映画監督の妻、泉。週刊誌記者の鉄治。
ふたりはそれぞれ逃げて流れ着いたさびれた町で偶然再会する。
全てを捨ててDV夫から逃げた女と、
濡れ衣を着せられて指名手配中の男として。
息を潜めて暮らす日々の中で二人は惹かれ合っていく。
そんな状況下なのに、というよりも
そんな状況下だからこそ、というべきか。
未来の見えない恋人たち。
泉が住み込みで手伝いをしている画家の天坊八重子。
鉄治が働くバーのサクラ。
私は、いかにもなラブストーリーは苦手なんだけど
この小説は泉と鉄治二人の恋愛を軸としながらも
人間の持つ「生への執着」というか
いい意味での図太さ、たくましさみたいなものが
よりクローズアップされているように感じておもしろかった。
ストーリー的には先日読んだ『モンローが死んだ日』と似ているかな。
テーマに拘らず筆力のある作家さんのものはやっぱり読み応えあるな~
