景です。)

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    • マーラー/交響曲第7番「夜の歌」

      マーラーの交響曲の紹介も7曲目になりました。第1番「巨人」で、青春の息吹とも言うべき門出を飾った後、第2番「復活」、第3番「夏の交響曲」と、声楽を伴う巨大な作品が続いた後、終楽章に声楽が導入されてはいるものの規模は小さくなった第4番「天上の生活」による過渡期を経て、いよいよ中期の器楽三部作と言われる第5番・第6番・第7番に進んできました。この第7番は、第5番と並んで5楽章構成で演奏時間は70分前後という規模ですが、趣はかなり異なる音楽です。 第1楽章=マーラー流ソナタ形式 第2楽章=夜の歌 Ⅰ (緩徐楽章に相当?) 第3楽章=スケルツォ 第4楽章=夜の歌 Ⅱ(緩徐楽章に相当?) 第5楽章=フィナーレという楽章構成になっています。第2・4楽章に「夜の歌」と表題された二つの緩徐調の楽章が配されている点が大きな特徴で、作品全体の標題も「夜の歌」となっています。第1楽章は、この楽章が荘重な序奏楽想を持っている分、やや複雑にも感じられますが、いつものようにマーラー流れソナタ形式を敷延して考えれば、パースペクティヴは明確です。二つの夜の歌は、マーラーの音楽としては珍しく地中海的というか、南国的な暖かさが感じられます。特に第4楽章では、マンドリンが編入楽器として取り入れられ、効果的に使用される場面が登場します。この交響曲の最大の謎は、終楽章にあると言えるでしょうか。マーラーにしては底抜けに明るく、言葉を選ばずに言うならば“ドンチャン騒ぎ”の様相なのです。私は、残念ながら、まだこの楽章を奥底までは理解できていないでいます。歴代の指揮者や音楽家にとっても、この第7番はかなりの難物と思われてきたらしく、かつては演奏機会がとても少なかったようですが、ここ20年位の間に、世界的に演奏機会は増えているようです。LP時代の私の愛聴盤をご紹介しておきましょう。指揮=ラファエル・クーベリック管弦楽=バイエルン放送交響楽団グラモフォン / MG8699-700

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  • 21 Jul
    • 大相撲の危機は深刻!〜千秋楽の“これより三役”締括り取り組み三番の為体〜

