しっぽのかぎが7の形をした猫ナナと、その飼い主サトル。
「やむを得ない事情により」ナナを手放さなければならなくなったサトルは
ナナと共に、引き取り手を探して旧友を訪ねる旅に出る。
メインはナナ目線で語られているが
折々に、旧友たちの目線での過去のエピソードが挟み込まれ
宮脇悟という人物像をくっきりさせていく。
何の前情報もなく読み始めたので
旅行記的な話かな?と思っていたのだが
全然違った。
ナナとサトルの信頼関係、
恋人同士のような相思相愛ぶりが
胸に痛かった。
みんな寂しい、でもその寂しさを補う大切な存在があれば
また笑って生きていける。
わたしはどちらかと言えば犬派だけど
この誇り高い元野良猫ナナが愛おしくてたまらなかった。