『川のほとりに立つ者は』 寺地はるな | ふぁいのだらだらな日々

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清瀬は、恋人・松木の部屋で女性宛ての手紙らしきものを見つけてしまう。問い詰めるも、彼は頑なに口をつぐむ。

 

会わなくなって5カ月後、松木が歩道橋から転落して重態との連絡を受ける。傍らには、彼の幼なじみで親友でもある樹も同様に重態で倒れていたらしい。

彼らにいったい何があったのか。

 

清瀬は、松木の部屋でノートの束を見つける・・・

 

ちょっと出だしだけでも、とこちらの本を開いてみれば、読みやすくて一気読みしてしまった。

 

小説でもリアル社会でも、ついつい「いい人」と「悪い人」に分けてしまいがち。その方が簡単だから。

 

「仕事ができる人」「仕事ができない人」という言葉もよく使われるけれど、自分を上に置きたいだけで「できない人」認定した人に対する想像力が完全に欠如している。

 

どんな人にも裏と表があって、グレーな部分がある。

頭では分かっていても、それを全部理解しようとするのは、かなり難しい。相手に寄り添い過ぎて、逆に自分の方がしんどくなってしまう場合もよくある。

 

それでも物事を自然に平たく受け取れる樹や松木みたいな人はすごい。

 

川のほとりに立つ者は、水底に沈む石の数を知り得ない。

でもいろんな石が沈んでいる、ということだけでも忘れずにいれば、少しは平たい心を持てるだろうか。