      横綱:白鵬の優勝が13日目に決まってしまい、盛り上がりに欠ける最終盤になった感があった大相撲名古屋場所(7月場所)ですが、昨日の14日目の土俵は興奮に包まれました。ここ三場所にわたり連勝を続けてきた白鵬の連勝を、3年前の64連勝を阻止したの時と同様に、またも稀勢の里がストップをかける殊勲の星を挙げました。寄り切った瞬間は白鵬の得意四つの右四つで決着しましたが、前に出る出足で圧倒した見事な相撲でした。大相撲ファンを自認する私は、このブログでも折りに触れて大相撲の話題をアップしています。近年の相撲内容の精彩の無さや優勝争いの妙味の低下傾向に嘆きつつも、文化・スポーツ・興業の要素を併せ持つ日本が世界に誇るべき素晴らしさをアピールしてきたつもりです。つい先程千秋楽を終えた今場所(名古屋場所)は、場所前の大関:稀勢の里の横綱昇進への期待が、場所前半での早々の3敗で萎んでしまいました。しかし後半は見違えるような相撲内容になって、13日目と14日目に日馬富士と白鵬の両横綱を堂々たる相撲内容で撃破して、千秋楽に勝てば12勝に届くというところまで漕ぎ着けました。この稀勢の里の遅まきながらの頑張りによって、既に13日目に白鵬の優勝が決まってしまって白け気味だった場所の雰囲気が、千秋楽に向けてもう一度盛り上がってきました。さて、その千秋楽の最後の三番を“これより三役”と称しますが、その前に“三役揃い踏み”という特別な土俵入り(四股)が行われます。場所の有終の美に向けて、場内の雰囲気は最高潮になっていきます。ところが、今日のその最後の三番の相撲内容が、全くいただけない結果となったことは、実に残念でした。まず“小結にかなう矢”が勝者に授与される一番目は鶴竜vs琴欧州戦、大関同士の対戦でした。琴欧州が不十分な差し手の返しと腰高のままで前に出たところを鶴竜に物の見事に上手投げで裏返しにされてしまいました。見た目は派手な華やかな一番でしたし、勝った鶴竜の投げは見事でしたが、10日目までは9勝1敗で優勝争いを演じていた琴欧州の無策に失した負け方は、目の肥えた相撲ファンには情けなく映ったことでしょう。続いて“関脇にかなう弦”が勝者に授与される二番目は、上述の注目の大一番でした。これまた大関同志の対戦で、稀勢の里vs琴奨菊戦です。先場所の千秋楽も同じ対戦で、稀勢の里が初優勝を逸してはいたもののもう一番勝って14勝を挙げれば横綱への足掛かりがより一層強まるという一番でしたが、稀勢の里の立ち会いの甘さが出てしまい、琴奨菊に一方的に前に出られて、いいところなく負けてしまいました。今場所こそはしっかりとした相撲で勝って、12勝3敗の成績をものにして来場所の綱取りの資格をしっかりとものにしたいところでした。本人や周囲はもとより、ファンの大勢もそう思っていたことでしょう。ところが結果は、再び先場所のような展開で、琴奨菊に一方的に前に出られての完敗を喫してしまい、11勝4敗の成績に終わってしまいました。稀勢の里が土俵を割った瞬間の何とも言えない会場のどよめきは、テレビ桟敷にも届いてきました。そして三番目は“大関にかなう弓”が勝者に授与される千秋楽結びの一番で、勿論、白鵬VS日馬富士戦です。現況では一場所で一度しか見られない横綱同士の対戦ですから、優勝は既に決しているとはいえ、充実した相撲内容が期待されました。ところが、立ち会いで日馬富士が強く当たると、白鵬は全く持ち堪えることができずにあっさりと土俵を割ってしまいました。痛めた右脇腹の状態が思わしくないといった何らかの事情はあったのもしれませんが、横綱として土俵に上がる以上は、ファンの期待に応えなくてはならないのではないでしょうか。私には、この場所の“これより三役”の三番の相撲内容の為体(ていたらく)が、現在の相撲界の問題点を象徴的にあらわしているように思えてなりません。このようなファンの期待を裏切るような質の低い相撲内容で千秋楽の最終盤が印象づけられてしまうようでは、大相撲の人気回復など望むべくもないでしょう。協会をあげて猛省してほしいと思います。幕内上位陣の今場所の最終成績を記しておきます。横綱:白鵬・・・・・13戦2敗(優勝)横綱:日馬富士・・・10勝5敗大関:稀勢の里・・・11勝4敗大関:鶴竜・・・・・10勝5敗大関:琴奨菊・・・・9勝6敗大関:琴欧州・・・・9勝6敗残念ながら、稀勢の里の横綱昇進(綱取り)は、11勝4敗に終わったことでほぼ白紙に戻ったように思われます。しかし、待望されて久しい日本人力士の優勝と日本人横綱の誕生という多くのファンや関係者の夢に一番近いところに居る実力者が稀勢の里であることは、衆目の一致するところでしょう。来場所(9月場所=秋場所)に、目を見張るような相撲内容で全勝優勝かそれに近い活躍を見せることができれば、ひょっとすると横綱昇進の声がかかるかもしれません。来場所の稀勢の里には、立ち会いから自分充分のカタチに持ち込むまでの一連の流れをもっとしっかり意識した相撲を取って、(つまり今場所の横綱戦のような厳しい立ち会いを続けて)周囲を納得させてほしいものです。待望久しい日本人力士の優勝と日本人横綱の誕生・・・淡い期待が何とか嬉しい現実になってほしいものです。(近所の八幡様の神頼み・・・!)

