高之・沙和子夫婦は、熊谷の沙和子の実家の離れで暮らしている。
物語は、ふたりの岡山旅行から始まる。
ちょっとしたことでの諍い、仲直り。普通の夫婦だ。
しかし、沙和子が札幌へ単身赴任することになったことで
二人の間の溝がどんどん広がっていく。
舞台が転々として、それぞれの土地の街並みだったりご当地グルメだったりが
細やかに描かれていて旅行記のようでもある。
なかなかおもしろいと思って読み始めたのだけれど
どうにも集中できず散漫な気分で読んでいたため（自分の問題だけどね）
場所も時間もテンポが速くどんどん変わっていくので
「ん？何の話だっけ？」となることもしばしば・・・
でもそんな中で、変わっていくもの変わらないものが見えてくるのがよかった。
東京育ちの高之が「備後」を岡山だと思い込んでいたことを
周りが驚き、「関東人の傲慢」と非難される場面があるが
何を隠そう、兵庫育ちの私も岡山だと思っていた
ひとつ賢くなりました
あとフォッサマグナが興味深かったな。