人工頭脳を搭載したAF(人工親友)のクララと、その所有者ジョジー。
クララは最新モデルではないが、非常に優れた観察力と記憶力を持っており、
その能力によって蓄積したデータを元に、病弱なジョジーに寄り添いながら、その行動パターンや思考回路を理解していく。
最終的にはジョジーそのものになり得るほどに。
相思相愛の関係だったクララとジョジーの出会いから別れまで。
挫折するかも、と思いながら読み始めたが、どんどん惹き込まれていった。AFのクララの見え方、聞こえ方、情報の分析の仕方が興味深かった。
「ロボットは心を持つか?」というのは昔から議論されるところだけれど、学習を積み重ねた結果、感情も人間と同様に育まれていくのは当然だろうと思える。そこを否定するのは、人間が人間であることの特別性を必死で固持しているだけのような。
クララは、太陽光をエネルギーとするAFだからこそ、お日さまを崇拝し、渇望し、常にその存在を意識している。
“祈り”
“自己犠牲”
優秀なAFとは思えないような、クララの愚かとも言える行動の
なんと人間らしいことか。
そしてそれが非科学的な現象を起こすとは。
常に謙虚な姿勢で、AFとしての職務の遂行に忠実なクララの純粋さによって、人間たちの身勝手さが浮き彫りになる。