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    • 白鵬の連勝阻止はまたも稀勢の里!〜千秋楽に勝てば12勝で好印象!〜

      横綱:白鵬の優勝が13日目に決まってしまい、盛り上がりに欠ける最終盤になった感があった大相撲名古屋場所(7月場所)ですが、昨日の14日目は土俵は興奮に包まれました。ここ三場所にわたり連勝を続けてきた白鵬の連勝を、3年前の64連勝を阻止したの時と同様に、またも稀勢の里がストップをかける殊勲の星を挙げました。寄り切った瞬間は白鵬の得意四つの右四つで決着しましたが、稀勢の里が終始前に出る攻撃の姿勢を徹底した相撲を見せて、主導権を奪い通した見事な相撲でした。昨日=14日目を終わった段階での今場所の上位の星取りの状況を記しておきます。横綱:白鵬・・・・・13戦1敗(優勝決定)横綱:日馬富士・・・9勝5敗大関:稀勢の里・・・11勝3敗大関:琴欧州・・・・9勝5敗大関:鶴竜・・・・・9勝5敗大関:琴奨菊・・・・8勝6敗残念ながら、稀勢の里の今場所後の横綱昇進は早々に絶望という状況になってはいますが、今日の千秋楽の相撲に勝てば、二横綱を破っての12勝3敗となり、先場所の13勝2敗に続いて横綱への足掛かりを継続できるという好印象を周囲にアピールすることになるでしょう。これで、千秋楽の土俵への興味が俄然アップしました。待望久しい日本人力士の優勝と日本人横綱の誕生の可能性が、少しづつ見えてきたのでは・・・来場所辺りで淡い期待が嬉しい現実になってほしいものです。(世界遺産に文化遺産部門で登録された富士山の空からの眺めです)

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  • 20 Jul
    • SOUND SOUND Ⅱ 〜トランペットとオルガンの為に=深新會出品作品

      2000年頃に私は、国際現代音楽協会の世界音楽祭の日本初開催の準備に実行委員長として奔走していた時期で、とにかく忙しかったのでした。しかし、自分へのノルマとして「年に3作品は新作を発表する」という命題を課していたので、とにかく、苦しくても作品を発表していました。そんな時期の私の作品が、この<音・音>シリーズの第2弾、トランペットとオルガンという組み合わせの小品です。##### 音・音 Ⅱ ~トランペットとオルガン為に~ #####          SOUND SOUND Ⅱ       for Trumpet and Organ (2000)            深新會第26回作品展出品作品演奏時間:約15分楽器編成:2笛(篠笛と能管の持ち替え)、2尺八(一尺八寸)     2三味線 2打楽( Ⅰ =小鼓 Ⅱ =締太鼓 聲(余韻A)     4二十絃箏 2十七絃箏初演:2000年2月 川口リリアホール   <日本音楽集団 第152回 定期演奏会>            演奏:トランペット=曽我部清典   オルガン=今井奈緒子##############################このタイトルを日本音楽集団委嘱作品であった第1作以来温めてきた私は、2000年に作曲家同人「深新會」の作品展への出品が急遽決まった際に、再び使用することにしました。上記の通り<ISCM世界音楽の日々2001横浜大会>の実現に奔走、更には東京フィル連作共作<新世紀への讃歌>のコーディネイトも重なっていた時期で、落ち着いて作曲する時間を見出すことがとても困難な時期でしたが、このタイトルのコンセプトと、この楽器の組み合わせならば何とか書けると考えたのでした。その結果、トランペットとオルガンの対照、性格の異なる楽曲の前半部と後半部の対照、が基本コンセプトになった作品になった訳です。初演を担当していただいた演奏家二氏には、この機会の他にもいろいろとお世話になりました。オルガンの今井さんには、前述の<ISCM横浜大会>の<オープニング・コンサート>に出演していただきました。トランペットの曽我部氏には、1996年の私の「第2回個展」以来、様々な場面で作品を演奏していただいたり、委嘱していただいたり、<トランペット・フェスタ>等の企画をご一緒していただいたり、CDに拙作を収録していただいたりしています。「今日まで そして 明日から」曽我部清典 with 中川俊郎ALM RECORDS / ALCD-50収録作品:佐藤聡明/光     松尾祐孝/ディストラクションⅣ     近藤 譲/冬の闇に     伊佐治直/ファンファーリア     西村 朗 /ヘイロウス(光輪)     中川俊郎/唇・舌・歯・喉のためのエチュード     武満 徹 /径

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