発端は、友人・雅人が街金で作った1260万円の借金だった。
暴力団に返済を迫られ、道郎と雅人は偽札を作ることを思い立つ。
完璧な偽札を作るには時間も技術もない。
だが、キャッシュ・ディスペンサーの中に組み込まれている紙幣識別機を欺く偽札なら作れるのではないか?
見た目はどうであれ、機械のセンサーさえくぐり抜ければよいのだから・・・
試行錯誤しながら一万円札と向き合っているうちに、道郎の中で次第に熱い想いが膨れ上がる。
「この先何年かかるか分からないが、機械相手の偽札ではなく、誰が見ても触っても本物とまったく見分けのつかない札を、この手で造ってみたい」
そこから、名前を変え、顔を変え、暴力団や警察の目をくらましながらの
道郎たちの偽札造りが始まる・・・
いや~真保さんの本はいつもながらボリュームがすごい。
主人公・道郎(最終的には良輔)の研究に合わせて、紙、インク、印刷、すかし等々びっちり仔細に解説されている。
作者はどれほど取材・調査をしたんだろうと感心してしまう。
この本が書かれたのは20年以上前だから、技術的なところはかなり古くなってしまっているんだろうけれど。
水田のじいさんや幸緒、ヒロら相棒に助けられながら、ひたすら偽札造りに情熱を傾ける道郎の姿は
読者を完全に味方につけてしまう力を持っている。犯罪行為だけれど応援してしまう。
彼らにとって偽札造りは大金を得るためではない。ゲームなのだ。命を危険にさらしながらも楽しんでいる。
道郎の頭脳と技術を行動力をもっと他に生かせなかったのか、とついつい思ってしまうけどね・・・
あー、それにしても「蛇足ながら・・・」で始まるエピローグは本当に蛇足だったな・・・![]()
このところ立て続けに真保さんの小説を読んだが、やっぱり一番最初に読んだ『脇坂副署長~』がちょっと異色だわー
やっぱり年代が全然違うからかな。